雑談力①人を救う雑談力とは何か?
このnoteは「雑談力の本」を作るリアルタイム記録です
このnoteでは、「雑談力」をテーマにした一冊の本を作る過程を、そのまま公開していきます。
完成した本だけを読むよりも、
「どう考え、どう議論し、どんな結論にたどり着いたのか」
そのプロセスこそが、雑談というテーマを理解するうえで重要だと考えたからです。
そこで今回は、僕を含めた次の3人の視点で議論を進めていきます。
① 齋藤信
精神科作業療法士/ココロエクササイズ®開発者
心理・リハビリ・対人支援の専門家
② みなかみあゆみ
新人作業療法士
現場で悩みながら学ぶ若手
③ 恵子さん
メンタルダウン体験者
雑談に救われた当事者
この3人で、同じテーマについて何度もラウンド形式で議論しながら、本の内容を作っていきます。
今回のテーマは
「人を救う雑談力とは何か」
です。
雑談という言葉を聞くと、多くの人は
「無駄話」
「とりとめのない会話」
というイメージを持つかもしれません。
ですが、精神科の臨床や対人支援の現場では、
たった一言の雑談が人の心を動かすことがあります。
深刻な相談ができないとき。
正しい言葉が見つからないとき。
人は、むしろ
どうでもいい会話の中で救われる
ことがあります。
このnoteでは、
雑談はなぜ人を救うのか
雑談が信頼関係を生む理由
雑談が苦手な人でもできる方法
を、リアルな議論形式で掘り下げていきます。
つまりこれは、一冊の本が生まれる「思考の現場」です。
もしあなたが
人と話すのが苦手
沈黙が怖い
何を話せばいいかわからない
そう感じているなら、この議論はきっと役に立ちます。
それではここから、雑談力の本を作る「議論」を始めていきましょう。
齋藤信
「今日は“雑談力”について話してみましょうか。
実はね、精神科の現場では雑談が一番大事なリハビリだったりするんですよ。」
あゆみ
「えっ……そうなんですか?
私、正直それが一番苦手で……。
リハビリの説明とかはできるんですけど、
雑談になると
“何を話せばいいんだろう…”
って固まっちゃうんです。」
齋藤
「うん、わかりますよ。新人の頃はみんなそうです。
でもね、雑談って“面白い話をすること”じゃないんです。」
あゆみ
「えっ、違うんですか?」
齋藤
「違います。雑談の目的は相手を安心させることなんです。」
恵子
「それ、すごくわかります。」
あゆみ
「あ、恵子さんもですか?」
恵子
「はい。私、メンタルダウンしたとき、実は“ちゃんとした会話”ができなかったんです。」
あゆみ
「ちゃんとした会話?」
恵子
「例えば
“最近どうですか?”
“体調はどう?”
そう聞かれると
“どう答えればいいんだろう…”
って頭が真っ白になりました。」
齋藤
「そうなんですよね。
人は調子が悪いときほど、“正しい会話”ができなくなるんです。」
あゆみ
「じゃあ……どうしたらいいんですか?」
恵子
「雑談です。」
あゆみ
「雑談?」
恵子
「齋藤先生がある日
“コンビニのスイーツってつい買っちゃいません?”
って言ったんです。」
あゆみ
「えっ(笑)」
恵子
「私、思わず笑いました。
そこから
“プリンが好き”とか
“夜にアイス食べちゃう”とか
そんな話をしました。」
齋藤
「そのとき恵子さん、すごく楽しそうに話してましたよ。」
恵子
「そうなんです。
そのとき思いました。
あ、私は普通に話していいんだ
って。」
あゆみ
「なるほど……
雑談って、そういう意味があるんですね。」
齋藤
「雑談はね、
心のウォーミングアップ
なんですよ。」
あゆみ
「ウォーミングアップ?」
齋藤
「いきなり深い話はできません。
でも
“今日は寒いですね”
“このお菓子好きですか?”
そんな会話から、人は少しずつ心を開くんです。」
恵子
「そうですね。
雑談って、なんというか…
安全な会話
なんです。」
あゆみ
「安全な会話?」
恵子
「はい。
答えてもいいし
答えなくてもいい。
正解もない。」
齋藤
「その通りです。
だから私はいつも言うんです。
雑談は心のドアをノックする会話
だって。」
あゆみ
「……でも先生、正直に言うと
私まだ雑談が怖いです。」
齋藤
「どうしてですか?」
あゆみ
「沈黙が怖いんです。」
恵子
「あ、それわかります。」
あゆみ
「患者さんと二人きりになって
シーン……
ってなると
“何か話さなきゃ”
って焦るんです。」
齋藤
「なるほど。
じゃあ一つ質問していいですか?」
あゆみ
「はい。」
齋藤
「あゆみさんは
“雑談は話すもの”
だと思っていませんか?」
あゆみ
「えっ……違うんですか?」
齋藤
「雑談はね、
聞くもの
なんです。」
あゆみ
「聞く?」
齋藤
「はい。
雑談が上手な人は
・面白い話をする人
ではなく
・相手が話したくなる空気を作る人
なんです。」
恵子
「それ、本当にそう思います。」
あゆみ
「恵子さんも?」
恵子
「はい。
雑談が上手な人って
安心して話せる人
なんですよ。」
齋藤
「いい言葉ですね。」
あゆみ
「安心して話せる人か……」
齋藤
「つまり雑談力とは
話術ではなく安心感
なんです。」
恵子
「うん、それなら私も納得できます。」
あゆみ
「でも先生……安心感ってどう作るんですか?」
齋藤
「いい質問ですね。そこが“雑談力の技術”なんです。」
恵子
「技術?」
齋藤
「はい。
実は雑談には
ある3つのコツ
があります。」
あゆみ
「えっ、知りたいです!」
齋藤
「では次は
雑談が続く3つのコツ
について話しましょうか。」
(つづく)
お知らせ
他にもメンタルダウン予防本を読んでみませんか?
うつになる前に、できる「回復の順番」通りに本を紹介しています。
あわせて読んでくださいね。
作業療法士向けのマガジンを始めてみました。
齋藤の思考回路の全てを公開していきます!
特に今回話題にした“自分の物語の書き換え”を一番伝えたい!
いいなと思ったら応援しよう!
「臨床共育」の研究と実践の資金になります。論文化、書籍化のあかつきには、優先的に講義をしに伺います!
あなたの情熱にありがとう!