海を知らないカメ【3つのお題に空想のひらめきを】
日本むかし話に挑戦しました。
2,000字近くあるのでお時間ある時にお読みいただけると嬉しいです☺️
よろしくお願いします🙇
🍊第50回 3つのお題(日本むかし話)
🎈お題①:「おひさまと白い猫」
🐾お題②:「海をしらないカメ」
⏳お題③:「空飛ぶわらじ」
むかしむかし、あるところに、太郎という少年と白い猫とカメがおりました。
太郎と二匹はとても仲が良く、東からおひさまが昇ると、一目散におひさまの近くに行き声をかけます。
「おひさん、おはよ~。
今日もおもろい話聞かせてや~。」
おひささまは、少しあきれながら
「今、出てきたばっかりやで!?
もう、話せなあかんのかいな!」
というと、太郎は口をとがらせながら言います。
「だって、どんどん昇っていくやん。
声、聞き取りづらいねん。
それに、夕方に行ったら沈んでもうて、オチ聞かれへんかったし。
朝が一番ええねん。
なーなーお話してーや!!」
「わかった、わかった!
え~ほんなら…」
とおひさまが考えていたら白い猫が言います。
「化け猫の話はいややで。
あれ、気ぃ悪かったわ。」
「…そら悪かったな。
…ほな、浦島太郎の話したろ!
太郎とカメ出てくるしな。」
そして、おひさまは浦島太郎の話を聞かせました。
話が終わると、太郎が怒り出します。
「太郎、じいさんになってるやんけ!!
乙姫こわっ!!
竜宮城、こわっ!!」
白い猫とカメは太郎をなだめます。
そしてぽつりとカメが言います。
「……話に出てきた『ウミ』って…なんなん??
物語のカメ、『ウミ』の中の竜宮城に住んでるんやろ?
『タイ』や『ヒラメ』ってなに??」
おひさまと太郎と白い猫は、一瞬黙った後に驚き、太郎が言います。
「海、知らんのん!?
広くて青くて、しょっぱいねん。
暑い日に泳ぐと楽しいで~。
あ~そういや山育ちやもんな…。
見たことないか…。」
白い猫はうっとりしながら言います。
「新鮮な魚がいっぱいおるで~。
釣りしてる人からくすねたことあるけど、うまかったで~。」
おひさまもちょっと申し訳なさそうに言います。
「わしは海から昇って、海に沈むからな~。
正直、見飽きてるって感じやで…。」
カメは愕然としました。
「えっ!!
みんな『ウミ』知ってるん!?
知らんの僕だけ!!?
いーなー!
いーなーーー!!!」
太郎と白い猫は顔を見合わせてから言いました。
「…ほな、行く?
山超えたところにあるで。
ちょっと遠いけど。」
すると、カメは急にもじもじしはじめます。
「えー、でも、カメいじめるやつおるんやろ?
それに、僕、足おそいから、山超える前に夜になってまうかもしれへん…。」
太郎が、ニヤリと笑いながら言います。
「安心しろ、カメ。
いじめるやつがおったら俺が退治してやる!
そして、俺は最近すごいものを手に入れてん。」
と言って、わらじを見せました。
「この前、山で迷っとる天狗助けたら、お礼にもろてん。
このわらじ履くとな、空飛べんねん!
山越えなんてあっという間やで!!」
太郎はわらじを履いて、白い猫とカメを抱えると、ぴょんと飛びます。
すると、どんどん空高く登っていき、山もあっという間に超えました。
山を越えると、目の前には海が広がっています。
カメは海を見て大興奮です。
「えぇ!!
でっかぁーー!!
端っこ見えへんやん!!
ほんまに青いし、おひさんの光当たったところキラキラしてるやん!!」
太郎はいい感じの砂浜に降りて、カメを浜辺の近くに連れていきます。
カメは寄せてはかえる波に驚きつつも、だんだん楽しくなって遊び始めました。
白い猫は、太郎に魚を取れと催促し、太郎は浜辺の釣具屋で道具を借りて釣りをしました。
獲れた魚をすぐに食べる白い猫。
カメもおそるおそる食べると
「……美味しい!!」
と、目を輝かせます。
その後も太郎と白い猫とカメは、たくさん海で遊びました。
遊び疲れたころ、おひさまはゆっくり海へ沈みはじめました。
「おーい、おまえら~。
そろそろ帰らんと、真っ暗なるで~。」
おひさまが赤く笑いながら言います。
太郎は空飛ぶわらじを履き、白い猫とカメを抱えて空へ飛びました。
帰り道、カメはずっと海の方を見つめています。
「……ウミ、めっちゃええとこやったなぁ…。」
「やろ?
また行こな!」
白い猫はお腹をさすりながら言いました。
「次はもっと魚食べるで~。」
するとカメは、ちょっと真面目な顔で言います。
「……ほんで、いじめる人、おらんかったな。」
太郎は笑いました。
「そらそうや。
浦島太郎の話は、むかし話やからな。」
すると、おひさまが空の向こうから言いました。
「せやけどな~
むかし話いうんは、ほんまのこともちょっと混ざっとるんやで~。」
「えぇっ!?!?」
太郎と白い猫とカメはびっくり仰天。
その拍子に、空飛ぶわらじがグラリと揺れて――
「うわぁぁぁ!!」
三人は山の上に転がり落ちました。
それを見たおひさまは、沈みながらカラカラ笑っていたそうな。
おしまい。
