中山道600km自転車旅ハネムーン(DAY6・美女に会う)
こんにちは。アラサー女のOtamaです。
私達夫婦は2021年4月30日から5月8日にハネムーンチャレンジをしました。
自宅から目と鼻の先の「蕨宿(埼玉県)」からオットの生まれ故郷「京都」を結ぶ「中山道(約600km)」を自転車で駆け抜るというものです。
トラブルありケンカあり愛情ありの濃密な9日間。
それでは、しゅっぱ~つ!
中山道600km自転車旅ハネムーン(DAY5・この旅の物語を書きたい)の続きです。
I. やる気スイッチ
6:30 起床。
隣の布団で寝そべりながらオットがつぶやきます。
「もう体が動かないや。」
「今日はお休みにしようか。」
実はコレ、この旅のDAY1から続くオットの朝のルーティンです。
出発したらノリノリで爆走するのに、なぜ朝になるとリセットするのか。
「朝に気持ちを落とせば、あとは上がるだけだからね。」
意識的にネガティブ発言をしている(?)ようです。
オットはアマチュアのフィジーカー(ボディービルの一種)で筋肉ムキムキなのですが、その見た目に反して心はナイーブ。今回のように未知数満載なイベントにはストレスを感じる性格なのです。
きっと、この朝のルーティンは自分との戦いでもあるのでしょう。
私のトンデモ企画に賛同してくれて、ここまで一緒に来てくれて、本当にありがとう。(ただ私の気分も落ちるので一人の時にやってほしいな・・・)
さて、朝食をいただいたのち、贅沢に朝風呂に浸かります。
なぜ今朝はこんなにゆっくりしているのかというと、本日は一日雨予報で朝から雨がザーザー降っているのです。
そのためもう少し様子を見て、弱まったら出発することにしました。
II. 雨中での決断
10:00
雨は降り続けますがチェックアウトの時間。出発です。
昨日通過した塩尻市からは「木曽路」です。このエリアはザ・日本の風景が広がっていて、昔話の世界に入り込んだかのように美しいです。

11:00
有名な観光地「妻籠宿」に向かう道との交差点で一旦停止。
雨が強いので、歩道橋の階段下に入ります。
さて、私達はここで一つの決断に迫られます。
というのもさかのぼること2日前、私はこの「妻籠宿」でぜひ1泊したいと考え、ここの宿だけは既に予約していました。
しかし昨日、想定以上の距離を走行できたため、出発から1時間で到着してしまったのです。
「妻籠宿」は京都や軽井沢のそれよりも早く景観の保護を始めた場所。
今も街道時代の情緒をそのままに残す観光名所です。
このまま素通りするのは名残惜しい・・・
しかし、できるだけ前に進んで後の行程に余裕を持たせたい。
二人で相談し「先に進む。」という決断をします。
私は予約した宿に電話をすると、当日キャンセルはできない(もしくは宿泊費100%支払い。)という。そりゃそーだ。
ということで本日は「妻籠宿」で観光を楽しむことにしました。
11:30
本日のお宿「御宿 大吉」に到着です。
おかみさんが出迎えてくれ、申し訳なさそうに「(キャンセルできず)悪かったねえ。」と言ってくれます。
自転車を納屋に停めさせてもらい、玄関で体を拭かせてもらいます。
全身びしょ濡れで体も冷えているのですぐにでも湯船に浸かって布団に包まりたいところですが、この時間ではチェックインができません。
そのため荷物を預け、カッパを着たまま観光することにします。

III. 国重要文化財「脇本陣奥谷」
しかし体がとにかく冷える。
どこか室内に入って温まりたいということで目に入ったのが「茶房 えびや」です。お座敷なので土足で入れないのですが、靴下がビショビショ。裸足になって足を拭いて中に入り、オットはおしるこ、私は抹茶のセットを注文。


