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ブロックチェーンゲームの原資回収日数は短い方が良いのか?

ブロックチェーンゲーム(BCG)の世界では、「原資回収日数◯◯日」という言葉が日常的に飛び交っています。投資したNFTやゲーム内アイテムが、何日で元が取れるのか。そのスピードが速ければ速いほど「良い投資先」だと考えられがちです。

しかし、果たして本当に「原資回収日数が短いこと=良いこと」なのでしょうか?

この記事では、原資回収日数という考え方の危うさ、そして短期的リターン志向が生み出す構造的な問題について触れながら、「より健全で持続可能なBCGの姿」とは何かを考えてみたいと思います。

■ この記事を読んでもらいたい人
・原資回収日数は短いほど良いと思っている人
・BCGのリターンしか見ていない人



原資回収日数とは?

まず最初に「原資回収日数」という言葉について整理しておきましょう。

これは、STEPNなどのBCGなどにおいて「初期投資(NFTやゲームアイテム購入費用など)を何日で回収できるか」を表す指標です。例えば、原資回収日数が30日であれば、30日プレイすれば元本を回収し、それ以降は純利益になるという意味です。

この指標は、伝統的な金融投資における「年利」や「ROI(投資利益率)」に近い概念ではあるものの、その使われ方や認識は非常に特殊です。


異常なリターンと見落とされるリスク

例えば、原資回収日数が100日であったとしましょう。BCGで「原資回収日数100日」というのはごく普通か、「少し長いな」と思われる日数かもしれません。

しかしこれは、100ドル投資して100日後に100ドル分のリターンがあるという意味になります。つまり、100日で資産が倍になる。これを年利換算すると、複利ベースで1170%という、異常な利回りになります。

比較してみましょう:

  • 日本の定期預金:年利0.001〜0.1%

  • 株式投資(インデックス):年利3〜10%

  • 債券:年利1〜5%

このように、100日で回収というモデルは伝統的な投資から見ると"あり得ない"レベルのリターンです。

ですが暗号資産やBCG界隈ではこの「原資回収日数」という言葉があまりに定着し過ぎているせいか、その異常な利回りが「異常」だと思う人はほとんどいないように思います。

リターンが高いということは、当然それに比例してリスクも大きくなります。「ローリスク・ハイリターン」の投資は存在しません。あるとすれば詐欺です。

にもかかわらず、BCGにおいては「原資回収の早さ」ばかりが注目され、リスクに対する言及が非常に少ないのが実情です。


回収日数は約束ではない

さらに問題なのは、原資回収日数があたかも「確定した将来」かのように扱われていることです。

多くの人が購入したNFTの価格を、1日で獲得できるトークンやアイテムで割って原資回収日数を計算したことがあるはずです。

ですがその日数通りに原資回収できたことがありますか?ほとんどの人がその日数よりも長いか、未だに原資回収できていないはずです。

  • トークンやアイテム価格の変動

  • 報酬量の調整

  • ゲーム人口の減少

これらの要因によって、回収速度は大きく変化します。特にBCGは、トークン価格が需給によって激しく変動するため、「30日で回収できるはずが、トークン価格暴落により100日経っても元が取れない」ということが頻繁に起こります。

原資回収日数は、あくまでその時点での稼ぎを元にした静的な仮定に過ぎず、動的な経済構造の中では簡単に崩壊する数字です。


高利回り=ポンジ構造の危険性

高利回りの構造は、しばしば新規参入者の資金で既存プレイヤーにリターンを与える形になりがちです。

運営は得た資金で運用や開発を行っているため、上記の構造はポンジスキームそのものではありません。しかし、既存ユーザーの利益の圧倒的大部分が新規参入者の資金だとすれば、これはポンジスキームに近い構造です。

仮にゲームが100日で2倍のリターンをユーザーに与えていたとすれば、その間に2倍の資金が新規から入ってこない限り、エコシステムの持続は困難です。つまり、価値の創出よりも、圧倒的に資金の循環だけで成り立っていることになります。

これは、Axie InfinityやSTEPN(初期)、Gas Heroといった多くのBCGが実際に通ってきた道でもあります。序盤に盛り上がり、ユーザーが殺到するも、トークンの供給過多と新規減少により経済が崩壊。トークンは暴落し、多くのユーザーが損失を被りました。


なぜユーザーは短期回収を求めるのか?

