「ぽじれん」で始める心の整理。生きづらさへの処方箋
毎日、なにかとつらい思いを抱えていませんか?
仕事や家事、子育てに追われて、気持ちが沈んでしまうことはありませんか?
私も以前は、うつ病を抱えながら、毎日の生活に息苦しさを感じていました。
朝が来るのが怖くて、布団から出られない日もありました。
机に向かっても仕事が手につかず、夜は不安で眠れない。
そんな日々が続いていました。
心の中のモヤモヤを晴らすヒント
そんな中で出会ったのが「ぽじれん」という考え方です。
最近、とても興味深いTV番組を見かけ、さらにラジオでお話を聞いたのですが、そこで紹介されていた「ぽじれん」について、私なりの体験も交えながらお話ししたいと思います。
千葉大学大学院の清水栄司教授によると、「ぽじれん」とは「ポジティブの練習」の略だそうです。
寝る前のたった5分間で、その日にあった
「できたこと」
「楽しかったこと」
「感謝すること」
という3つの良いことを思い出して書き出す、とてもシンプルな方法なのです。
特に印象的だったのは、ある働くお母さんの体験談です。
2歳の子どもの育児に悩み、仕事との両立でストレスを抱え、体調を崩してしまったそうです。
子どもがいうことを聞かなくなり、自分が必要以上に怒ってしまう。
そんな自分を責めて、さらに追い詰められていく。
きっと多くの方が共感できる経験ではないでしょうか。
その方は、育児ストレスを減らすための特別プログラムに参加し、そこで「ぽじれん」と出会ったそうです。
最初は半信半疑だったものの、毎日続けていくうちに、少しずつ心が軽くなっていったといいます。
私も実際に「ぽじれん」を試してみました。
朝、温かいスープを飲めたこと。
仕事で小さな進展があったこと。
夕方、空を見上げたらキレイな夕焼けが見えたこと。
そんな些細なことを、毎晩ノートに書き留めていきました。
すると不思議なことに、日中から「今日はどんな良いことがあるかな」と、自然と周りを見渡すようになっていったのです。
なぜ「ぽじれん」は心を軽くするのか
清水教授の解説によると、私たち人間の脳は、生存本能として楽しいことよりも怖いことを優先的に記憶する傾向があるそうです。
たとえば、スーパーの入り口で犬を見かけたとき、「かわいいな」と思う人もいれば、「危険かもしれない」と緊張する人もいます。
過去に怖い経験をした人は、どうしてもネガティブな方向に考えが偏りがちになってしまうのです。
私自身、今もうつ病を抱えていますが、すべてのことを悪い方向に考えてしまう時があります。
たとえば電車で席を譲ってもらっても、「迷惑そうな顔をされた」と思い込んでしまったり、仕事で「ありがとう」と言われても、「本心からじゃないはずだ」と疑ってしまったり。
今思えば、心が曇っていたのだと気づきます。
「ぽじれん」は、そんな私たちの認知の偏りを、少しずつバランスの良い方向に整えていく効果があるのだそうです。
「できたこと」を見つけることで自己肯定感が高まり、「楽しかったこと」を思い出すことで気持ちが明るくなり、「感謝すること」を探すことで周りとの関係性が良好になっていく。
実際に千葉大学で行われた研究では、不眠に悩む人たちが「ぽじれん」を実践したところ、睡眠の質が改善したという結果も出ているそうです。
寝る前のたった5分間の習慣が、こんなにも大きな変化をもたらすなんて、本当に驚きですよね。
アメリカのマーティン・セリグマン教授も「Three Good Things(3つの良いこと)」という形で、同様の実践を推奨しているそうです。
世界中の研究者たちが、この単純だけれど効果的な方法に注目しているのです。
ちなみに、小学校高学年向けの不安解消プログラム「勇者の旅」でも、似たような取り組みが行われているそうです。
子どもたちは毎日の小さな達成と楽しみを「ミラクル・ポイント」として記録していくのだとか。
年齢を問わず、誰にでも取り入れられる方法なのですね。
小さな一歩から始める「ぽじれん」のコツ
「ぽじれん」を始めるのに、特別な準備は必要ありません。ノートとペンがあれば、今日から始められます。
ただし、続けていく中でいくつかのコツがあることに気づきました。
まず、「できたこと」は、どんなに小さなことでも構いません。
朝、目覚まし時計で起きられた。
歯磨きをした。
散歩に行けた。
一般的には「当たり前」と思えることでも、心が疲れているときは、それすら大きな達成なのです。
私も最初は「こんな些細なことを書いていいのかな」と躊躇しましたが、清水教授は「できて当たり前のことこそ、しっかり褒めてあげましょう」と言っています。
次に、「楽しかったこと」は、意識して探してみることが大切です。
好きな動画を見た。
おいしいコーヒーを飲んだ。
窓の外で小鳥のさえずりが聞こえた。
実は、日常の中には楽しい瞬間がたくさん散りばめられているのです。
