消えた伝言板【3つのお題に空想のひらめきを】
昭和ノスタルジーに挑戦しました!
今回は950字と短めです。
サクッと読めるはず?
よろしくお願いします!
🎈お題①:「消えた伝言板」
🐾お題②:「下駄箱の手紙」
⏳お題③:「茜色の自転車」
授業が終わり、ヒロシは帰宅しようと下駄箱の靴に手を伸ばすと、ひらりと手紙が落ちてきた。
封を開けて内容を読むと、そこには信じられない内容が書かれていた。
『〇〇駅の伝言板をもらった。
返して欲しければ、町はずれの工場跡地に来るがいい
悪者より』
ヒロシは手紙をぐしゃりと握りしめて怒りをあらわにした。
「悪者め!!
〇〇駅の伝言板がなくなると、伝言できなくて困る人が増えるじゃないか!!
こうしちゃいられない……すぐに行くぞ悪者め!!」
ヒロシは自転車にまたがり、ものすごいスピードで町はずれの工場跡地へと向かった。
「キキーッ!」
夕日に映える茜色のボディ。
ピカピカ光る方向指示器のフラッシャーを点滅させながら、ヒロシは自転車を止めた。
「悪者!! 伝言板を……伝言板を返せ!!」
すると、学校の遮光カーテンをマントのように羽織った悪者が、伝言板を引きずって出てきた。
「ふふふ。そんなに、この伝言板が大事か?」
「当たり前だ!!
そこには、大切な人に伝えたい文字が書かれているんだ!!
例えば『5/5急用で帰ります・髙橋』の伝言を見れなかった人は、髙橋さんをずっと待つことになるんだぞ!
かわいそうじゃないか!!」
「ははは!! そんなこと、知ったこっちゃない!
おっと、それ以上近づくのなら、この特大黒板消しを使って……文字を消してしまうぞ?
……まずは、名前から……消してやろうかな?」
「や、やめろ!!
名前を消したら、誰の伝言なのかわからなくなってしまう!!
……くそっ、こうなったら……変身して戦うしかない!」
ヒロシは自転車のベルをチリンチリンと激しく鳴らし、右手を大きく突き出した。
「へ~んしん!! とうっ!!」

背後で激しい火花と煙が飛び散る中、ヒロシは自転車戦士に変身し、あっという間に悪者をボコボコに倒した。
「くそ!!
覚えてろよ!!」
逃げていく悪者の背中を見送り、伝言板を奪い返したヒロシはつぶやく。
「このオレがいるかぎり、どんな悪事も許さない。
それが……自転車戦士の役目だ!!」
伝言板を抱えて自転車に乗り夕日に向かって走り出すヒロシの映像に、エンディングロールが流れる……。
新番組『自転車戦士ヒロシ』の1話目を見終わったケンちゃんは、テレビのスイッチを切る。
(……なんやろ、全体的にしょぼかったって思うのは、オレだけか?)
『自転車戦士ヒロシ』は5話で打ち切りとなった。
おしまい。
