競争心とか比較癖とか
私は昔から、競争心がないと言われてきた。
両親にも言われてきたし、自覚もある。
その類で、印象深い思い出がある。
小〜中学生の頃。
学年の中で"ピアノといえば私"と言われるくらいには伴奏などで活躍していた私だが、人より上手い自信こそなかったが、学年の中では誰よりピアノが好きであるという感覚だけはあった。
卒業アルバムの寄せ書きには、ほとんどピアノに関することしか書かれていない程だ。それもなんだか寂しい話だけど。笑
私の中学校では、毎年合唱コンクールで伴奏者が1人だけ選ばれ、トロフィーを与えられ讃えられる。毎年3年生が選ばれるから、3年の年の合唱コンクールでは「当然私だろう」という雰囲気になっていたし、そのトロフィーに関心を示す子達は学年を問わずそう言っていた。
でも、私は知っていた。そのトロフィーは、上手さや演奏そのものではなく"学校で行われる音楽教師との伴奏の練習に誰よりも休まず参加した人"に渡されると。というのも、実際にその音楽教師に直接言われたのだ、「休んでいたら伴奏者賞には選ばれないからね。〇〇さんが1番真面目に参加しているから、その子になるわよ」と。
私は正直、関係の浅い音楽教師よりも、いつもお世話になっている習い事のピアノの先生の指導に頼りたかった。学校の伴奏の練習をすっぽかして家で習い事のピアノの課題をやっていたし、音楽教師に習うよりもピアノの先生のレッスンの方が圧倒的に上達している実感があった。
実際に学校での練習に参加したのはたった1、2度くらいだったと思う。
合唱コンクールが終わったあと、伴奏者賞は私だろうと周囲は噂していたが、案の定私ではなく、学校での練習に休まず参加していたあの子だった。皆驚いた顔をしていた。
私はそりゃそうだろう、という感想だった。
選ばれなかったことを、むしろ誇りにすら思っていた。
賞などどうでもよく、クラスのみんなが私の伴奏で気持ちよく歌いやすく歌ってくれたことで、私は大変満足だったし、やりきったような清々しい気持ちで拍手を送っていた。
こんな感じで、小さい頃から名誉に対する憧れや競争心や他人と比較する感覚などを全く持ち合わせておらず、両親にも「もっと欲を出しなさい」だの「負けん気を持ちなさい」だの「やる気がない」だの散々言われてきた。
でも、はっきり言うが、私はそれが嫌いなのだ。
気持ち悪いとすら思ってしまう。
競争心を向けられたり、比較されたことはたくさんあった。羨ましがる目を向けられたことも、逆にバカにするような目で見られることもあった。
でも、だからといって「なんだこのクソ!」と燃えたりすることは一度もない。むしろ、競争心を向けられるほど、比較されるほどに冷めていく。
その"冷め"は、よく考えてみると"疲労感"に近い感覚だと思う。
ただ単に興味を向けられることに疲れていたのかもしれないが……。
それよりも、こちらにその気は全くもってないのに、勝手に敵意を向けられ競争を仕掛けられ、比べられ、対決や勝負のような土俵に無理やり上がらされている感じがなんとも苦痛だったのだ。
人よりも良い人間で在りたいとか。
あの子より成績が上でいたいとか。
他の人より仕事で評価されたいとか。
あいつより稼いでいたいとか。
他の人より人として成熟していたいとか。
そんな他人ありきの軸で頑張る人生は
ほんとに幸せなんだろうか?
私はそこに幸せを見いだせないのだ。
もちろん、あるのだとは思う。
人に勝つ楽しさとか、人より優れているという安心感とか、プライドとか?そういうの。
きっと誰しもにあるんだと思う。
私にもきっと、あるのではないかと思う。
ただ、それがあまりにも少ないだけ、というか。
だから、そもそも競争や比較をした結果に対して感じている価値が小さいから、それを頑張っても、得られる幸せや喜びが人より極端に少ないのかもしれない。
これは、善し悪しではなく、純粋に個性だろう。
正直、競争心のなさや比較しなさすぎることによる向上心のなさが、コンプレックスになりかけた時期もある。
私にも負けん気があったらもっと上手くいっていたのかなとか、あの時頑張れていたのかなとか、色々と考えて悩んでいた時もある。
でも思ったの、そんな自分は好きじゃないって。
誰かに勝つ(つまり誰かを負かす)ことで喜びを感じて、
人より優秀だと思われる(つまり他人との間に優劣をつける)ことで安心して、
そんな自分を想像したら、死にたくなった。笑
それくらい、嫌だった、気持ち悪いと思った。
だから、私はこれからも
「人は人、私は私」
というスタンスで生きていこうと思う。
こんな社会で生きていると、どうしても競争や比較に付き纏われるのかもしれないけれど……。
比べてしまったり競争心に呑まれてしんどくなったりネガティブになったり卑屈になったり、自分はダメだって思って落ち込んだときに、
「世の中には、こんなふうに比べるという概念がそもそも苦手な、マイペースで呑気なヤツもいるんだな」って思って、気楽さを取り戻すキッカケになってたらいいな。
もし読んでくれている人がいたら。笑
私も競争心がないとかそういう類のコンプレックスが再発してしまった時は、この日記を読みにくるだろう。
今日終わりっ。
