煙突掃除の少年の物語【3つのお題に空想のひらめきを】
🎈お題①:「ロンドンの赤い郵便ポスト」
🐾お題②:「石畳のパン屋」
⏳お題③:「雨の日の喫茶店」
世界ノスタルジーに挑戦しました。
歴史に疎いので、チャットさんといろいろ聞いたところ、19世紀後半のロンドンのお話……ということになりました笑
そして、作品内のイラストは全てチャット画伯によるものです!!
ありがとう、チャット画伯✨
2,000字弱あるので、お時間ある時にお読み頂ければ幸いです。
よろしくお願いします🙇
🐾お題②:「石畳のパン屋」
ロンドンで煙突掃除の仕事をしている少年ルカは、一仕事終えて煤まみれです。
お腹をグーグー鳴らしながら、煙突掃除人の親方の家に帰宅している時のことです。
石畳のパン屋さんから、焼き立てのパンのいい香りがしてきました。
ルカは思わずその香りに引き寄せられ、お店の近くでパンの香りを堪能します。
「あ、そうや!!
パンの絵を描いたら、食べた気分になれるかもしれへん!」
ルカはパン屋の横にある路地に入り、煤を使ってこっそりとパンの絵を描きます。
すると、そこに親方が通りかかり、ルカに声をかけます。
「おい、ルカ。
そんなとこで何やってんねん」
ルカは照れくさそうに笑って言います。
「あ!親方!
えへへ、腹がへってもうたから、ここでパンの絵を描いて、食べた気分にでもなろうと思ってん。
なかなかうまく描けたと思うねんけど……」
親方はルカの絵を見てびっくりです。

「ル、ルカ……。
お前、こんな特技があったんか……。
オレまで、パン食べた気分になれたわ。
……ちょっとここで待っとけ」
親方はパン屋に入ってパンを買ってきてくれました。
ルカは大喜びでパンを食べます。
「やっぱ、絵のパンじゃ、腹はふくれへんな!
ありがとう、親方!!」
すると、親方はニヤリと笑いながら言います。
「いいや、そんなことないで。
お前の絵で腹がふくれる方法を思いついたわ」
「ええ~?
何言うてんの、親方。
頭、おかしなったんちゃう?」
「あほか、冴えに冴えまくってるわ!!
……雨も降り始めたし、今日は煙突掃除はしまいにして、オレの贔屓にしてる喫茶店に行くで!」
親方はルカを連れて雨足が強くなる前に喫茶店へと向かいました。
⏳お題③:「雨の日の喫茶店」
親方とルカは喫茶店に入り、席に着きます。
雨足が強くなり、窓ガラスを流れる雨粒が増えていきます。
親方はメニュー表を渡してルカに言います。
「当分、雨が降りそうやし、のんびりしようや。
好きなもん頼んでええぞ」
しかし、ルカは少ししょんぼりした様子で言います。
「僕、字ぃ、読まれへんねん……」
「……そっか……。
ほな、オレのおすすめ頼むとするか。
おい、マスター。
サンドイッチとスープをこいつに頼むわ。
オレはサンドイッチとコーヒーで!」
マスターはコクリと頷いて、サンドイッチとスープをルカの前に置きます。
ルカはゴクリと生唾を飲み込み、親方の方を見ると、親方は「はよ食べろ」と勧めます。
ルカは早速、サンドイッチをパクリ。
スープを一口、ゴクリ。
「……っ美味しいーーー!!
ありがとう、親方ーーー!!」
ルカはペロリと平らげてしまいました。
すると親方が紙と鉛筆をマスターからもらい、言います。
「おい、ルカ。
今食べた、サンドイッチとスープの絵を描いてみろ。
うまそうに描くんやで!」
ルカはコクリと頷いて、先ほどのサンドイッチとスープを思い出しながら描きます。
雨が石畳を打ちつける音と、静かな音楽、そしてルカが鉛筆を走らせる音が、喫茶店を包みます。
雨が小雨になり始めた頃、描き上がったものを親方に見せました。
「どうやろか…?
うまそうに見える?」

親方は満足そうな顔をして、マスターにルカの絵を見せます。
「おい、マスター!
オレの弟子はとんでもない才能の持ち主やで!」
マスターはルカの絵をじっくりと見て、ルカに言います。
「……最近、クロワッサンサンドイッチを新しくメニューに取り入れてんけど、なんや、みんな普通のがええとか言うて、なかなか注文してくれへんねん。
食べさせたるから、絵ぇに描いてくれへんか?」
ルカは目を輝かせて言います。
「お安い御用やで!!
親方!
ほんまに絵ぇで、腹ふくれるな!!」
3人は「ほんまやな!」と笑い合いました。
🎈お題①:「ロンドンの赤い郵便ポスト」
その後、ルカの描いたクロワッサンサンドイッチのポスターを見た人たちは「なんや、美味しそうやなぁ」と言って注文する人が増えました。
そのうち、喫茶店だけでなく、パン屋やお菓子屋の人たちも、ルカに新商品の絵を描いてくれ、と頼むようになりました。
そんなある日のことです。
ルカは煙突掃除をして、煙突のてっぺんからロンドンの街並みを見渡します。
そして、その風景を絵に描きました。
親方のところに持って行き
「親方、この絵を家に送りたいから、家の住所書いてくれへん?
きっと、これ見たら、僕が元気にしてること、家族に伝わると思うねん」
と言いました。

親方はルカの描いた絵をじっくりと眺めて、静かに頷きました。
きれいに封をした手紙をルカは大切に抱え、街角に佇むあざやかな赤い郵便ポストへとそっと投函しました。
(お父さん、お母さん……後、半年……
僕、頑張るからな!!)
ルカは元気よく走り出します。
今や絵も評判になったルカには、街のあちこちから声がかかります。
「ルカ〜今度、うちの絵を描いてくれ〜」
「今日はうちの煙突掃除頼むよ〜!」
ルカは
「お代はうまいもん頼むで〜!」
と、笑いながら言うのでした。
おしまい。
