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『ヘビーローテーション』から15年――AKBと僕の青春

AKB48の代表曲『ヘビーローテーション』の発売から本日で15年となった。
高校生だった自分も「フライングゲット」していたのが懐かしい。
つい最近のようだが、あれから15回目の夏を迎えたのが信じられない。


そんなAKB48は今年、結成20周年を迎える。
先日リリースされたシングルには、OGから前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、指原莉乃の4名が参加。
12月には20周年記念の武道館公演が予定されており、第1弾でのOGメンバーのゲスト出演者が発表された。

“AKB48 20周年応援総団長”」という肩書きの高橋みなみを筆頭に、前田敦子、大島優子、板野友美、篠田麻里子、小嶋陽菜、指原莉乃、柏木由紀という全盛期の中心メンバーはもちろん、松井珠理奈、山本彩、渡辺美優紀といった兼任メンバーの出演も発表された。近年は女優としての活躍も目覚ましい野呂佳代も出演する。

全盛期を支えた豪華メンバーの出演に、胸が熱くなり、AKBを推していたあの頃に思いを馳せずにはいられなくなった。



はじめに 「AKB48」とは


2005年に秋元康のプロデュースにより結成された。
秋葉原に「AKB48劇場」という専用劇場を持ち、「会いに行けるアイドル」をコンセプトに活動を開始した。
シングル発売ごとに「握手会」を開催するなど、現在のアイドルビジネスの基礎を作ったともいえる存在。

本格的にブレイクしたのは2009年~2010年頃。
選抜総選挙は社会現象になり、「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」「365日の紙飛行機」といったファン以外にも知られた名曲も多く、紅白にも計12回出場した。

今では当たり前になったが「センター」という概念や、「推しメン」「推す」と言った言葉が一般層にも知れ渡ったのはAKBがきっかけだろう。

1.AKBデビューとオタクへの視線

AKBが結成された当時、『電車男』がブームとなり、メイドカフェや「萌え~」という言葉が流行語となったりと、「秋葉原」はオタク文化の中心地としてホットな場所であった。

その一方でオタクに向けられる目線はかなり冷ややかだったと記憶している。

自分は当時12歳で中学一年生だったが、AKBに関しても「AKB=アキバ系」という認識で、「あいつAKB好きらしいよ」「まじかよ!オタクじゃん!」くらいの言われようだった(これでもかなりマイルドにしている)。

当時からアイドルが好きで、AKBに関してもデビュー曲『桜の花びらたち』から聞いていたが、正直どこか引け目を感じる部分もあった。

専用劇場で活動するスタイルも、当時は想像ができず、不思議な存在であった。


2.『スカート、ひらり』でのMステ初出演


そんな中、2nd シングル『スカート、ひらり』でMステ初出演を果たした。その時の光景は今も忘れられない。
自分と同世代の女子がスカートをひるがえして歌う姿に、胸がざわついた。

「2枚目のシングルで、こんなパフォーマンスを…?」

中学生の自分には驚きと戸惑いがあり、ショックにも近い感情であった。
彼女たちが悪いわけではないが、売り方の戦略には自分の感情がついていけず、応援することに迷いもあった。

同世代の女子が、大人のプロデュースによって性的に見せられていることに対して、複雑な気持ちになったのだ。

この時のAKBに対する感情は、単なる好き嫌いを超えて、自分の成長や価値観の揺れを象徴していたのかもしれない。

3.『大声ダイヤモンド』にハマる


本格的にハマったのは2008年、『大声ダイヤモンド』の頃だ。
AKBも少しずつメジャーな存在になり、自分の中でスカートをひるがえすイメージも払拭されつつあった。

振り返ってみても、これを機にファンが大幅に増え、AKBの快進撃がはじまった瞬間と言えると思う。

自身も高校生となり、AKBの変化と自分の成長が絶妙なタイミングで重なったことで、安心して推せるようになり、結果として自然に「好き」という気持ちが芽生えた。

好きって言葉は最高さ
好きって言葉は最高さ
好きって言葉は最高さ

感情吐き出して
今すぐ素直になれ!

AKB48『大声ダイヤモンド』より

この曲は、以上の歌詞で締めくくる。
自分に芽生え始めた「好き」という感情を、この上なく肯定する絶妙なタイミングであった。

振り返ってみると、異性に「好き」と言えない気持ちをAKBを推すことで昇華していた部分もあるとは思うが、それ以上にハマりはじめていた。


4.高校生活とAKB


翌年(2009年)には「10年桜」「涙サプライズ」「言い訳Maybe」「RIVER」と4枚のシングルを発売し、飛ぶ鳥を落とす勢いであった。
高校生の自分の周りでは、少しずつAKBは浸透していき、メンバーや曲も知られるようになっていった。

