つまみ食い攻防戦【3つのお題に空想のひらめきを】
昭和ノスタルジーに挑戦しました。
1,400字程度あります。
お時間ある時に読んでいただけると嬉しいです☺️
よろしくお願いします🙇
🎈お題①:「風鈴が鳴る縁側」
🐾お題②:「畳の上の昼寝」
⏳お題③:「夕食前のつまみ食い」
小学生のケンちゃんが家に帰ると、お台所から夕飯の良い香りがしました。
ケンちゃんはお台所に行き、テーブルの上にあるミートボールと、きゅうりの浅漬けを見つけると、こっそり手を伸ばします。
ミートボールを摘んで口に入れようとした時
「大きなネズミやの〜!
夕飯まで待たれへんのか!」
と大きな声を上げる人物がいました。
祖父の晴太でした。
ケンちゃんは、びっくりしつつもミートボールを口に入れて、慌ててモグモグと噛みゴクリ。
「……じいじ、なんのことや?
大きなネズミ?
ヌートリアのこと?」
「堂々とつまみ食いしといて、とぼけるとはええ度胸やな…。
つまみ食いなんて行儀の悪いことすんな!!
ケン、だいたいお前は辛抱いうもんがなさすぎる!!
ワシがケンぐらいの時にはなぁ……」
「はいはい〜!!
その話は100回くらい聞いてる〜!!
じいじ、偉い〜!
男の中の男〜!!」
「ほな、もっと見習えや!!」
晴太とケンちゃんがバチバチに睨み合っていると、祖母の晴美が2人の間に入って穏やかに言います。
「はい、お夕飯できましたよ〜。
ご飯食べたら、お腹の虫も落ち着くやろ。」
晴太とケンちゃんは、ツーンとそっぽ向きながら椅子に座ってご飯を食べ始めます。
食べ出してしばらくすると、どちらともなく話をし始めて、最終的にはケンちゃんが
「じいじ、後で一緒にお風呂入ろうな!
手ぇで、お湯ピューってするやつやって!
今度、プールで政やんに披露すんねん!」
と言い出し、晴太も
「しゃあないなぁ。
ほな特訓や!!」
と言って仲良くお風呂に入るのです。
そんなやり取りが続いていたある日のこと。
ケンちゃんは畳の上で昼寝をしている晴太の姿を見て
(じいじ、よう寝てるな……
今日のつまみ食いは楽勝やで!)
と思いながら、お台所に行き、揚げたての唐揚げを摘もうとしたその時です。
チリンチリンチリンチリン!!
と、縁側の風鈴が風もないのに激しく鳴り
「晴美さん〜!!
盗人ヌートリアが出たぞ〜!!
現行犯やぁ〜!!」
と大声で叫ぶ晴太の声。
ケンちゃんが驚いて晴太の方を見ると、晴太は勝ち誇ったように、風鈴の短冊を摘んで、ニヤリと笑います。
「じいじ!!
昼寝してたんちゃうん!?」
「……フン。
ワシには盗人センサーが付いとるからな。
寝ててもわかんねん」
晴太は再びドヤ顔で風鈴をチリンチリンと鳴らします。
ブゥ〜と頬を膨らませて納得いかない顔をするケンちゃん。
そこに騒ぎを聞きつけて晴美がやってきます。
「ほんま、毎日、飽きひんねぇ……。
ケンちゃん、お夕食の味見してくれへん?」
「味見!?
するする〜!!」
嬉しそうに晴美に飛びつくケンちゃんを見て、今度は晴太が納得いかない顔して言います。
「晴美さん……味見て……。
公認のつまみ食いやないか!」
すると晴美が日本酒をチラリと見せて
「……晴太さんも、公認つまみ食いでもしいひん?」
と誘います。
「……夏酒やないかい……。
……しゃあないな。
味見したるか」
ケンちゃんは唐揚げを美味しそうに頬張り、晴太は日本酒のあてに唐揚げを頬張ります。
その2人を見ながら少し笑いながら晴美は思う。
(やれやれ、似たもの同士やから、エスカレートする一方やわ!
……まぁ、扱いやすいねんけど…)
その後、ケンちゃんは
「じいじ、味見の時間やで〜」
と誘い、晴太は
「おお、そんな時間かいな」
と晩酌をするようになるのでした。
おしまい。
