見出し画像

第一話 新プロジェクト発動        ⭐️母からの伝言⭐️

僕:「お母さん。おはよう。今日は、三回忌だね〜。12月27日。今日は家族で集まって、お母さんの思い出話しだ。みててね〜〜」

洋子:「おにいちゃん大丈夫?もう目がうるうるしてるよ。今日は、みんなで私を思い出してくれる日。ありがたいねえ。ひろっちゃんとみっこちゃんとは仲良くやってる?」

僕:「もちろん仲良くやってるさ。」

洋子:「またどこかで一途を復活させてね。私は何度も何度も一途に救われたんだから。あなたたちの言葉に。歌に。声に。想いに。一途を聴いてくれた子どもたちは、きっと今でもみんな覚えているよ。ちゃんといつも思い出して、歌で応援された自分を誇りに思って前に進んでるからね。」

僕:「ありがとう。一途、いつかきっとまたやると思うよ。今はみんなそれぞれ仕事に集中してるんだ。心配しないでね。それよりお父さん。この前心臓の手術をしたけど、元気だ。相変わらず我慢強いね。口数は少ないけど、背中が生きてるぞって言ってる。僕、あの背中に勝てる気がしない。」

洋子:「勝たなくていいのよ。あの人は、勝負してるんじゃなくて、守ってるだけ。お兄ちゃんは、お兄ちゃんの守り方でいい。」

僕:「僕の守り方か〜。僕は、軽いんだよね。気づいたらなんか笑って喋ってる。静かな人の隣で、僕が喋って、空気を軽くして、楽になってもらう。それで笑ってもらう。そういう役回りなんだと思う。」

洋子:「そう。お兄ちゃんは、空気に手を入れられる人。重くなってきたら、少し温度を変えられる。たいした特技よ。」

僕:「特技って言われると、急に照れるな。僕の特技って、せいぜい間を埋めることだ。」

洋子:「間を埋めるのは、技術がいるの。誰でもできると思うでしょ。でもね、間を埋める人がいるから、沈黙の怖い人が息をできるのよ。」

僕:「うふ。そう言われると、少し救われる。ありがとう。」

洋子:「うん。で、お兄ちゃん。今日、ほんとうは何を持って来たの?」

僕:「え?」

洋子:「三回忌だから来ましただけなら、もっと元気に来るでしょ。お兄ちゃん、今、胸の奥に固いものがある。石みたいなやつ。」

僕:「う・・バレてる?」

洋子:「バレるよ。お兄ちゃんの心は、顔に出ないけど、声に出るから。」

僕:「声に?」

洋子:「そう。声に。」

僕:「実はね、最近ずっと考えてることがあるんだ。僕の活動って、いろいろやってるようで、届いてない人がいる気がして。ラジオも、講演も、文章も、みんなが見たい人が見てくれる。でも、苦しくて見に来れない人がいる。」

洋子:「そうね。」

僕:「その人たちに、どうやって届くんだろうって。考えるほど、僕の手は増えないし、時間も増えないし。やりたい気持ちだけ増える。これ、ね、地味に苦しい。」

洋子:「お兄ちゃん、いいところまで来てるね。」

僕:「え、今のがいいところなの?僕は今、行き止まりに見えるんだけど。」

洋子:「行き止まりじゃないよ。道具がまだ出てきてないだけ。」

僕:「道具?」

洋子:「お兄ちゃんには、もう一つの道具がある。」

僕:「パペット?いや今日は持ってきてないよ。さすがに三回忌でライオン出したら、親戚が一瞬かたまっちゃう。」

洋子:「ふふ。ライオンじゃない。今日はね、もっと昔からお兄ちゃんが持ってる道具。」

僕:「・・・・・・。」

洋子:「声。」

僕:「また声。」

洋子:「うん。声。お兄ちゃんは、声で人を助けられる。今までもずっと。」

僕:「でも、それって、偶然じゃない?たまたま僕の声を聞いて落ち着いた人がいたとしても、それは相手が優しかっただけかもしれない。」

洋子:「お兄ちゃん、そうやって自分の力を相手の優しさにすり替えるクセ、まだあるねえ。」

僕:「ぐっ・・・痛い。」

洋子:「痛いのは、図星だからよ。優しさはね、相手にもある。でも、お兄ちゃんの声には人が呼吸を取り戻す間が入ってるの。焦らせない。追い詰めない。笑いも一滴入ってる。ほら、今も。」

