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こどもの本〔ノンフィクション〕『みんなちがって、それでいい―パラ陸上から私が教わったこと―』

重本沙絵 監修、宮崎恵理 著、ポプラ社、2018年8月

[読後《SHORT》感想]

自分が《みんなと同じ》だと信じ、幼少期からひたむきにそうであろうと努力を重ねてきた重本沙絵選手のたどり着いた答えが、書籍標題の《みんなちがって、それでいい》である。

生まれつき右腕の肘から先のない彼女は、幼い頃、大きくなったら腕が生えてきて《みんなと同じもの》になれる、と思っていた。一輪車やリコーダーなど数々のエピソードで、むしろ人並み以上のことができるようになるわけだが、彼女がひたすら前へ前へと突き進む姿には心打たれる。

彼女が《みんなとちがう》自分、健常者と障がい者のうち自身が後者にカテゴライズされるという現実を突きつけられる場面が本書には二つ描かれる。

一つは弟の誕生、もう一つはパラ陸上選手への道を示唆された時である。その折の葛藤はひとり彼女の問題にとどまらない。無論、読者は沙絵選手の姿に心動かされ、応援すればよい。

ただ、両者(いわゆる健常者と障がい者)の共生する社会を思い描くとき、我々が突き当たる心の壁、クリアすべき現実の受容の問題が児童向けのノンフィクションという平易な語り口を借りて端的に示されている。

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