冬眠した太陽【3つのお題に空想のひらめきを】
ファンタジーのお題に挑戦しました。
1,500字ほどありますので、お時間のある時にお読みいただけると嬉しいです。
今回はイラストも入れてみました。
よろしくお願いします!!
🎈お題①:「地下に眠る太陽」
🐾お題②:「歌う湖」
⏳お題③:「銀色の橋」
ある日、太陽が言いました。
「うち、明日から1週間ほど、冬眠しようかと思ってんねん。
冬のこの時期、そない律儀に昇らんでもええと思うんよね。
だから、ちょっと地下に行って冬眠するわ」
驚く人々を尻目に、太陽はいい感じの地下を見つけて潜って眠ってしまいました。

太陽が昇らなくなり、あたりは真っ暗です。
1週間も夜が続くんかいな……と、人々はため息をつきました。
ただ、不思議と寒くはありませんでした。
むしろ、足元からじんわりと温く心地よいのです。
そして歌う湖がキラキラと煌めき、周りに咲いている花も光り始めました。
「なんや、これは……」
と驚いていると、動植物に詳しい博士が湖に駆け寄り、興奮した状態で説明をします。
「これは、幻のブループランクトンに、ムーンフラワーやないか!!
ブループランクトンは普段は光の届かない場所にいるはずやのに……!
そうか、太陽が冬眠して真っ暗になったから姿を現したんやな!!
それに、ムーンフラワー……。
陽の光が強すぎる昼間は閉じていて、新月の時間帯しか咲かないが、こんなに長時間咲いているのを見られるとは……。
これは、貴重やで!!
ゆっくり研究できるやないか!!」
博士はブループランクトンとムーンフラワーを夢中になって観察し始めました。
歌う湖は、青く光る幻想的な風景にうっとりして、
「なんや、ええ歌、歌えそうやわ~」
と言って、歌いだします。
その、美しい歌声と、景色に、みんなうっとりとしています。

さらに驚くことが起きました。
みんなが美しい歌声にうっとりしていると、誰かが叫びます。
「おい!あそこの木の橋、なんか銀色に光ってへんか!?」
すかさず博士がすっ飛んできて、眼鏡を光らせます。
「……っか~~~~~!!!!!
まさか、この橋がシルバーツリーを使って作らていたとは!!
シルバーツリーは、どこにでもある木やねんけど、非常に暗い場所だと銀色に光る習性があると言われてんねん!!
ここまで光っているのは初めて見た!!」

太陽が冬眠したことで、世界は真っ暗になるどころか、見たこともない光と歌で溢れかえったのです。
せっかくなので人々は、この景色を堪能するために宴を開くことにしました。
眠っている太陽の近くには、料理人が集まり、太陽の熱さを利用して次々と料理を作ります。
地下で太陽が眠っているので、地面はほんのりと温かいし、湖や川もいい温度の水が流れているので、水遊びも楽しめました。
人々は、この生活も悪くないな……と思い始めていました。
そして1週間がたちました。
太陽がむくりと起きて言います。
「ふぁ~~よう寝た~~。
さて、元気になったことだし、お空に帰って、バリバリ働くで~!!」
太陽が地下から出ようとした瞬間、美しく幻想的な景色が消えそうになり、人々が慌てて言います。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って、太陽さん!!
……もう少し寝ててもええねんで?
1週間なんてあっという間やったろ?」
「まあ、たしかにあっという間やったけど……。
でも、そない長いこと休むんも、なんや悪いやん?」
「いやいやいやいや!!!!!
普段が働きすぎやねんって!
もうちょい、休んだ方がええって!」
「そ、そや!!
歌う湖~!!
バラード1曲頼むわ!!」
すかさず歌う湖が美しい声で子守唄を歌い始めます。
すると太陽はウトウトしはじめました。
「なに……この眠気を誘う歌は……。
ほな、お言葉に甘えて……もうちょっと寝ようかな……。
ZZZZZZZZ」
人々は胸をなでおろして、宴の続きをやりました。
それからというもの、太陽は年に1回は2週間の冬眠生活をするようになり、人々は2週間、宴を楽しむようになりました。
おしまい。
みかんさん、マガジン収録ありがとうございます☆彡
