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ブロックチェーンゲームの冬を超えてSTEPNが生き残るための道筋

VCの投資額が示す厳しい現実

ここ数ヶ月の間に国内を含め多くのブロックチェーンゲーム(BCG)がサービスを終了し、業界に深刻な冬が訪れています。

この記事ではBCG市場が直面している厳しい現実を客観的なデータに基づいて分析し、その本質的な課題は何か、この長い冬を生き抜くための戦略はどこにあるのかを考えます。

データが示すBCG市場の厳しい現実

1年間のGMT価格の推移

最近、FSLのガバナンストークンであるGMTの価格が3円台まで落ち込み、多くのユーザーが不安を感じています。

しかしこれはSTEPNやFSLという、個別のプロジェクトや企業だけの問題なのでしょうか?

結論から言えば、答えは「ノー」です。これはBCG市場全体を覆う深刻なトレンドの一部なのです。

DappRadarのレポートデータを分析したところ、その現実は数字として明確に表れています。

BCGに対するVCの投資額の推移(DappRaderのレポートを元に作成)

2022年第1四半期、BCGとそのインフラへのVC(ベンチャーキャピタル)投資額は少なくとも25億ドル(約2,900億円)に達していました。しかし2025年第1四半期には、わずか9,100万ドル(約140億円)まで減少。たった3年間で投資額は96%も減少しているのです。

この数字をビットコイン相場と比較すると、さらに深刻さが浮き彫りになり
ます。

ビットコインの価格推移

2022年第1四半期のビットコイン価格は約4万ドルでした。それが2025年には10万ドル前後まで上昇し、約2.5倍になっています。つまり、暗号資産自体は伸びているのに、BCGへの投資は激減しているという状況です。

「GMTが下がるのはビットコインと連動しているから仕方ない」という声をよく聞きます。しかし、データが示すのは異なる現実です。問題はビットコインの価格変動ではなく、BCG業界そのものへの信頼低下なのです。

なぜVCはBCGから手を引いたのか

この数年で投資家が離れていったのはBCGのエコシステムに持続性が見えない点が大きな要因だと考えられます。

多くのBCGに共通する根本的な問題があります。それは「プレイすることで誰かの役に立っているわけではない」という点です。

通常のサービスを考えてみてください。食べ物を作れば誰かの空腹を満たせます。ITサービスを提供すれば誰かの生活を便利にできます。そこには明確な価値の創造と他者への貢献があります。

しかしBCGの多くは、ポチポチするだけでトークンが稼げる仕組みです。確かにトークンというお金は稼げますが、その行動は誰の役にも立っていないことが多いのです。

そもそもお金をもらえるのは、誰かがお金を払ってでも何かをしてもらいたいからです。価値のないものに誰もお金を出すはずがありません。

この本質的な矛盾に、市場やVCが気づき始めてきたのではないかと考えられます。

BCGサービスの相次ぐ終了

ここ最近、国内の多くのBCGがサービスを終了しています。JobTribesは約5年続いていましたが、先日サービス終了を発表しました。その他にもキャプテン翼 -RIVALS- やTOKYO BEASTなど、多くのサービスが姿を消しています。

VCが手を引き始めたことで、運営資金が続かなくなったプロジェクトが増えているのではないかと考えられます。

「ゲームの面白さ」では勝てない理由

最近サービス終了を発表した国産BCGとその背景について、NFT Mediaが記事を上げていました。

その中で、BCGが生き残るために必要な要素の1つとして「ゲームの本質回帰」、つまり面白いゲームを作れば良いという意見がありました。しかし私は、この路線では既存のWeb2ゲームに勝つことは難しいと考えています。

理由は3つあります。

1. 開発資金の圧倒的な差

大手ゲーム会社は莫大な開発資金を投入できます。しかもソフトの売上100%を開発に回せます。ユーザーにお金を還元する必要がないからです。

一方BCGは、売上の大半をユーザーに返さなければなりません。STEPNを例に取ると、NFTスニーカーの売買で運営が受け取れる手数料はわずか6%です。残り94%は売った人に渡ります。回っているお金に比べて、運営が受け取れる額が極端に小さいのです。

2. ゲーム開発ノウハウの差

お金をかければ面白いゲームが作れるわけではありませんが、ゲーム作りのノウハウは既存のゲーム会社が圧倒的に蓄積しています。

3. リソースの分散

BCGはゲーム開発だけでなく、エコシステムの設計・運営まで手を回さなければなりません。しかも大手ゲーム会社に比べて人員は圧倒的に少ないのです。

こうした状況で、ゲームの面白さで勝負しても勝ち目は薄いでしょう。

STEPNの現状と課題

そんな中、STEPNのGMTは3円台まで下落しています。

確かにFSL(運営)には改善すべき点が多くあると思います。

  • ユーザーの声をなかなか聞いてくれない

  • 本丸であるSTEPN、STEPN GOの改善をせず、周辺サービスをリリースする

  • Xなどでユーザーの気持ちに配慮しない発言をする

しかし、GMT下落をFSLだけの責任にするのは公平ではありません。BCG全体の相場が厳しくなっているのです。そもそも、BCGで成功して持続的にサービスを維持し、売上を伸ばし続けているプロジェクトがほとんど存在しないのが現実です。

FSLが他のサービスを展開する理由

FSLが新しいサービスを次々とリリースすることに批判的な声も多いです。「STEPNに力を入れてくれ」という気持ちはよく分かります。

しかし、これはBCGだけでは持続できないという危機感の表れでもあります。STEPN内だけではお金がぐるぐる回るだけで、新しい資金が入ってきません。外からお金を引っ張ってこようとしているのが、今の戦略だと考えられます。

STEPNが生き残るための道筋

では、STEPNはどうすれば生き残れるのでしょうか。私は2つのポイントがあると考えています。

1. 「他者貢献」の要素を組み込む

最も重要なのは、行動することで誰かの役に立つ仕組みを作ることです。

突き詰めれば、誰かの役に立つことをするのが「仕事」です。嫌なことでも誰かの役に立っているから、その仕事に意味があります。「誰の役にも立たないけど稼ぎたい」というのは、そもそも矛盾しているのです。

例えば、ウォーキングデータを健康研究機関や保険会社に提供する、住民の運動不足に悩む自治体にサービスを紹介するなど、社会的価値を生む要素を取り入れることが考えられます。

2. 「稼げる」から「健康」へのシフト

STEPNの最大の強みは、運動と健康という永続的なテーマに紐づいている点です。どんなに面白いゲームもいつか飽きられますが、健康管理は一生続けるものです。

「歩いて稼げる」をフックにすると、稼げなくなった瞬間に終わります。実際、そのイメージが一度ついてしまったため、「稼げないと意味がない」という空気が支配的になってしまいました。

しかし、ヘルスケアアプリにお金を払う人は、稼げるからではなく健康指標を可視化するために支払っています。「稼げる」は動機付けの一つとして残しつつ、健康アプリとしての価値を押し出すべきだと思います。

おわりに

ブロックチェーンゲームは厳しい冬の時代を迎えています。しかし、STEPNやSTEPN GOには他のBCGにはあまりない強みがあります。それは健康という普遍的な価値と結びついている点です。

稼げることだけに焦点を当てるのではなく、健康アプリとしての価値を磨き上げ、そこに適度なインセンティブを組み合わせる。そして行動することで社会に貢献できる仕組みを取り入れる。

この方向性こそが、STEPNが冬を超えて生き残るための道だと私は考えています。

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