ミッドライフクライシスを乗り越えるための読書案内12選
こんにちは、イセオサムです。以前はスタートアップの起業家、2020年に東京から御代田町に移住して経営者のアドバイザー、アーティストとして活動しています。
みなさまゴールデンウイークはいかがお過ごしでしょうか。僕はまとまった時間が取れるときに思考の整理をするのですが、いま周りで流行り?の「ミッドライフクライシス」もしくは「中年の危機」について振り返っています。
ミッドライフクライシスって?
「このままでいいのか?」
「何のために働いているんだっけ?」
「何かを変えたいけど、何を変えたらいいかわからない」
各書籍によると、働きはじめて20年くらいで発生しやすいといいます。それは仕事が一巡して少し余裕ができてきたからこそ、陥るものなのかもしれません。そもそも余裕がなければ、それはただのクライシスです。
当時は気づかなかったのですが、僕は35歳くらいからこの状況に陥っていたようで、7年かかってようやく出口が見えてきたように感じています。
以前、あっきーさんのpodcastでこの話をしてから友人に相談を受けることが増えたので、この2年で読んだ今後の人生について考えるヒントになりそうな本を紹介します。
まずはこれ。人生の構造を理解して戦略をたてるための本
1.人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法
2023年末、サウナで出会ったアニキのともさんが教えてくれた本。
「成功依存症から抜け出そう」というメッセージや「流動性知能から結晶性知能へシフトチェンジ」を実践に移したら目からウロコだった。
特に、20代、30代と人生の早期に大きな成功体験を得た人はその後の落ち込みが激しいので今のうちに読んでおくことをおすすめします。
本の事例としてもでてくるように、アーティストとしては息子に追い越されながらも指導者として輝いて歴史に名を残したバッハのように、引き続き楽しい人生が送れるはず。
あと、これを読んで僕の100以上あった欲にまみれたバケットリストはなくなりました。スッキリ!
これまでの延長ではうまくいかないと感じたとき、人生の再設計図として使える教科書です。
せっかくなのでバッハを聞きながら続きをお読みください。
2.DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
読んだのは2022年。アリとキリギリス、どっちが素晴らしいか?という問いに対し、多くの人はアリと答えるだろう。しかし、どっちが楽しい人生かときかれたら、キリギリスも悪くないよな、と思う。
人生は思い出づくり。どうせ死ぬなら楽しく生きようぜ、ということを論理的に書いた本。
お金をため続けるより、経験に投資せよということですね。
ちなみに僕は転職したとき、起業したとき、移住したとき、と人生で何回かお金を使い切ってます。極端ですが、経験にフルベットするとそうするのが合理的とも言えます。
3.限りある時間の使い方
人生には限りがある。たった4000習慣しかないことを忘れがち。
効率化、生産性にまみれた生き方から一歩距離をおくための本。
何かを達成するためではなく、ただ歩くために歩く。それは目標に向かう活動が多すぎる日々のなかで、大きな救いになるかもしれない。
はたらき方を考える本
では、どう働き方を変えたらよいのか。そもそも働くべきなのか。
4.モダンエルダー 40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方
めちゃくちゃ名著だと思う。
著者のチップ・コンリーさんは経営していた会社を売却し、Airbnbの顧問に就きました。20代の創業者たちに自分が採用されたのは、ホスピタリティ業界の専門知識を買われてのことと思っていましたが、やがて自分の本当の価値はそこではないと気づきます。
実は、チップの売りは、知識というよりも知恵であり、人生とリーダーシップに関する助言だったのです。ブライアン・チェスキーら創業者たちからは「あなたは私たちにとって、現代の長老だ」と言われています。
僕の好きな映画にマイ・インターンがあります。ちょっと早いと感じるかもしれませんが、プレイヤーからアドバイザーへ。ロバート・デ・ニーロになれるって思うとワクワクしませんか?
