教材の見た目も、大切という話
〜「使いたい」から、その子の手は動きはじめます〜
段ボールで、教材を作った日のことです。
その子が動かせる部位に合わせて、位置を決めました。
好きなものも、ちゃんと入れました。
機能としては、うまくできたと思っていました。
でも、目の前に置いたとき。
なんだか、手が伸びません。
そのときは、姿勢かな、位置かな、と考えていました。
あなたにも、こんなことはありませんか
考えて、測って、作った教材。
理屈のうえでは、合っているはずなのに、
どうも、その子が乗ってこない。
反対に、市販のきれいな教材を出したときだけ、
ぱっと目が動いた。
あれは何が違ったんだろう、と思ったこと。
私は、何度もありました。
今日は手が伸びない理由を
教材の見た目から考えてみようというお話です。
教材を作るとき、
私たちはいつも2つの側面から考えます。
その子の身体の動きに合っているか。
その子の興味関心に合っているか。
そこに、もう1つ足したいものがあります。
見た目です。
かっこいいかどうか。
本物っぽく見えるかどうか。
それは、おまけの話ではないと思っています。
なぜ、見た目なのか
私たち自身のことを、考えてみてください。
気分が上がる服を着た日は、少し姿勢がよくなります。
お気に入りの道具を持っていると、
使う場面が、少し楽しみになります。
そのためにお金をかける人も、たくさんいます。
これは、大人だけの感覚ではないはずです。
「使いたい」「触りたい」
その気持ちが最初にあって、手が動きはじめます。
どんなに機能がよくできていても、
手を伸ばしたいと思えなければ、
そこから先が始まりません。
見た目は、飾りではなく、
最初の一手をつくる部分なのだと思っています。
日常の例えで言うと
ペンに似ています。
100円のペンでも、字は書けます。
機能としては、それで十分なはずです。
でも、気に入ったペンを一本持っていると、
メモを取るのが、少しだけ楽しくなりませんか。
書けるかどうかと、
手に取りたくなるかどうかは、別の話です。
教材も、同じかもしれません。
「使える教材」と「使いたくなる教材」は、
少しだけ、違うところにあります。
見た目で、私が気をつけている3つ
① 好きな色を、1つ入れる
その子が好きな色。よく目で追う色。
全部を凝らなくても大丈夫です。
持ち手のところに、好きな色のテープを巻く。
それだけで、教材の印象は変わります。
段ボールの茶色ではなく、
その子の好きな【赤】の入った道具に
② 年齢に、合っているか
これは、いちばん気をつけているところです。
高等部の生徒の前に、
幼児向けの見た目のものを置いていないだろうか。
キャラクターも、色づかいも、
「その人を何歳として見ているか」が、
そのまま出てしまいます。
言葉づかいと、同じだと思っています。
17歳には、17歳が使いたくなる見た目を。
③ 本物に、近づける
段ボールで作っていても、本物感は出せます。
・色
・形
・強度
「これは練習用のもの」ではなく、
「これは本物だ」と感じられるかどうか。
その差は、思っているより大きいです。
ただし、順番があります
最初から見た目を作り込まなくて大丈夫です。
はじめは、たたき台で構いません。
置いてみて、動かしてみて、
「この形で合っていそうだ」と分かってから、見た目を整える。
機能で当たりをつけて、見た目で仕上げる。
この順番が、いちばん手戻りが少ないように思います。
まとめ
教材を見るとき、3つの視点で考えてみてください。
✅️その子の身体の動きに合っているか。
✅️その子の興味関心に合っているか。
✅️そして、その子が使いたくなる見た目か。
3つ目は、後回しにされがちです。
でも、最初に手を伸ばすかどうかを決めているのは、
案外、そこかもしれません。
今日から始める一歩
今使っている教材を、1つ選んでみてください。
そこに、その子の好きな色のテープや折り紙で色を付けてみる。
5分あればできます。
次に出したとき、目の動きが少し変わったら、
見た目は、ちゃんとその子に届いていたということです。
変わらなければ、それはそれで、
「色ではなかった」という情報が1つ残ります。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
けびん|特別支援教材デザイナー
待つ時間を、
輝く時間に。
声にならない「やりたい」は、
表情や身体の動きで、毎日発信されています。
Hapilabは、その想いを「自分でできた!」に翻訳し、
学校を卒業したあとも、学び、成長し続けることが
当たり前になる社会をつくります。
聞いてみたいこと・困っていること、
お気軽にコメントくださいね🍀
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
#教育 #学校 #先生 #支援 #福祉 #生活 #教員 #特別支援教育 #特別支援学校 #教材 #スイッチ教材 #補助具 #デザイン
