【脱・機能訓練デイサービスVol.140】HOPEが聞けない療法士の特徴
「何か目標ありますか?」
そう聞いて、 「特にないです」と言われて、それで終わっていませんか?
それは、本当に"HOPE"を聞けていますか?
HOPEが聞けない療法士の特徴
HOPE面接がうまくいかない理由は、技術の問題よりも姿勢の問題であることがほとんどです。
正解を探してしまう
「この方の目標は何だろう」と考えながら聞くと、利用者の言葉を「使える目標かどうか」でフィルタリングしてしまいます。 「近所を歩きたい」→使える。「昔みたいに元気になりたい」→漠然としている。 そうやって分類しながら聞いていると、相手は「評価されている」と感じ、本音を話さなくなります。
評価に意識が向きすぎる
初回面接でMMSEやFIMを念頭に置きながら話を聞いていると、「この方の認知機能はどのくらいか」という視点が前に出てしまいます。 利用者は、評価の対象ではなく、物語を持つ一人の人間です。 評価者の目で見ていると、HOPEは聞こえてきません。
沈黙を怖がる
「何か趣味はありましたか?」と聞いて、少し間があると、すぐに次の質問を重ねてしまう。 でも、その沈黙の中に、言葉にならないHOPEが眠っていることがあります。 沈黙は「何も考えていない」ではなく、「何かを思い出そうとしている」サインかもしれません。
HOPE面接の本質
HOPEを聞くとは、「目標を引き出す技術」ではありません。 その人の物語に耳を傾けることです。
物語を聴く
「以前はどんな生活をしていましたか?」 「どんなときが一番楽しかったですか?」 こういった問いは、目標を聞いているのではなく、その人がどんな人生を歩んできたかを聴いています。 HOPEは、人生の文脈の中にあります。
感情を拾う
「そうですか」と流さない。 「それは大切だったんですね」「そのときはどんな気持ちでしたか?」と、感情の輪郭を一緒にたどる。 感情に寄り添われたとき、人は本当のことを話し始めます。
「やりたい理由」を掘る
「孫と一緒に買い物に行きたい」と言われたとき、「なぜですか?」ではなく「それはどんな感じがしますか?」と聞く。 理由の奥にある「意味」にたどり着いたとき、HOPEの核心に触れることができます。
変化の鍵は「姿勢」である
うまくHOPEを引き出せる療法士と、そうでない療法士の違いは、技術量ではありません。
「この人の人生を知りたい」という純粋な好奇心と敬意があるかどうか。
面接が「情報収集の作業」になっている療法士は、どれだけスキルを磨いても限界があります。 一方で、技術が多少拙くても、「本当に聞きたい」という姿勢は相手に伝わります。
HOPEを聞けるかどうかは、結局のところ、療法士自身が利用者に向き合う姿勢の問題です。
まとめ
「目標がない人」はいません。 言葉にできていないか、安心して話せていないかのどちらかです。
HOPEを引き出す前に、まず問いかけてください。
自分は今、評価しながら聞いているか、聴きながら評価しているか。
次回は「評価共有会が機能しない理由」。チームが動き出す会議の設計について書きます。
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