CCセミナーのアフターケア!拾いきれなかった質問3つに答えます。
こんにちはこんにちは!
シナリオライター15年生、パンダ大好きしむらおとのです。
先日、「ゲームシナリオライターの思考を知る」という無料オンラインセミナーで、だいたい70分くらい?喋らせていただきました。
ご参加いただいた皆様、関係各位の皆々様、貴重な機会をいただき本ッ当にありがとうございました。
\\セミナー開催決定🎊//
— Confidence Creator【公式】 (@Confidence_Agt) June 24, 2026
魅力的なキャラや世界観、プレイヤーを引き込むストーリーを作り出す「普遍的なシナリオメソッド」と「ゲーム特有の設計思想」を解説します📚
🗓️2026年7月8日(水)19:00~20:30
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開催後には「振り返り記事を書こう!」と意気込んでいたのに、公開が賞味20日後の今日になってしまったのはなんでだろうね?
…………。
すみませんでした!!!!
(言い訳:納品ラッシュ、CEDEC、etcです。以上、言い訳でした)
というわけで今日は、セミナーのアフターケア回!
個人的に一番「推し」だった講義内容——脳は謎解きをしたがってる話
アンケートでリクエストいただいた参考書籍3冊のご紹介
時間の関係で拾いきれなかった質問3つへの回答(監修のコツ/三幕構成以外の構成法/マップで見せるシナリオ)
この3本立てでお届けします。長いです(先に謝る)。
気になるところだけつまんでいただいてもOKですッ。

脳は「謎解き」をしたがってるんだよって。
講義の中でいくつか思考ツールを紹介したんですが、わたしが今回一番語りたかったのがこれでした。
キャラ「悲しいよ……」
って言わせる。これがTell(語る)。
でも読者って――もとい人間って、聞いた“だけ”の情報を、なんとなく疑うクセがあるんです。
↑みたいに「悲しいよ~」って言葉だけで言われても、
「悲しい? ほんとに?」って、心のどこかで疑っちゃう。
ところがどっこい。
震える拳。
うつむき。
雨。
無言。
涙。
こういうものを同時に見せる(Show)と、脳は勝手に動き出します。
「あれ、この人、手が震えてるな? なんでだろう?」
はい、謎が渡されました。
ので、脳は放っておいても、この謎を解きにいきます。
「ああ、そうか、悲しいんだ」
こうやって、読者(プレイヤー)が自分で解いた答えは、「自分で信じる」のですよ。
逆に、謎ではなく「答え」をそのまま手渡されちゃうと、脳はやることがない。
やることがないから、「疑う」方向に向いてしまったりする。

「Show, Don't Tell」って、要するに問題提起だったのです。
答えを渡さずに、手がかりだけ渡す。あとは受け手が自分の中で組み立てて、意味づけて、それを「自分にとっての真実」にしてくれる。
これはシナリオを面白くするコツでもありますが、同時にゲーム的な「プレイヤー体験」を考えるうえでも無視できない、非常に大きな知見だと思うのです。
「語る」が仕事のシナリオライターこそ、「語りすぎない」「語るより見せる」「謎を与える」の意識を持って、プレイヤーの中だけに立ち上がる物語体験のお手伝いができると良いですNE。
参考書籍のご紹介コーナー
開催後のアンケートで「参考書籍を知りたい」というお声をいただいてました。教えちゃう!
観客を没入させるストーリー・ストラクチャー
最近発売された本ですが、私はこちらの一冊を「シナリオ制作の百科事典」として初学者の方に激推し中です。
特に「構成」については、11の論がざっくりと網羅されており、まずこの本で基本をGet→全体を俯瞰して、そこから興味のある理論を見つけて自分の創作に活かしてみる、という使い方ができそう。
また、本書の中でも無数の創作本が紹介されており、知らなかった一冊に出会わせてくれるのも素晴らしいところ。なのでぜひ、最初の一冊に!