自分も少しずつ「AKBが好き」と公言するようになった。
誰が興味あるのか分からない情報は急速にクラス中に広まった。

「誰と誰が付き合ってる」的な噂が、自分の場合は「AKBが好き」という、いちアイドルを推している話であった。

嘘みたいな話だが、話したことのない他クラスの女子からも「AKBを好きなやつ」と認識されていた。

そんなこともあり「実は自分も好きだ」という友人や後輩が何人か声をかけてくれるようになった。
当時は”ちょっとした秘密の共有”のようで、妙な連帯感もあった。

「AKBを好きな人が自分以外にもいる」というのを、学校内で経験するのは、ほのかな感動すらあったことを覚えている。



5.初めての総選挙と『言い訳Maybe』


この年、初めての「選抜総選挙」が開催され、不動のセンター前田敦子が初代王者となる。

この時に選ばれたメンバーで歌われたのが「言い訳Maybe」だ。
この曲により、『大声ダイヤモンド』で気づいた「好き」という気持ちが更に加速する。

AKBで初めて”赤チェック”の衣装を着用し、後のAKBのイメージを作り上げた曲ともいえるだろう。

初めて聞いた時に「こんな曲を待っていた…!」と心から思った。

Maybe Maybe 好きなのかもしれない
それが恋だと わかってるけど
言い訳Maybe

AKB48「言い訳Maybe」より

夏休み明けに久しぶりあった女子への恋心を歌った曲なのだが、
上記にあるように「好きだとはわかっているけど、認めたら本当に好きになっちゃうから…」という恋心の切り取り方が絶妙で、当時高校生だった自分の感情を歌っているようだった。

リリースはまさに”夏休み明け直前の8月最終週”であり、「自分のテーマソングなんじゃないか」というくらいに思っていた。
全国に同じ思いをしていた男子中高生は沢山いたのだろう。

また、自分のような「今までAKBを好きと言えなかった」人間の気持ちを歌っているようにも理解できるのが素晴らしい。

好きだ 好きだ 好きだ
君のことが 本当は好きだ

AKB48「言い訳Maybe」より

ラストスパートに向けて、このように歌われる。
「ああ、ぼくはAKBが好きなんだな」と認識した1曲であった。

この曲、以降もAKBの快進撃は止まらない。
次作の「RIVER」ではついにオリコン1位を獲得。
翌年の総選挙では大島優子が1位になり「ヘビーローテーション」が発売される。AKBは国民的な存在へと駆け上がっていく。



6.大学時代とAKBの全盛期

大学に入り、初めてライブにも行くことが出来た。
2012年のさいたまスーパーアリーナ公演の最終日で、あっちゃんが卒業を発表した日だった。
それは、アイドルに永遠はなく、いつかは終わりが来ることを教えられた、美しくも残酷な瞬間であった。

大学に入ってからも、いつのまにか自身がAKBを推していることは広がっていた。
周囲でも総選挙は話題になったり、女性からの支持も感じるなど、世間一般にも浸透している実感があった。

カラオケに行くと、「フライングゲット」や「恋するフォーチュンクッキー」を歌い盛り上がった。
この時期、AKBは自分の青春の中で、学校生活や日常と自然に溶け合う存在だった。
人気絶頂期のAKBと一緒に自分も”青春”を楽しんでいる感覚を噛み締めた。

握手会やライブなどの熱量の高いファン体験と、日常の中でのささやかな楽しみが重なり、自分の青春のピークとAKBの全盛期は偶然ながら完璧に重なっていたことを、振り返るたびに実感する。



7.共通言語としての”AKB”

あれから時を経た今、「かつてAKBを推していた」と話す人に会う事も増えた。

リアルに会うこともあるのが、同世代の方がパーソナリティを務めているラジオを聴いていると、そのような話を聞くことも度々ある。

番組内でチームYJの「choose me!」が流れた時には、「令和のラジオでこの曲が聞けるのか」と歓喜した。

普段から自身も投稿している番組で、パーソナリティの方にも自身がAKBを推していたメールを読んでもらった縁もあるが、更なる親近感を感じた。

同じ時代、離れた場所でAKBを応援していた人と出会えるのは、運命的な再会のようだった。

AKBはただのアイドルではなく、青春の記憶を結ぶ“共通言語”と言っても過言ではない。

8.AKBは青春の象徴

現在の自分はAKBの公式ライバルとして結成された「乃木坂46」を中心とした坂道グループを推している。
最後に行ったライブは、平成から令和に変わる間際に行われた、さっしーの卒業公演。振り返ってみると6年以上経っていた。

ジグソーパズル ワンピース
失くしたのは 若さじゃなく

ジグソーパズル どこかに
忘れてた熱さ

AKB48 Team K 「ジグソーパズル48」より


Team K の「RESET」公演に「ジグソーパズル48」という曲がある。
かつてAKBを応援していたファンが、大人になった後に再びAKB劇場に足を運ぶという、メタ的かつ当時からみた未来を歌っている。

その歌詞にあるように、武道館公演と出演するOGメンバーのラインナップを見た時に、あの頃の熱さや苦悩を思い出した。
かつての10代の自分と、大人になった自分が重なったようであった。

あの瞬間の自分が頑張っていたこと、友人たちと共有した時間、すべてが今の自分を支えてくれている。
AKBはただのアイドルではなく、自分の青春の象徴であり、これからも前に進む力をくれる存在なのだと強く思った。


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