僕:「笑い一滴って、薬みたいだね。」

洋子:「そう。心の薬は、苦いだけだと飲めないのよ。だからお兄ちゃんは、ちゃんと飲める味にしてる。」

僕:「じゃあさ。声で助けるって、具体的に何をするの?ラジオ以外にもある?」

洋子:「まずは、届く形にすること。」

僕:「届く形?。」

洋子:「悩んでる人ってね、会いに行けないのよ。電話もできない時がある。文章も読めない時がある。自分の気持ちを整理する力が残ってないんだから。どんなに考えても、自分がわからなくなってしまうの。」

僕:「わかる。今企業相談で担当している方がそんな感じ。」

洋子:「そういう時に、読むより聞くほうができる人がいる。目を開ける力がなくても、耳には残る。だから、声。」

僕:「僕が、誰かに声を届けるってこと?。」

洋子:「うん。お兄ちゃんの声で、大丈夫だよって言う。短くていいの。丁寧でいいの。まっすぐでいいの。」

僕:「でも、それって、ご相談になってしまう。僕が一人ひとりと長く話すことになるんじゃないかな?。」

洋子:「ならないようにするの。相談を全部背負わない。材料だけ受け取って、返す。」

僕:「材料。」

洋子:「相手が、苦しいことを音声で送ってくるの。泣いてても、詰まっててもいい。そこでお兄ちゃんが全部解決しようとしない。お兄ちゃんは、声を返す。今ここまで生きてこれたの、すごいよって。今日の呼吸を、一回戻そうって。」

僕:「それ、僕、できるかな。。」

洋子:「もうできてるわよ。お兄ちゃんは、やるかどうかだけ。」

僕:「でもさ。こういうのって、お金をもらっていいの?僕、まだそこが怖いな。なんかお金が入った瞬間に、相談の純度が落ちる気がして。」

洋子:「お兄ちゃん。違うよ。相談じゃないの。声を届けるの。その価値を、価値として扱いなさい。お兄ちゃんの声は、誰かの夜を越えさせる力がある。それを無料にし続けたらね、いずれ疲れた時に続かなくなる。続かないほうが、相手にとっても残酷よ。」

僕:「続かないほうが、残酷。」

洋子:「うん。誠実に続けるために、受け取る。お兄ちゃんがちゃんと生きて、ちゃんと休んで、ちゃんとまた声を出せるようにするために。」

僕:「それって、すごく母っぽい。現実的。」

洋子:「当たり前よ。お兄ちゃんを守るのが私の役目だもの。天国でも、役職はそのまま。」

僕:「役職って(笑)」

洋子:「ふふ。笑ったね。ほら、声が軽くなる。お兄ちゃん、今、できるかもって顔してる。」

僕:「うん。少しだけね。今日ここに来て、三回忌で、思い出して、泣く日だと思ってたけど。なんか背中を押された感じがする。」

洋子:「押したのよ。お兄ちゃんは、やさしい人を助けるだけじゃなくて、やさしくなれないほど苦しい人も助けられる。だから、届く形にしてみなさい。」

僕:「わかった。でもちょっと待って。今日はいったん胸に入れておく。でも、決める。日付を決める。」

洋子:「うん。日付を決めるの、大事ね。」

僕:「明日から、少しずつ整える。12月28日、29日、30日、31日。準備の記録として、お母さんと会話を続ける。そして、1月1日。そこで僕は、始める。始められるかしら・・・」

洋子:「いいわね。新年は、新しく始めることがよく似合うわ。」

僕:「怖いけど、、やってみる。怖いままでもいいよね?」

洋子:「いいよ。怖いまま進める人が、ほんとうに強いの。」

僕:「だね。ありがとう。お母さん。」

洋子:「ううん。来てくれてありがとう、お兄ちゃん。3回忌。皆様を楽しませるのよ。余計な反省会はしないでね。」

僕:「それが一番難しい。」

洋子:「知ってる。だから言うの。」


プロジェクトの始まりはこんな感じでした。明日に続きます。あなたに、幸あれ!!

いいなと思ったら応援しよう!

おりられオジさん(くまちゃん) ご支援ありがとうございます。このnoteはサポートのお志で成り立っております。メッセージにお名前(ご本名とご住所)も入れていただけると、感謝とサチアレ念をダイレクトに飛ばさせていただきます。