SAVE THE CATの法則シリーズ
すっかりおなじみ、しむらのバイブル。特に「ビートシート」——物語を機能ごとのブロックに分けて並べていく、あの構成分析の美しさに惚れ惚れしてしまって。整ったプロットって、見てるだけで美しいし、書き始めてからの迷いもグッと減ります。
ちなみに、私に「Show Don't tell」の面白さを最初に教えてくれたのもこの一冊でした。
ゲームデザインバイブル
「Show, Don't Tellって、要するに問題提起のことだったんだな」という腑に落ちが、この本でもう一段深まりました。ゲームという媒体で、体験をどう設計するか。シナリオの外側から物語を支えてくれる知識が詰まってます。
そのほかにも…
私のnoteであれやこれやご紹介してるので、よかったら過去記事を漁ってみてもらえたら幸せですヽ(´エ`)ノ
拾いきれなかった質問に答えます!
講義後のQ&Aでいただいた質問のうち、時間の関係で拾いたくても拾えなかったものがありました。ここで答えちゃいます。マジでお待たせしました!
「監修がまったくできない!」
👤 最初からどういう話を作るか(初稿)は、ある程度できるのですが、監修がまったくできません。外部に頼んだシナリオの上がりを修正する時、気を付けていることややり方などはありますか?
監修者さん、お疲れ様です! 私も毎日のようにやってます、仲間🤝
まず、「まったくできない」が、具体的にどこらへんで躓いているのかにもよるなあ、と思っていて。
フィードバックを伝えるための言葉が、自分の中から出てこないのか
頑張って伝えてもライターさんに伝わらなくて、原稿の精度が上がらないからなのか
はたまた、自分でその人の原稿を直すときに、初稿を書くのとはわけが違って、手が止まってしまうという話なのか
……などなど、いろいろありそうなので、ご自分なりに具体化・言語化してみてほしいと思います。そのうえで、どのお悩みにも刺さりそうなことを1個だけ言わせてもらうとすれば、
「伝える言語」を磨く。
これに尽きます。
日頃から、自分から放たれる言葉を丁寧に扱うように心がけるのです。
言葉は我々ライターにとっての道具。道具のお手入れは欠かさない、みたいな話。最近だと「言語化力」なんて言われますが、その手の書籍もいっぱいあるので、第一歩として読んでみるのアリだと思います。
以下は、私の実際の失敗談になりますが。
とあるライターさんに、「もっと主人公を不安がらせてください」と雑に伝えちゃったことがあり、結果、主人公の台詞が「もう駄目だ(絶望)」になって返ってきたことがあります。
私としては、主人公は「このままで大丈夫かな…?」と思うくらいの温度感を狙ってたんですよ。
これ、本当に私の言語化が足りなかったと思っていて…
「不安」の取り方も人それぞれなのだと…反省してます。
「不安があって、立ち往生して、揺らいでいる感じ」
などと、もう少し解像度をあげて伝えるのが正解だった。
こういう感じで、トライ&エラーもしつつ、「丁寧な言語化」を目指してみるの、監修者には必須だと思っています。
あと、言語化できないような、「なんとなくここ変だから直したい」という監修は、私はしないようにしています。
ちゃんと言語化できる理由がある直し――たとえば、ここまでの展開やキャラクターの言動と矛盾するから直したいとか、ShowじゃなくてTellしちゃって真実味がないから直したいとか、声に出して読むと読みづらいから直したいとかetc…
きちんと「直しの根拠を言語化できる」修正依頼しか、ライターさんには戻さないようにしています。向こうも「なんとなく」じゃあ困っちゃうだろうし、大概そういう直しって、監修者の「好み」に寄っちゃうことも往々にしてあるので…。。
あともう1つだけ。「ここを直してほしい」という趣旨の言語を磨くだけでなく、相手を「褒める」ための言語も同様に磨いていきたいところです。
フィードバックって、ついつい直してほしい箇所の「指摘」になりがちなんですが、良かったところもちゃんと伝えることで――
その人の「強み」発見の手伝いになり、
「強み」部分が削られずに残せて、
さらに、ライターさんとの関係値も円滑にする!