5.人生の経営戦略――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20
山口周さんの本。こちらの図がバズってましたが、時間資本をどう投資し、人的資本から社会資本、金融資本に変えて結果的にウェルビーイングな状態に達するか。
ミッドライフクライシスな方は、きっと社会資本や金融資本が溜まってきているのではないでしょうか。

一方、人生の後半は前半に比べ、人的資本への投資が減ることで、自己効力感が下がってくる傾向があるんじゃないかという気づきを得ました。
そんな方は、前述の「モダンエルダー」を読むと良いと思います。
しかし、どんなに成功したとしても、私たちはいずれどこかで第一線を退き、立場を後進に譲り、頼られなくなり、最終的に忘れられることになります。 このような状況をつらく、悲しいものとして受け止めて意気消沈するか、あるいは、他者を支援し、他者の成長や活躍に新しい喜びを見出すかで、人生後半のクオリティ・オブ・ライフは大きく変わってくることになります。 サーバントリーダーシップが訴えているのは「能力の低下する、つらくて苦しい人生後半期は端っこで支援者として過ごしましょう」などという消極的なものではありません。むしろ逆で、他者を支援し、その成功を手助けすることで、金銭や名誉といった虚しいものでは得ることのできなかった大きな喜びが人生の後半期に得られるということ……フランク・シナトラの墓碑銘の言葉を借りれば「お楽しみは、これからさ」ということなのです。
6.Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代
他人のレールじゃなく、自分の感性を信じて生きる。
そんな「ちょっと変わった馬=ダークホース」の生き方を肯定してくれる本。
解説を書いた伊藤羊一さんのこの10年を見てると強い説得力があります。
1 自分の中の「小さなモチベーション」を見つける
2 一般的なリスクは無視して、自分に合った道を選ぶ
3 自分の強みを自覚したうえで、独自の戦略を考え出す
4「目的地」のことは忘れて、充足感を今抱いているか自問する
まず大事なことは、「小さなモチベーション」。この積み重ねで人は動く。「大きな情熱」「大きなモチベーション」ではなく、自分の中にある「おっ、ちょっとやってみるか」程度の「小さなモチベーション」がスタートである。
ダークホースたちは「何かに成功すること」で充足感を得たのではなく、「自分自身にとってかけがえのないことに熱心に取り組むこと」で充足感を得たのだ。 ジェニー・マコーミックは、望遠鏡から遠い宇宙を見つめるなかで充実感を味わい、アラン・ルーローは、スタイリッシュな洋服をつくるなかで充実感を味わっている。
「世界一」ではなく、「最高の自分」。自分にとっての充足感を大切にするのです。
では、何に時間を使うべきか
7.ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために
「人生は長いゲーム」という視点は、本当に大事。
忙しさを崇拝していると、知らず知らずのうちに自分が忙しくなるような選択をしてしまうということだ。私たちは、自分の欲しいものを明確に定義しなければならない。
僕自身、音楽制作をはじめたり、歌を習い始めるときにこの部分に大いに影響を受けた。
アリサは勇気を振りしぼってラップを始めた。8週間後、彼女は卒業公演の舞台に立ち、60人の観客の前でフリースタイルラップを披露した。
彼女の本職は、スタートアップ企業を対象としたエグゼクティブ・コーチだ。そこで彼女は、友人を作詞家として雇い、自分の仕事についてのラップを書いてもらうと、そのラップを演じる自分をiPhoneで録画した(「ヨー、ここにいるのはラップのカリスマ、あなたのエグゼクティブ・コーチ、その名はアリサ!」)。 アリサは別に、ラップのスターになることを目指していたわけではない。それにこの動画でクライアントを獲得することを狙っていたわけでもない。彼女にとって、この経験はもっと大きな意味をもっていた。「自分の創造性を自由に解放できるようになったと思う。恥ずかしがらずに自分を表現できるようになった」と語るように。
新しいことに挑戦しない理由なら掃いて捨てるほどある。特に自分の居場所が快適なら、もっともらしい「できない理由」はいくらでも見つかるだろう。「今は都合が悪い、ほかにもっと大事な予定がある」などなど。
ロングゲームをプレイするなら、「自分は完璧ではない」と認めなければならない場面もある。なりたい自分になるためなら、たまにはバカに見えるようなことをするのもいいものだ。