少し体が温まったので「脇本陣奥谷/歴史資料館」に向かいます。
ここは文豪・島崎藤村の「初恋」に登場する「おゆふ」さんの嫁ぎ先です。
また、皇女和宮が降嫁の際に休憩した場所でもあります。
国の重要文化財に指定されている建物は歴史を感じる重厚なたたずまい。
受付を済ませるとちょうど語り部さんのガイドが始まったので先客の方々と一緒に話を聞きながら見学しました。
興味深かったのは、このツルツルした床や壁のこと。
この建物は年中囲炉裏を焚いており、その煙が害虫から家や屋根を守ってくれるそうですが、放置しておくとススで汚れてしまうので毎日綺麗に磨いているのだそうです。それが何十年、何百年と積み重なった結果、この光沢が生み出されたのだそうです。そのためちょうど女性が手を伸ばして届く高さで光沢があるところとそうでないところとの区切りができています。
(脇本陣は写真撮影不可でした。ぜひHPで建物の様子をご覧ください。)
IV. 少女の未来
14:00
「御食事処 音吉」へ。
お昼時を過ぎているので、店先をのぞいてもお客さんがいません。
お腹ペコペコの私達は「頼む!営業していてくれ!!」と強く願いながら店員さんに「開いてますか?」と尋ねます・・・無事開いていました。
自然薯ととろ定食と山菜てんぷらを注文しました。


気さくなおかみさんがカッパ姿の私達を見ていろいろ話しかけてくれます。
私達は、埼玉から中山道を辿って京都に行くこと、これはハネムーンであることを話しました。
おかみさんからは「アスリートだねえ~」と驚かれました。
「どこに泊まっているの?」と聞かれたので答えると「ああ~、大吉さんね!」とおっしゃいます。ここでは当たり前でしょうが、普段アパートの隣人の顔も知らない生活をしている私達は、妻籠宿の端どうしに位置する両者が知人であることが何だか不思議に思えました。
さて、お料理を美味しくいただいて支払いを済ませようとレジに行くと、小学校低学年くらいの女の子がおかみさんにしがみついています。声をかけても恥ずかしがって応答しません。
そこで、オットの本領発揮です。
彼はマジックやけん玉、ウクレレなどのパフォーマンスが得意で、子どもの心をつかむのが上手です。
おつりのコインを手に取って女の子に見せ、手を閉じて再び開くと手の平からコインが消えています。
おかみさんは「えーすごい!」と声をあげ、女の子の表情も緩みます。
オットは女の子の頭の後ろに手をやってから目の前に回して閉じた拳を開きます。するとコインが手の中にあるではありませんか。
「あなたの頭の中に入っていました。」
女の子はおかみさんにしがみついたままではありますが、私達が店先に移動するのについて来るので、きっとマジックに興味津々なのでしょう。
オットは出入り口でもうひとつ芸を見せ、さよならをしました。
店を出てから私が、
「もしかしたらあの子、今日からマジックを練習して、将来マジシャンになるかもね。」
というと、オットも
「有名になったら今日の話をしてくれるかな?」
少女の未来を勝手に想像しながら宿に戻りました。




V. 妻籠宿の上戸彩
16:30
お宿に戻ると部屋に荷物を入れてくれていました。
ここのお風呂は家族風呂で、空いていたら順番に入浴します。
まだ夕方で誰も使っていなかったので私はお風呂に入りました。桧の香りが心地良いお風呂でした。
その間オットは部屋で筋トレに励んでおりました。
18:00
今日はごちそうを食べてばかりの一日。夕食は川魚も馬刺しもあって豪華!
妻籠宿で限定販売されている貴重な地酒「鷺娘」もいただきました。
「鷺娘」は代々酒業を営んでいた脇本陣奥谷で生産されていたものです。

さて、食事をいただいた和室に掲げられた1枚の写真。
女優の「上戸彩」さん似の若くて美しい女性が、町娘のような恰好で行列を歩いています。
時代劇の撮影かな、と思いおかみさんに尋ねると、毎年11月の勤労感謝の日に開催される「文化文政風俗行列絵巻の行列」の写真で、女性はおかみさんなのだという。
美人なおかみさんではあるのですが、写真の女性があまりにも美しいのでてっきりジョークをかましているのだと思い笑っていると「いやいや、私なんだって!」と再びおかみさん。
そういわれれば目元が似ているような・・・。
・・・女優さんやモデルさんではない一般の方でこんなに美しい人を初めて見ました。
大吉にお越しの際は一見の価値ありです。
(おかみさんは恥ずかしがられるかもしれませんが)
本日の移動距離13km
(「野尻宿」長野県大桑村~「妻籠宿」長野県南木曽町)
DAY7につづく・・・
