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【大月書店通信】第208号(2026/5/29)

「大月書店通信」第208号をお届けします。

4月にNHKBSで放送されたドラマ『対決』は、ある医大の入試で女子受験生の点数を下げているという問題に端を発し、大学のみならず、それを追及する新聞社のジェンダー意識、そして、男性優位社会である日本の「醜さ」までも描いた、優れた社会派エンタメでした。

このドラマが東京医科大学医学部で起きた不正入試事件をモチーフにしたように、男性優位に組み立てられ、女性が排除されるという構造は、日本社会の各所に見られます。

今月の新刊、中野円佳編著『 日本で女性研究者が増えない理由――アカデミアに残るジェンダー問題』は、女性研究者の比率がいまだ2割に満たない、その真相を、調査対象者68人の声から明らかにしていきます。

女性教員・学生が少ないなかで生じるセクハラ、自らの研究を他者の名前で公表されてしまうなどのアカハラ、出産・子育てとキャリア形成の両立困難……。

しかし、「そもそも高等教育としての使命として、属性にかかわらず、学び、研究し、キャリアを築くことができる場所であるべき」で、「高等教育を受けたり、研究者やそれ以外のキャリアを追求したりする権利が得られるかどうかが、性別などの属性によって異なるとしたら、それは人権の問題である」と中野さんは言います。

「アカデミアに残るジェンダー問題」は、日本社会のジェンダー問題の縮図とも言えます。ぜひ、多くの方に手に取っていただきたいと思います。

【新刊案内】『日本で女性研究者が増えない理由』ほか5月の新刊2点

●女性研究者率18%!その要因と対策とは?
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日本で女性研究者が増えない理由――アカデミアに残るジェンダー問題
中野円佳[編著]3,740円
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東京大学博士課程に在籍していた8研究科・男女54名、女性限定公募実施10大学・採用者14名へのインタビュー調査から見えてきた、アカデミアに根深く残るジェンダー・ギャップ。その実相を描き、解消に有効な方策を提示する。

【推薦】
★林 香里さん(東京大学教授)★

女性が来ない。女性がやめる。
日本の研究力低下は、ここから始まっている。
大学運営に関わる者として、目を背けてはならない現実がここにある。

★熊谷 晋一郎さん(東京大学教授)★
確かな組織変革は、そこで抑圧されている当事者の声への応答から始まる――68名の証言が鮮やかに照らし出す、日本のアカデミアに潜む「女性排除」の構造。

●特集=すべての子に学ぶ喜びを――私たちが願うインクルーシブ教育
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月刊クレスコ    2026年6月号(no.303)
クレスコ編集委員会 全日本教職員組合(全教)[編]825円
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障害がある、病気入院、不登校、日本語を母語としない、貧困、ヤングケアラー、性的マイノリティなど、どんな子の「学びたい」も保障する教育内容と教育条件の整備が「インクルーシブ教育」である。各地の先進的な実践を紹介。​​​​​​​

【イベント情報】

お茶の水女子大学ジェンダー研究所のセミナー「フェミニスト・ポリティカル・エコノミーの挑戦」が開催されます!

フェミニスト・ポリティカル・エコノミー(FPE)は、ジェンダー、セクシュアリティ、階級、人種などの交差の視点から、経済学・政治学・社会学・国際関係論・地域研究といった学術領域間の対話や横断的思索をもとに、グローバル資本主義を乗り越えるための新しい知のありかたを提起する。(中略)FPEを日本で初めて体系的に紹介する『 フェミニスト政治経済学』(大橋史恵・堀芳枝編、大月書店、2026年)の刊行を機に、3名の評者、10名の執筆者、そして参加者の皆さんとともに討議していきたい。( イベントHPより)

日時:6月21日(日)13:30~16:30(予定)
場所:オンライン開催(Zoomウェビナー)
参加費:無料
お申し込みは こちら

【話題の本・本の話題】

今月の書評・パブリシティ情報

●大橋史恵・堀芳枝[編]『 フェミニスト政治経済学
『We learn』5月号
「ふぇみん」5月25日

●浅田進史・板橋拓己・香月恵里[編著]『 岐路に立つドイツの「過去の克服」
「新潟日報」5月10日

●野崎泰伸[著]『 「できなさ」からはじまる倫理学
\書店員さんが選ぶ/私のBunkamuraドゥマゴ文学賞 No.70」で紹介されました

●薄井和夫・白鳥和彦[編著]『 [新版]はじめて学ぶマーケティング 現代マーケティング戦略と社会
『経済』5月号

●いとうまこと[文]たるいしまこ[絵]『 けんぽうのえほん あなたこそたからもの
「朝日小学生新聞」5月3日

【今月の赤旗半三段】

【編集後記】

引っ越しを機に、人生初の本の虫干しをしました。 晴れた土曜日。本の表紙を乾拭きして、バラララとページを繰って風を通し、開いて逆さまにして床に並べていきました。空気がじめっとしてくる夜になる前に、一冊一冊カバーや帯のズレを整えて、綺麗に拭きあげた本棚に戻しました。 「自分は今、なんてていねいな暮らしをしているのだろうか!明日は残り数箱やるぞ!」とニヤニヤしながら布団に入りました。 しかし翌日! 結構な腰痛に見舞わました……。面倒臭い気持ちも沸き起こってしまい、残りの本をワーっと乾拭きしてドワーっと本棚に戻してしまいました。 虫干しは秋がベストシーズンらしいので、また秋に挑戦したいです。(黒)

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