【鶴屋南北作品】五代目岩井半四郎と七代目市川団十郎のヒット作「桜姫東文章」
前回の記事でお伝えしたように、これからしばらく、五代目岩井半四郎推しの記事が多くなります。
鶴屋南北は、1816年秋に還暦を機に日本橋から亀戸村に越してきました。還暦と言っても、遅咲きだった鶴屋南北の60代といえば、絶頂期です。
引っ越しの翌1817年春には「桜姫東文章」を書き上げ、河原崎座が連日の大入りとなりました。その時の主役が、
桜姫を演じた五代目岩井半四郎です👸
歌舞伎は基本、男役中心(立役が主人公のことが多い)世界です。女形が主役の演目は珍しいとは言わないまでも、決して多くはありません。
その慣習を打ち破ったのが、五代目岩井半四郎でした。半四郎を主役にしても充分客足が見込めると踏んだ鶴屋南北は、1813年から異例の頻度で半四郎を座頭にした作品を書いています。
【南北が五代目半四郎のために書いた作品】
• 『於染久松色讀販』(文化10年=1813年、森田座) 通称「お染の七役」。半四郎がお染を中心に7役(お染、久松、土手のお六など)を早替りで演じ、大好評。南北が半四郎の力量を活かして書いた代表作で、悪婆役の土手のお六が特に有名。 
• 『隅田川花御所染』(文化11年=1814年) 堕落した女性、女清玄(おんなせいげん)。南北が半四郎向けに書いた女性像の好例となる。
• 『杜若艶色紫』(文化12年=1815年) 土手のお六。『於染久松色讀販』のお六を発展させたもの。半四郎の俳名「杜若(とじゃく)」にもかけた作品。 
• 『桜姫東文章』(文化14年=1817年、河原崎座) 男に溺れて転落する複雑な女性桜姫を半四郎が演じ、南北の傑作の一つとして現代でも上演される。
ちなみに「桜姫東文章」での半四郎の相手役は七代目市川団十郎です。結婚した桜姫を女郎屋に売るような、かなり酷い男の役でした。そんな男とも知らず、桜姫はクライマックスまで権助に恋焦がれているのです。亀戸村で団十郎と相談しながら、面白がって書く南北の様子が目に浮かぶようです。
動画最新作は、そんな「桜姫東文章」に絡めた内容となっています。ぜひご視聴ください😄
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