「鬼の目にも涙まんじゅう」を蒸す。
他の菓子を蒸す予定から、在庫長めのさつまいもを使う道へ進路変更した朝。
せいろ→蒸し菓子→さつまいも→何作る?と考えたところ、鮮烈に浮かび上がったのはわたしにピッタリの菓子だった。
「鬼まんじゅう」
作った経験なし。検索すると「あら簡単!これならイケるわ(作れる)」と舐めきった自分を背後から斬りたい。

見た目皮つきがよさそうだからそのままで。

これは……?
ここでアホな勘違いをやらかした。まさか。
(参考レシピの材料)
さつまいも重量 〇〇g
上白糖 さつまいも重量の1/4
薄力粉 さつまいも重量の1/4
塩 ひとつまみ
さつまいもは250g。
よって、上白糖・薄力粉とも250×1/4=62.5g
4で割ればいい。
なのに、あろうことか完璧な読み違いをした。
1/4を40%と思い込み、250×0.4=100g
0.4を掛けた。
(これが業務中ならば退場に匹敵)
結構な砂糖の量だとは思った。しかしながら、和菓子で使う恐るべき砂糖の量を過去に何度も見ているので疑惑には至らず、そのままさつまいもにまぶして30分間寝かせた。ぱっと見で大さじ5杯くらいの水分(涙)が出た。
突然薄力粉の計量直前に神が降りてきたのだ。
「あんなー、砂糖の計量間違えてるでー!」
神様は関西人だった。ようやく上記のやらかしに気づいた。
さつまいもが流した貴重な涙(高濃度美容液砂糖液)のほとんどをザルで水切りした。貴重な美容液砂糖液と30分が無駄に。レシピではこの水分も活かし、薄力粉を混ぜて(ねっちり)混ぜると書いているが、こうなった手前オレ流を貫くしかない。

表面は艶ピカで美容効果現る。
薄力粉を62.5g入れた。

ねちねち混ぜ合わせると、粉がなじんでそれらしくなった。「それらしく」って何を何に近づけるの?


不穏……
南無。


さつまいもは柔らかく火が通り、つないだ生地も大丈夫そう。
粗熱を取って温もりがあるうちに家族と試食した。
あら、甘味バッチリ。神風か。おいしい。
でもこれが適正な仕上がりかどうかはわからない。あー、なんてことだ。計算を間違えるなんて情けない。
鬼の目にうっすらと涙が滲んだ。