それを意識的に見つけ出す習慣をつけることで、日々の生活が少しずつ明るく感じられるようになってきます。
そして「感謝すること」。
これが意外と難しく感じる方も多いかもしれません。
でも、たとえば
コンビニの店員さんが笑顔で接してくれた。
バスの運転手さんが待っていてくれた。
同僚が話を聞いてくれた。
このように、周りの人たちの小さな親切に目を向けてみると、意外にもたくさんの「ありがとう」が見つかるものです。
私の場合、最初は本当に書くことが見つからず、5分以上悩んでしまうこともありました。
でも、それも「気にしないことの練習」だと思って続けていくうちに、だんだんと書けることが増えていきました。
続けることで、日中から「これは今日の『ぽじれん』に書けるな」と思えるような瞬間に敏感になれるのです。
清水教授は「ネガティブな考えを持つのは自然なこと。でも、それと同じくらいポジティブな面にも目を向けることで、バランスの取れた見方ができるようになる」と説明しています。
完璧を目指す必要はありません。
その日の小さな良いことを、ゆっくりと振り返ればいいのです。
「ぽじれん」がもたらす小さな奇跡
続けていくうちに、思いがけない変化が訪れることもあります。
たとえば、先ほどお話しした働くお母さんの場合、子どもの行動を「困った問題」としてではなく、「その子なりの成長の過程」として見られるようになったそうです。
「今日は上手におもちゃを片付けられたね」
「お友だちと仲良く遊べたね」
など、良い面に目が向くようになり、子育ての楽しさを少しずつ取り戻していったとのことです。
発達の遅れや学習障害で悩んでいた方の体験談も印象的でした。
周りとうまくコミュニケーションが取れず、自分を責めてばかりいた日々。
でも「ぽじれん」を始めてからは、
「今日は相手の目を見て話せた」
「少しだけ会話が続いた」
など、小さな進歩に気づけるようになったそうです。
私自身も、うつ病を抱えながら就労継続支援A型事業所で働いていますが、「ぽじれん」を始めてから確実に変化を感じています。
以前は朝、布団から出るのも一苦労でしたが、今では朝活で読書をし、夜には翌日のnoteの執筆をする。
そんな充実した日々を送れるようになりました。
もちろん、すべての問題が魔法のように解決するわけではありません。
私も相変わらず不整脈や糖尿病の治療は続いていますし、腰痛で長時間の作業が難しい日もあります。
でも、そんな中でも
「今日はできることをやれた」
「少しでも前に進めた」
と、自分を認められるようになったのです。
清水教授は「人は自分を褒めることで、良い行動が増えていく」と説明しています。
これは「オペラント条件付け」という心理学の理論に基づいているそうです。
ライオンがサーカスの技を覚えるように、私たち人間も、良い行動を褒められることで、その行動を続けやすくなるのだとか。
自分で自分を褒める「ぽじれん」は、まさにその原理を活用しているのですね。
明日からの一歩を、あなたと共に
「ぽじれん」は、誰にでも始められる心の健康法です。
今日が疲れた一日だったとしても、寝る前の5分間だけ、その日の小さな良いことを探してみませんか?
きっと、思いがけない発見があるはずです。
最初は「今日は何もいいことがなかった」と感じるかもしれません。
でも、じっくりと一日を振り返ってみると、必ず何か見つかるものです。
朝日の温かさ
誰かの優しい一言
何気ない日常の一コマ
それらは、普段は気づかないまま過ぎ去ってしまう、小さな宝物なのかもしれません。
私も今では、noteの執筆を通じて、自分の経験や気づきを誰かに伝えられることに、かけがえのない喜びを感じています。
うつ病や持病を抱えながらも、毎日少しずつ前に進んでいける。
それは、「ぽじれん」を通じて、自分の中の小さな光を見つけられるようになったからだと思うのです。
専門家の方々は「良い習慣を続けるコツは、自分を褒めること」と言います。
完璧を目指す必要はありません。その日にできた小さなことを認め、ゆっくりと自分のペースで進んでいけばいいのです。
今、つらい気持ちを抱えているあなたに伝えたいのは、「明日はきっと、今日よりも少しだけ明るい」ということ。
寝る前のたった5分間で、心が少しずつ軽くなっていく。
そんな小さな奇跡を、私たちは毎日起こすことができるのです。
今夜から「ぽじれん」を始めてみませんか?
きっとあなたの中にも、たくさんの
「できたこと」
「楽しかったこと」
「感謝すること」
が眠っているはずです。
心の奥に隠れている小さな光を、共に探していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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