見出し画像

【シチュボ】『ジョーとマーティ〜大統領夫妻となる前夜〜』

英雄ジョージ・ワシントンが、大統領となる前夜。
重責に疲れた男は、静かな室内で妻にだけ弱さを見せる。
膝枕と温もりに包まれた、歴史の裏側の物語。

※本作は歴史上の人物を題材にしたフィクションです。
実在の人物・史実とは一部異なる描写があります。

こちらはフリー台本となってます。
演じたい人は演じてください。
商用利用の場合には要報告です。
作品の流れを変えない程度のアレンジはOKです。
演じる際、作者に報告は必須ではありませんが、報告を受けたら、アーカイブ聞きに行きます。
アーカイブには『#ジョーとマーティ』のハッシュタグをつけてくださると、探しやすくなって、ありがたいです。

全ての著作権は作者にあります。
自作発言はしないようにお願いします。

【登場人物】
ジョー…ジョージ・ワシントン。後にアメリカ第一代大統領になる男。

マーティ…マーサ・ワシントン。ジョージの妻。大富豪の未亡人であった頃にジョージの求婚を2回受けて再婚。大富豪だが、家庭的で控えめな性格。

─────────────────

ジョー:「ただいま〜マーティ(疲れてる風に)」

マーティ:「ジョー、おかえりなさい(にこやかに)」

ジョー:「夕飯は会議の連中と食べてきた。…マーティ、ふたりきりで話したいことがあるんだ」

マーティ:「あら?わかりました。使用人を人払いするわね」

ジョー:「ここに座ってマーティ」

0:ジョーは長椅子にマーティを促す。

マーティ:「ジョー?どうしたの?…って」

0:ジョーは隣に座り、マーティの膝を枕にして甘え始める。

ジョー:「うん、ここが一番心地良い」

マーティ:「あらあら、膝枕?ジョーは本当に甘えん坊さんね」

ジョー:「ここで甘えまくるから、外で頑張れるのさ。お願いマーティ、頭を撫でて」

マーティ:「外ではあんなに偉い立場なのに。私とふたりきりの時は、まるで3人目の子供みたい」

ジョー:「家では3人目の子供で構わないよ。あ、ネリーとワッシーは元気かい?」

マーティ:「子供たちは相変わらず元気よ」

ジョー:「そうか!良かった良かった!最近なかなか帰れないことが増えて、あまり会えてないからなぁ!抱きしめてあげたいよ」

マーティ:「子供たちのことを語る時は、ちゃんと父親の顔になるわね。あなたが私の連れ子も、その子供も、我が子のように愛してくれるのは、本当に嬉しいわ」

ジョー:「……なぁ、マーティ」

マーティ:「なぁに?ジョー?」

ジョー:「愛してる…君も、子供たちも」

マーティ:「あらあら、どうしたの?嬉しいけど、そんな深刻そうに…?」

ジョー:「大統領に就任するように、会議の全員から促されてる…」

マーティ:「…え…?」

ジョー:「この国には政治をまとめる、新しい形のリーダーが必要なんだ」

マーティ:「…………」

ジョー:「マーティ?」

マーティ:「ジョー…あなたはどうなの?」

ジョー:「可能性の話をすると、私が大統領にされる可能性は高い」

マーティ:「そうじゃないわ。ジョー、あなたの気持ちよ」

ジョー:「………」

マーティ:「私はあなたが軍の士官の頃から知ってるわ。総司令官になって指揮して、この国を独立に導き、英雄と呼ばれるようになった。けど、裏で心も命も削って、いろんなことを犠牲にしてきて…。軍人を辞めて、ようやく落ち着けると思ったら、会議の議長にまで担ぎ出されて…」

ジョー:「マーティ…」

マーティ:「大統領になったら、あなたは皆から見えないところで犠牲をたくさん払うわ…。私は…反対。ジョーがジョーではいられなくなるもの」

ジョー:「………ああ、本当は嫌なんだ。皆には言えないが、私は疲れている。年も年だ。そんな大統領なんて、重い責務から逃げてしまいたい。…けど、私が嫌がろうと、国が!国民が!私を英雄として求めてる…」

マーティ:「ジョー…!」

ジョー:「すまない。弱音だ。君にしか言えないんだ。少しだけでいい、今だけは君に甘えさせてくれ…マーティ」

マーティ:「…わかったわ、ジョー」

ジョー:「(モノローグ)ジョージ・ワシントン。アメリカ第一代大統領に就任する。ワシントンが57歳の時である。彼は大統領として、この国の「最初の責任」を一身に背負うことになる。誰にも手本はなく、失敗すればすべてが彼の名で記録される。それでも彼は逃げなかった。家族と静かな暮らしを望みながら、国に求められたその瞬間、ひとりの男としてではなく、国家の象徴として立つことを選んだのだ」

いいなと思ったら応援しよう!