「言わなくてもわかる」を手放したら、関係はやわらかくなりはじめました
「分かってほしかった」
ほんとうは、
ただそれだけだったのに。
口から出たのは、責める言葉でした。
わたしは長いあいだ、
感情を伝えているつもりで、
ほんとうは何ひとつ
伝えられていなかったんだと思います。
こんにちは。
おさゆです。
夕方の台所。
一日の終わりが近づいてくる、あの時間帯。
食器の触れ合う音。
炊飯器の小さな電子音。
昼間はちゃんとやれていたはずなのに、
ふと胸の奥に、置き去りの感情が残っている。
そう気づく瞬間があります。
あのとき、ほんとうは少し寂しかった。
あの言い方は、ほんとうは少し悲しかった。
わかってほしかったのに、うまく言えなかった。
でも、
その場では笑って流して、
なにもなかった顔をして
そのまま次へ進んだ。
そうやってやり過ごしたものが、
あとからひとりの時間に浮かびあがる。
人間関係のしんどさは、
相手の言動そのものだけで
できているわけではないのかもしれません。
言えなかった気持ち。
飲み込んだ違和感。
見ないふりをした悲しみ。
そういうものが少しずつ積もって、
こころの中に重たさを残していくことがあります。
「人間関係がしんどい」
「相手に気を使いすぎて疲れる」
「わたしばかりが我慢している気がする」
「言いたいことがあるのに、うまく言葉にならない」
そんなふうに感じることはないですか。
友人。
家族。
恋人。
職場の人。
わたしたちは毎日、いろんな関係の中を生きています。
その中でつい、
“どうすれば嫌われないか”
“どうすれば波風を立てずに済むか”
“どうすればうまくやれるか”
を、先に考えてしまうことがあります。
でも本当は、
関係を育てるうえで大切なのは、
うまく振る舞うことだけではないんだと思います。
もっと大切なのは、
自分の中に起きていることを知り、
それを相手に届く形で差し出していくこと。
今日は、
”感情をシェアする”ということについて書いてみようと思います。
ただそれは、
感情をぶつけることではありません。
思ったことをそのまま投げることでもありません。
相手を変えるためのテクニックでもありません。
一方的に吐き出して終わるものではなく、
“わたしはこう感じた”を差し出し、
“あなたはどう感じていた?”へとひらいていくもの。
つまり、
双方向のコミュニケーションの話です。
人との関係は、
どちらか一方だけががんばることで成り立つものではありません。
でも、そうと分かっていても、
現実には、ひとりで抱えて、ひとりで察して、ひとりで疲れてしまうことがある。
わたし自身、ずっとそうでした。
言わなくても分かってほしい。
大切に思ってくれるなら気づいてほしい。
わざわざ口にしなくても、察してくれるのが愛でしょ。
どこかで、そんな期待を持っていたんです。
でも、うまくいかないときにわたしがしていたのは、
素直な気持ちを伝えることではありませんでした。
本当は悲しかった。
本当は不安だった。
本当は傷ついていた。
それを見せる代わりに、
わたしは“正しさ”を前に出していました。
もっともらしいこと。
筋の通ったこと。
相手が言い返しづらいこと。
そうやって自分を守っていたんです。
だけど、そうして守ったはずの関係は、
少しずつ遠ざかっていきました。
今のわたしは、
あの頃より少しだけ、違うやり方を知っています。
「どうして?」ではなく、
「わたしはこう感じた」と伝えること。
「分かってよ」ではなく、
「ここにこんな気持ちがある」と差し出すこと。
たったそれだけのことが、
人とのあいだに流れる空気を、思った以上に変えていくことを知りました。
この記事では、
・感情をシェアするとはどういうことか
・なぜわたしたちは気持ちを伝えにくいのか
・一方通行ではなく、相互理解に向かう伝え方とはなにか
・わたし自身の失敗から見えた”言葉の責任”
・相手を尊重しながら、本音を届ける具体的な工夫
・関係の中に安心を育てるために必要なこと
それらを、体験も交えながら綴っていきます。
もし今、
言いたいことを飲み込む癖があったり、
関係の中で疲れやすかったり、
伝えたいのにうまく言葉にならない苦しさを抱えていたりするなら、
それは、あなたがちゃんと
人との関わりを大切にしてきたからこその痛みだと思います。
ここから先は、
わたしが「言わなくても分かる」と思い込み、
ほんとうは寂しかったことも、悲しかったことも、
うまく手渡せないまま関係をこじらせてしまった体験を通して、
双方向のコミュニケーションの尊さについて、
もう少し具体的に綴っていきます。
関係を温かく育てなおすために
人との関係は、
壊れるか、続くか、
そんな二択だけではないんだと思います。
表面上は続いていても、
こころの中では少しずつ遠ざかっていることもあるし、
いったんこじれたように見えても、
そこから育みなおせる関係もあります。
その分かれ道にあるのは、
ここから先は
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