それでもユーザーが原資回収日数の短さを求める背景には、主に次の2つの心理があります。

1. 一攫千金を狙う短期投機志向

株式などの伝統的な資産に比べ、暗号資産は短期で10倍や100倍に高騰したものが数多くあります。そのため「暗号資産で短期間に爆益を得たい」という願望が、現実的なリターン感覚を麻痺させています。伝統的投資で年利5%を得るのがどれだけ大変かを理解せず、1ヶ月で資産2倍といった設計に飛びつく層が一定数存在します。

2. プロジェクトに対する不信感

BCGは運営の透明性が低く、過去にはラグプル(資金持ち逃げ)の事例も多数あります。そのため、ユーザーは「とにかく早く回収して逃げたい」という思考に陥りがちです。



なぜ運営は高利回収を設計してしまうのか?

これは単純に「ユーザーがそれを求めているから」です。

長期でじっくり収益を出すモデルでは、初期のユーザー獲得が難しく、プレイヤーが集まりません。そこで「30日で倍になる」「ROI 20日」などの強烈な訴求文句が使われがちになります。

トークン建てで「30日で倍」といった設計にするのは簡単です。しかし、これが結局、短期的な盛り上がりと、その後の急激な下落を招き、プロジェクト全体の寿命を縮めてしまう原因となっています。

もちろんそのような設計をしてしまう運営にも問題があります。しかし、高利回りのプロジェクトでなければ見向きもしないユーザーにも責任があるのではないでしょうか。


Gas Heroの事例と2184の変化

Gas Heroでは、初期段階で非常に短期の原資回収設計がされていました。ある程度のヒーローや武器などを揃えれば、20日〜30日でその数倍の資産が稼げる計算で、一時は高い注目を集めました。

しかし、その後NFT価格が急落し、短期で稼げなくなった途端にユーザー離脱が加速。エコシステムは縮小し、Gas Heroは残念ながら約1年でサービスを終了することになりました。

その反省を踏まえたのか、現在の「2184」では意図的にリターンを抑え、原資回収までに長期間を要する設計になっています。これは、「短期バブル→崩壊」の構造を避けるための戦略的変更だと考えられます。


FSLへの信頼と価値の変化

Find Satoshi Lab(FSL)は、STEPN、Gas Hero、2184などを手がける企業です。過去には投機的な設計も見られましたが、最近は長期安定志向にシフトしているように見えます。

  • ドコモ、au、アシックス、Adidasとの提携

  • GMT Payを通じたMaster Cardとの提携

  • ステーブルコイン(GGUSD)を通じたAgoraとの提携

  • ゲーム本体だけではないインフラの構築

    • DEX(DOOAR)

    • マーケットプレイス(MOOAR)

    • ペイメント(GMT Pay)

    • 共通ID(FSL ID)

    • ステーブルコイン(GGUSD)

    • ゲームの入口(FSL Game Hub)

こうした実績は、FSLが「一発屋」ではなく、持続的なサービス提供を目指していることの現れでもあります。このような状態でFSLがラグプルしたり、短期で多くのサービスを終了することは極めて考えにくいでしょう。

であればこそ、ユーザー側も「一刻も早く回収しなければ損をする」という姿勢から脱却すべき時期に来ているのかもしれません。


ウォーレン・バフェットの言葉に学ぶ

"ゆっくりお金持ちになりたい人はいない"

「Getting Rich Slowly」IWM

これは、短期で利益を出そうとする投資家に継承を鳴らした言葉です。BCGの世界でも、この精神が求められているのではないでしょうか。

長期で価値を見極め、信頼できるプロジェクトにコミットする。
それこそが、BCGが次のフェーズへ進むための鍵だと私は考えています。


結論:原資回収日数という呪縛から解き放たれる時

原資回収日数を投資の良し悪しの判断に使うのはやめませんか?

  • 高利回り=高リスクであること

  • 持続可能な経済にはリターンの抑制が必要なこと

  • 信頼できる運営には、長期視点で投資すべきこと

これらを改めて理解し、短期志向からの脱却を図るべきです。

原資回収ではなく「長く楽しめるゲーム体験」や「価値を共有できるコミュニティ」が評価される。それがユーザーと運営の双方にとって望ましい形だと思います。

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