という、「良い作品作り」への計り知れないメリットがあります。
「褒める」という行為にも、結局のところ、「褒める語彙」が必要になってきます。ビジネスとしての監修は、気づけばついついネガティブフィードバックになりがち。だからこそ、日頃から「褒める語彙」も増やしてみるの、いいですよ、というオススメでした。私も増やす!!
「三幕構成以外の構成法って使う?」&「BS2で短編は書ける?」
👤 作品によっては三幕構成使わない時はありますか? 例えば、別の構成法を使ったりするとかです
使うときは、あります!
ただし、私の知る限りでは、世の中のすべての構成法に共通して「三幕構成」の要素が見られるので、結局どの構成法を使っていても三幕構成を使っている・ということになっていたりします。三幕構成、まじすごい。
そのうえで、私が大好きなのは、「BS2」——ブレイク・スナイダー・ビート・シート。
特に長編小説にはこの構成かなーり参考にします。BS2も「第一幕」「第二幕」「第三幕」という大分類になっていたり、その各幕の中にも小さな三幕構成が入っていて、まさに講座内でもお教えした「三幕構成の入れ子形式」になってるんですよね。
という感じで、私の構成づくりの根底には常に「三幕構成」の考えがありつつも、長編を書く場合には「BS2」を目一杯頼らせていただいている、というのが、ご質問への回答です。
…ところで…。
講座開催後にnote記事に来ていたご質問コメントが、今回のご質問と併せてぜひ回答したいものだったので、私のほうで勝手に絡めて答えちゃいます。こっちもお待たせしちゃってすみませんッ!!
💬 セーブ・ザ・キャットや脚本術の本を読んでいるのですが、1~5ページや10~16ページより下(賞とかの応募より短い)の短編漫画だと、ビート(物語の流れ)を全部入れるのは難しく感じます。おとの先生は、こうした短い漫画(またはシナリオ)では5つのビートのような構成を意識されていますか? それとも短編用に省略・変形して考えていますか?(1ページだと2コマならビートどころじゃなく…)
なるほどです! 16ページ以下の短編漫画となると、確かにBS2のビートを余すことなく入れるのは難しいですよね。
私の所見ですが、BS2はもともと、「ハリウッドの長編映画向きに作られたテンプレート」なので、短編シナリオを考えるときは、尺が短くなればなるほど「三幕構成」のほうを意識したほうが良いと思います。BS2のご先祖様こと三幕構成、マジ偉大です。
他人様の作品ですみませんが、WEBで以下の16ページ漫画を発見して、構成がとても綺麗だったので、分析に活用させてもらいました。
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1~5ページ:第一幕(問題提起)
暑がりの「ひなた」は、寒がり彼氏「涼真」の薄着が見たい!という下心を抱いてしまう。ひなたは自分の下心を隠して行動に出るが、果たして?(という問題提起がここまで)
6~12ページ:第二幕(葛藤・対立)
涼真くん薄着計画と題して、自宅に涼真を呼び、自室をエアコンやら鍋やらでガンガンに温めたひなた。ダウンを脱がせることには成功するが、あまりの暑さに、暑がりのひなたの意識は遠のいてしまう。
目覚めた涼真は、ひなたが寒がりの自分のために無理をしたのだと思い、ひなたを諭すが、ひなたは自分に下心があったことを打ち明け、謝罪する。(暑がりvs寒がり、下心vs純粋さのダブル対立!)
13~16ページ:第三幕(解決)
涼真がひなたの下心を受け入れ、薄着になってくれる。寒がりの涼真はひなたを抱きしめて暖を取る。(ひなたが求めていた以上のHappyが手に入り、大団円!)