ミッドライフクライシスは、短期的な成功に全力投球してきた人ほど陥りやすい。この本では、「お金」に最適化するのではなく、自分の「興味」に最適化すること、そしてそれを10年単位で考えることが大切と言う。
小さくても成功体験がある人は、10年あったら大概のことはできると思えるのではないだろうか。3年で結果を出そうと考えず、時間軸を伸ばすだけで、短期では達成できないような大きな目標に取り組めるようになる。
そう思って僕は今、絵画に取り組んでいます。
8.ずっとやりたかったことを、やりなさい。
出版されて30年が経った今も読み続けられている名著。
あなたが何歳で、どのような人生を送ってきたにせよ、また、創作することが職業、趣味、夢のいずれにしろ、自分の創造性を引き出すのに遅すぎるということはない。
自らの創造性を妨げないことで、人生の後半でやれることは無限に思えてくる。必読です。
9.じぶん時間を生きる TRANSITION(あさま社)
軽井沢に移住した佐宗さんのトランジションに関する本。
何かを、終わらせ、手放し、新しいものを手に入れる。
勝手に佐宗さんのA面が「理念経営2.0」、B面がこの本だと思って読んでます。
具体的にやることをみつけるための本
10.小休止のすすめ 運を呼び込む「人生の休み方」の極意
ヒロミさんとサイバーエージェント藤田社長の本。
仕事に邁進するための一時の小休止を求める彼らから「遊びを教えてください」と言われ、釣りやウォータースポーツ、キャンプなど、いろんな遊びに連れ出した。
小休止中の遊び場では、業界の違いも、肩書の差も、会社のしがらみも関係なくなる。普段とは別の世界に入ることで新たな人間関係が生まれていく。中でも、僕がいいなと思うのは、年齢に関係なく付き合える仲間ができることだ。 大人になると、フラットな付き合いができる相手と出会う機会は少なくなり、そもそも新しい友達自体ができにくくなる。だから、どんなに仕事が忙しくても「遊び」は挟んだ方がいい。
遊びから見つかることってすごく多い。
僕自身もゴルフや釣り、絵画やマラソンなどをしながらミッドライフクライシスを乗り越えたアニキや、僕より前に進む弟分たちの存在に助けられて来ました。共通の趣味が人生の楽しみ方を広げてくれます。
11.アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法
直島や21世紀美術館の館長を務めた秋元さんの本。
おそらくこのnoteを読んでくれているのは、課題解決型のデザイン思考を得意とする方が多いのではないでしょうか。「そもそも何が課題なのか」というアート思考を身につけることで、今後の人生の楽しさが拓けると思います。
12.私はこうして勉強にハマった
僕がミッドライフクライシスを抜け出す直接のきっかけになったのがビリギャル本人、さやかさんのこの本。
アリストテレスさんは「ユーダイモニック・ウェルビーイング」つまり、意味や目的のある人生の中で、自己成長や自己実現を通して得られる幸福感こそが、人を本当の意味で幸せにするよ! といったんです。

「ヘドニック・ウェルビーイング」な時間を過ごし、クライシスに陥っていた僕が「ユーダイモニック・ウェルビーイング」の重要性に気づいた時、自分のやるべきことを見つけた気がしました。
幸運なことに僕は今、彼女が起業したAGAL株式会社のアドバイザーを務めさせていただいています。前述のAirbnbのアドバイザーを務めたチップさんをイメージしながら。
さいごに
ミッドライフクライシスは一種の「余白」なのかもしれません。
ずっと走ってきて、ふと立ち止まったときに訪れる、静かな問い。
「このままでいいのか?」
「何を大切にして生きていきたいのか?」
「本当にやりたいことって、何だったっけ?」
そんな問いに向き合えるのは、ある意味で“ラッキー”です。
僕もまだまだ模索中ですが、こうして「考え続ける」ことこそが、人生の後半戦を面白くしてくれると思っています。
どれか1冊でも、あなたの背中をそっと押す本になりますように。
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執筆:イセオサム / 伊勢修
PLAY株式会社代表取締役。東京でテレビ局、インターネット広告代理店を経て起業家として活動した後、長野県御代田町に移住。妻と娘、息子、猫3匹と暮らす42歳。現在は経営者のアドバイザー、アーティストとして活動しています。
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