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不自然なアイスブレイクはもうやめよう

アイスブレイクとは緊張をほぐして、これからやるべきことのためにコンディションを整えるための時間です。でも、かえって居心地が悪くなった経験はありeませんか? 今回は不自然なアイスブレイクを例に、「場に良い流れをつくる方法」を紹介します。

こんなアイスブレイクに誰がした

もうお決まりなんですよね、アイスブレイク。昭和の時代の儀式じみたガチガチの昭和の場づくりに対して、「心身のこわばりをほぐして整えよう」というアプローチは、革新的かつソフトで実際的でした。

それがどうでしょう、いまは「では、最初にアイスブレイクを行います」と、ぐるっとまわって再び儀式化しています。

「写真を撮るから笑って!」

と言われて上手に笑えるのは、モデルやタレント、そして自撮りに慣れた人たちでしょう。普通は、かえってこわばりますよね。「これから緊張をほぐすために、アイスブレイクをします。さぁ、リラックスしてください!」とやっては逆効果なのです。

そういう意味では、「それでは、アイスブレイクです」と宣言して始めた時点で、もうポイントを外しつつあります。「今夜は口説くよ、最後までいくよ!」といって食事に誘うようなものだからです。

自然な流れと不自然な流れ

場にとって良い流れとは、自然な流れのことです。逆に悪い流れとは、不自然な流れを指します。

その見分け方ですが、段取りとか流れに気持ちがいってしまったとしたら、それには不自然な流れが生じています。安心してやるべきことに集中し、流れに身を任せられる、時には自分たちが流れをつくっているとさえ感じられる──自然な流れとは意識されませんので、気付かれないのです。

卑近な例ですが、長い乾杯の挨拶なんかは、悪い流れの典型例です(早く乾杯しよう!とみんな思っていますからね!)。基本的に、参加者みんなが段取りのことを気にしている場は、良い流れをつくることに失敗しています。

不自然なアイスブレイクの微妙な効用

とはいえ、不自然なアイスブレイクにも効用はあります。それは、参加者はそんなでもないけれど、主催者側(ファシリテーターや講師など)の緊張がほぐれる点です。

場づくりの解像度が低い主催者は、こんな風に場をとらえがちです。

しーんとしている → まずい、盛り下がっている!
ざわざわしている → よし、盛り上がってきたぞ!

すごく仲良しの知り合いばかりとか、基本的に挨拶はハグとグータッチ! みたいな人たちでなければ、日本社会の場は大抵最初はしーんとしています。別に盛り下がってなどいなくて、普通にしているだけですよね。

ここで、多少わけのわからない内容でもアイスブレイクのプログラムが入ると、「しーん」が「ざわざわ」に変わります。これでほっとする主催者は多いです。

ファシリテーターや講師がガチガチに緊張していては、せっかくの場も台なしです。主催者も含めて、ちょっと緊張ほぐして声出そうぜ! くらいの感じで大目にみてあげられるといいのかもしれません。

良い流れをつくるにはコンディションを想像する

いや、自分はもっといい場をつくりたいんだ!
アイスブレイクに限らず、良い流れをつくりたいんだ!

こんな風に、さらに上を目指したい人たちが持つべき視点を紹介しましょう。それは参加者の身になって、コンディション(気持ちや体調など)を想像するということです。

例えば、炎天下、駅から徒歩20分の会場なら、到着した人たちのコンディションはどんな感じか想像出来ますよね。「こんにちは〜! まずこちらのワークシートに記入して提出してください!」とクリップボードを渡されたら、どんな気分でしょう? 僕なら「うるせえな、いま暑いんだよ、とりあえず水のませろよ」と思うでしょう。汗だくでシート記入とかしたくないです。

さて、あなたならどんな配慮を思いつきますか? 

配慮に正解はありません。また、全員が必ずその配慮を喜んでくれるとは限りません。でも、こういう視点で配慮が出来れば、必ず場をつくる力は向上していきます(こういうことが出来ないと、レベルアップは難しいです)。

最適の緊張をつくり出せ

アイスブレイクを、単に「緊張をほぐすため」と捉えてしまうと、場を読み違えます。緊張などしていない人もいますし、弛緩(緊張の反対です)し過ぎて「だりぃ…」「ねみぃ…」みたいになっている場合も多いはず。弛緩している人をさらに弛緩させては眠ってしまいます。

さて、まとめです。これらの問いに順番に答えていきます。

1.その場で一番大事なことは何ですか?
2.どんな体験を提供したいですか?
3.それに集中して参加するために、最適なコンディションをつくるには、どうすればいいですか?

こうして考えると、段取り(プログラムに取り組む順番)がとても重要だということが分かります。激辛カレーを試食した後に、だし汁の微妙な違いを味わう、みたいな流れはおかしいですよね。

集中すべきことにもっとも集中出来る状態、僕はこれを「最適な緊張」と呼んでいます。この最適な緊張状態をつくり出すために、相手の身になって配慮を積み重ねます。お・も・て・な・し、ですね。

良い流れとは、自然な流れ。このことの意味がお分かりいただけたでしょうか。あなただから出来るあなたらしい場づくりを、楽しんでくださいね。

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長田英史(おさだてるちか) / NPO法人NOT コンテンツが役立った!共感した!という方は、よろしければサポートをお願いします。大変励みになります。noteでの情報発信のために、大切に使わせていただきます。ありがとうございます。