ロマンスが足りない【アマノ文筆クラブ】
ケンちゃんには、ロマンスが足りない。
いや、足りないと言うより、ない。
さつきが恋愛ドラマをポーッと観ていても
「まどろっこしいの〜
決着ついたら教えて〜」
と身もふたもないことを言う。
誕生日や結婚記念日はきちんと覚えていて、2人でお祝いもするけれど、
「今日はめでたいでぇ〜!
ごちそう食うでぇ〜!」
と、美味しいもの食べれる日だと思っている。
なので、さつきはケンちゃんに『ロマンス』なんてものは期待はしていない。
しかし、この男、不意打ちで
「さつき!
テレビで天ぷらの美味しいお店紹介してるで!
……さつき、以前、有名な天ぷら屋行った時、うまそうに海老天食べてたなぁ〜。
あの顔、可愛かったなぁ〜。
お、この店、近いやん。
行こか、さつき!」
と、さらりと言う。
「……うん、行きたい。
ほんまやな、美味しそうな天ぷらやな…。」
そう言いながら、さつきは少しだけ頬が熱くなる。
ケンちゃんには、やっぱりロマンスが足りない。
――でも、たぶん、それでちょうどいい。
おしまい。
久しぶりにアマノ文筆クラブさんのお題に参加しました!!ありがとうございます✨