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なお、分析しながら気づいたのですが、こちらの16ページ漫画をBS2に当てはめると、第三幕・クライマックスの部分だけ上演しているみたいだなあと感じました。やはり16ページともなると、ごくシンプルな「三幕構成」にならざるを得ないのかなと思います。
あと、1ページ2コマとなると…もはやシナリオというよりは大喜利か何かになってきそうなので、前後コマで落差をつけるとか、面白い変化をつける(ドラマとは変化!)といった、小さなメソッドのほうを活用していく感じになりそうです。このあたりは漫才師さんの知見が役に立つかも。
「マップで見せるシナリオの鍛え方?」
👤 ナラティブデザインは、マップから伝える事も多いのかな?と思いました。例えばマップの中で、「プレイヤーにこういう導線で動いてもらって、このオブジェクトに気付いてもらって、そこから物語に気付いてもらって…」みたいな形でナラティブを伝えることがあるのかな?と。このような、「マップで見せるシナリオ(?)」を鍛える方法はありますか?
これは私もいままさに鍛えてるので、あまり参考にならないかもですが!
まずはなによりかにより、非言語でシナリオを成立させている作品を、たくさん浴びることかなと思います。
ゲームや映画をたくさんプレイしたり、見ること。おすすめは講義でもちょっと語った「Hollow Knight」など。映画だと、ピクサー・アニメーション・スタジオによる短編アニメなどがこのへんすごくうまいですよ。「猫とピットブル」など!
そしてそれらの作品を遊んでいる&見ている間に、
自分が何に、どんな疑問を感じ、何に興味を持ち、結果、どんな答えを得たのか・をしっかり記録しておくことも大事。
講座でも繰り返しお話したかもしれませんが、体験に勝るものなかりしか。「自分=人間ってこういうのに疑問と興味を持つのか」という実体験のコレクションは、いつか、あなたが自分で「体験」を生み出すときの潤沢な資産になります。
※私もObsidianとかGoogleKeepに、日頃感じたこと、疑問、興味などをメモするクセをつけています。たぶんいわゆるメモ魔なほう。
あとこれは鍛え方とは違うかもなのですが、制作・執筆のどの局面でも、プレイヤーの「興味のフラグ」が、いまどこにあるかを意識し続けることかなと。
私はゲームを設計するときもシナリオを書くときも、私は常にプレイヤー・読者がいま、何を知りたいか・何を見たいか? を強めに意識するようにしてます。そこにガッチャンコするような情報をマップ上に配置できれば、プレイヤーの目は自然にそこに吸い寄せられて「気づいてもらえる」かなと。
ようは、常に制作者としての自分とプレイヤーの視点を持った自分を持つことで……これ、言うは易く行うは難しなやつですよね(汗)
このへんの回答については、もっと自分の中での言語化が深まったら記事にしたいなあと思います。ふわっとしててごめんなさい!!
おわりに
てなわけで、セミナーの振り返りと、拾いきれなかった質問3つ+αへの回答でした!!
セミナー開催にあたり、コンフィデンスクリエイターのご担当さんのお話を伺って、初学者向けの内容にしようというのは決めていたのですが、以前、東京作家大学さんのほうでやらせていただいた初学者向け講座とはガラリと方向性を変えてお送りしました。
だいぶ「ナラティブ」や「体験」の話の比重が多かったかも。
ナラティブって、国内ではまだまだややこしい言語だし(そもそも日本語訳がないし)、小説や漫画など一本道のシナリオを書くのとは勝手がだいぶ違うけれど――
ゲーム好きとしても言わせてもらう。
「物語体験」を意識して創ることは、ゲーム以外の作品だって良くするはず!
あの日お渡しした思考ツールたちが、ライターさん・プランナーさん・デザイナーさん……どんな職能の方の実務にも役立ってくれたら嬉しいです🐼
👆️素敵な機会をくださったコンフィデンス・クリエイターさん。本当にありがとうございました!
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いただいたご支援は、今後の更なる創作活動のために活用したいと思っています。アプリゲーム作ったり、アニメ作ったり、夢があるの!(>ェ<)