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あの日のアルミのお弁当箱【3つのお題に空想のひらめきを】

世界ノスタルジーのお題に挑戦しました。
1,400字ほどありますので、お時間ある時にお読みいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします☆彡

🎈お題①:「木と机とランドセル」
🐾お題②:「縁側の昼寝」
⏳お題③:「アルミのお弁当箱」

🍊第59回 3つのお題(世界ノスタルジー)

夏休みを堪能中のケンちゃんは、風が吹き抜ける縁側で、午前中からゴロゴロ。

冷蔵庫の中にある、「おやつに食べて」と用意してくれてたスイカでも食べようと思い、お台所に行くと、机の上にアルミのお弁当箱が置いてありました。

(……オレの昼ごはん、今日はお弁当にしてくれたんかな!?
 なんや新鮮でええやんけ!)

お昼ご飯には早いけど、ケンちゃんはお弁当の蓋を開けて、ムシャムシャと食べてしまいました。

食べ終わってから、遊びにでも行こうかと準備をしていると電話が鳴り、とったところ

『おお!ケンか!
 家おってくれて良かった〜。
 お台所の机の上に、昼ごはんの弁当忘れてしもてん。
 ちょい、持ってきてくれへん?」

と、お父さんからのとんでもない依頼電話でした。

(あれ、おとんのお昼ご飯やったんか!!)

ケンちゃんがアワアワしてると、お父さんは「ほな、頼むで〜」と電話を切ってしまいました。

ケンちゃん大ピンチです。

ひとまず、空のお弁当箱を洗って、冷蔵庫を開けてみるものの、学校の調理実習で料理をしたぐらいの知識ではどうにもならず……。

(ご飯だけ詰めて……日の丸弁当やってことにするか……?)

ケンちゃんが途方に暮れてると、祖父の晴太がやってきたので、ケンちゃんはことの顛末を話し、晴太に泣きつきました。

晴太は冷蔵庫の中をみて、ケンちゃんにいいます。

「おい。
 学校で家庭科ならっとるやろ。
 教科書持ってこい!」

ケンちゃんは自分の部屋へ走り、木の学習机に掛けっぱなしのランドセルから、家庭科の教科書を出して晴太に渡します。

包丁の持ち方や、切り方について書かれていて、それを見ながらケンちゃんに言います。

「オレが指示出すから、ケン、お前おかず作れ。
 豚肉と玉ねぎあるから、ポン酢で炒めたらええやろ。
 いいか、包丁の持ち方はな……」

セミの鳴き声が響く中、ケンちゃんはたどたどしくも、玉ねぎに目をしみらせながら切り、お肉を切って、フライパンで炒めます。

しっかり火を通せと言われてちょっと焦げてしまったけれど、それなりの炒め物が完成しました。

「あとは、たまごをくちゃくちゃ~ってしたの入れとけば大丈夫や!」

ケンちゃんは、たまごを割り、殻が入ったと騒ぎ、なんとかスクランブルエッグも完成させました。

ご飯と、おかず二品をお弁当に詰め込み、ケンちゃんは大急ぎでお父さんのいる職場に行きます。

「おお、すまんな~。
 ありがとうな、ケン」

お父さんがケンちゃんの頭を撫でます。

しかし、ケンちゃんはそれどころではありません。

「ちょっと食べられるか、食べてみてや!!」

お父さんは少しびっくりしていましたが、ケンちゃんの必死の形相と、あからさまに不揃いなおかずを見て察し、目じりを下げました。

そしてお弁当を一口ずつ食べました。

炒め物はポン酢が少し濃く、スクランブルエッグはほとんど卵そのものの味でした。

それでもお父さんは

「うん、うまいで。
 昼からも仕事頑張れそうやわ」

というのでした。

ケンちゃんはホッとして、お父さんの職場を後にしました。

くたくたになったケンちゃんは、晴太にVサインをしてから、縁側に寝ころびグーグーと寝始めました。

晴太も安堵のため息をついて、隣にゴロリと寝転び、昼寝をします。

2人が気持ちよく寝ているときに、祖母の晴美が帰宅します。

そしてお台所がとんでもなく散らかっていたので「ちょっと、何があったん!?」と驚くのでした。

おしまい。


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