映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』感想
"自由奔放でエネルギッシュなジェヒと、穏やかで繊細なフンス。
正反対の二人が、ある出来事をきっかけに特別な契約を結び、一緒に暮らし始めることに!
ジェヒは奔放な恋愛を楽しみながら、世間のルールに縛られず、自分の価値観を大切にして自由に生きている。
一方、フンスはゲイであることを周囲に隠しながら、孤独と向き合う日々を送っている。
二人はお互いの違いを認め合い、次第にかけがいのない存在となっていくーー。
しかし、ジェヒが人生の大きな転機に立たされ、フンスも初めて心を許した恋人との関係に悩む中で、
二人の友情は予期せぬ形で試されることになる…。"
誰かの「生きづらさ」や「普通」を置き去りにせず、抱きしめてくれるような温かさが残る作品だった。
主人公の2人にとっての「自分らしさ」は観客それぞれのものとは違うものかもしれない。
ただ彼らは少数派だから際立って見えて、多数からは「異質なもの」認定されてしまった。
でも誰しも「自分らしさ」を持っているし、それを「悪」だとか「欠陥」だとか本当は否定されたくないものだと思う。だけど怖いから、多数のフリをしているだけ。
作品の中の2人の絆と成長が、そんな迷いを体感させ、「肯定」してくれた気がした。
特に私も韓国に住んでいて、日本以上に保守的で、少数派に対する押しつけ、固定観念が露骨なとこがあると実感してきた。
「男は男らしく、女は貞淑に」みたいなものだ。
だから余計にこの作品の「異質を排除する」雰囲気が際立って見えた。
もちろんジェンダーによるものや、それ以外であっても価値観はそれぞれなので、それを良しとする人を否定するつもりはない。
でもその先に、「誰かを生きづらくするかもしれない刃」があるという認識は、持っていていいんじゃないかと思う。
そんな思いを浮き立たせてくれるセリフがいくつもあり、グサグサと刺さってきた。誰にでも心に残る一言があるはず。
ちなみに私にもゲイ(バイ)の友達がいる。
日本が息苦しかったのか、海外を転々としていた。
彼は「僕は一人で孤独に死ぬしかないからな(笑)」と冗談混じりに言っていたが、今思うと生きづらさが滲んだ一言だったのかもしれない。
私にそれを吐けることで、一瞬でも楽になっていたらなと思う。
