つばめ飛脚屋【3つのお題に空想のひらめきを】
世界むかし話に挑戦しました!
1,700字ほどありますので、お時間ある時に読んでもらえると嬉しいです☆彡
よろしくお願いします!!
🎈お題①:「白ヘビのお守」
🐾お題②:「人魚のかんざし」
⏳お題③:「雲をはこぶつばめ」
むかしむかし、ある村に、博打好きのおっとうと、長患いのおっかぁ、そして二人を案じる兄妹がおりました。
その村のはずれには、白ヘビを祀っている神社がありました。
そこにいる白ヘビ様は村を災いから守ってくれています。
そして、お願いするとお守りを作ってくれるのです。
ある日のこと、妹が白ヘビ様にお願いをします。
「おっとうの博打癖が治り、まともに働きますように……」
それを聞いた白ヘビ様は
「博打癖か……。
よっしゃ、ええの作ったるから、ちとばかし待っとけ」
と言うのでした。
◇
一方そのころ、兄は海辺へ向かっていました。
そこの海にはアマビエという人魚が住んでいるのです。
アマビエは
「たまには陸で散歩でもするか〜」
と言って、長い髪を潮風に揺らし、小鳥のようにピーピーとご機嫌にさえずりながら、海岸沿いを3本足でペタペタ歩いていました。
散歩中のアマビエに兄は近づいて、深々と頭を下げお願いをします。
「アマビエ様!!
おっかぁの長患いを治してくれへんやろか……。
医者に診てもらうお金も底ついてもうて……。
お願いします!!」
兄は目に涙をいっぱい溜めて、必死にアマビエを見つめます。
アマビエはその姿にたいそう心を打たれ
「なんやの、この子……。
おっかぁ思いのええ子やないの……。
よっしゃ、任せとき!!
長患いによう効くかんざし作ったるわ!!
ちょっとだけ待っといてな!」
と言うのでした。
◇
さて、ところ変わり、ここは雲を運ぶつばめたちが働く『つばめ飛脚屋』。
つばめの親分が雲の注文書を見ながら、次々と配送の指示を出します。
「おい!その箱逆さまにすんな!!
積乱雲漏れてもうてるやんけ!!
あーあー!!
雨雲やから丁寧に扱わんと…雨漏れてもうてるやん!
ったく、濡れた体はしっかり拭いて、床も滑らんように拭いとけよ!!」
「親分、声でかっ!!」
「しゃーないやん!!
地声がでかいから大きなってまうねん」
つばめの親分は眉間にしわを寄せながら注文書の続きを見ます。
「次の注文は……『入道雲雷入り』を白ヘビ様のところに……。
あと……『茜色のうろこ雲』をアマビエ様のところか……。
お~い、誰か危険物取扱資格もってるやつおったっけ?」
配送つばめたちは顔を見合わせて皆首を横に振ります。
「おいおい、誰も取ってへんのかい!
雷入りの雲は資格あるやつしか運ばれへんからな……。
しゃあない、オレが運ぶから、配送指示任せたぞ!!」
つばめの親分は、入道雲雷入りを慎重に箱に収めて、厳重に包みます。
そして、茜色のうろこ雲は、なるべく形のきれいなものを選んで、型崩れしないように箱に収めます。
そして、それぞれの雲を、白ヘビとアマビエのところに運ぶのでした。
白ヘビは届いた入道雲雷入りを器用に袋に詰め込んで、キュッと紐を結び、お守りを作りました。
そして、できあがったお守りを妹に渡してこう言いました。
「おっとうにこのお守りを持たせるんやで。
そうすれば、おっとうが博打に行こうとしたら、ビリっと電気が走るようなるし、まっとうに働いたら博打に勝った時のような達成感が味わえるようになるからな」
「すご~い!!
さっそくおっとうに渡してみるわ!」
妹はさっそくおっとうに渡すと、ピタリと賭博場に行かなくなり、まっとうに働き始めたのでした。
さて、アマビエは茜色のうろこ雲が届くと、雲に貝殻や珊瑚をあしらえて美しいかんざしを作くり、兄に渡しました。
兄はさっそくおっかぁに渡すと、うろこ雲の茜色が体の中にしみ込んでいき、ぽかぽかと温かくなったかと思うと、みるみる元気になっていきました。
そして、家や畑仕事ができるようになったのです。
兄と妹は手を取り合いながら喜びました。
「おっとうは働くようになったし、おっかぁは元気になったし、めでたし、めでたしやな!」
喜ぶ兄妹の横をスイっと飛びながら、つばめの親分は今日も元気に雲を運びます。
数日後。
「親分、大変です!!
下っ端つばめが感電しました!!」
「資格持ってへんやつに入道雲、触らせたらあかんって言うたやろ!!
怪我とかはしてへんやんな!?
ひとまず、アマビエ様のところに連れて行け!!」
つばめ飛脚屋は今日も大忙しなのでした。
めでたし、めでたし。
