STEPN Genesis「バイバック&バーン」発表:ユーザー反応の分析と今後の考察
2025年12月3日、FSLはSTEPNとSTEPN GOのGenesisスニーカーを市場から買い上げ、バーン(焼却)すると発表しました。
この記事では、ユーザーの反応を分析し、今回の施策について考察します。
発表の概要
FSLは、STEPN(OG)とSTEPN GOへの注力を明確にするため、市場に流通しているGenesisスニーカーを買い上げ、バーンする施策を発表しました。
🔥 GENESIS BUYBACK AND BURN 🔥
— STEPN GO (@Stepnofficial) December 3, 2025
Dear community,
We’re thrilled to share the beginning of something *big* for the long term… and it all starts this December:
🔥 We’ll be buying back STEPN and STEPN GO Genesis Sneakers, and every single Sneaker we buy will be BURNED!
This… pic.twitter.com/BZgSQPplfG
■ 今回の施策のポイント
・バイバック&バーンには相当な資金を割り当て
・透明性確保のため、バーン処理をオンチェーンで追跡可能なウォレットアドレスを公開
・バイバック&バーンは単発ではなく複数回に分けて実施
ユーザー反応の分析
Xでの公式発表に対するコメントやリポストを分析した結果、以下のような傾向が見られました。
肯定的意見: 約60%
否定的意見: 約30%
中立的意見: 約10%
全体として、肯定的な意見の方が多い印象でした。またマーケットでも、発表前は約10,000GMTだったSTEPN(OG)のGenesisのフロア価格が、現在(12/8)には約20,000GMTまで上昇しています。

肯定的な意見
1. 供給量減少による価値上昇への期待
Genesisの供給量が減少することで、1足あたりの価値が上がりやすくなるという評価が多く見られました。実際にフロア価格の上昇という形で、市場はポジティブに反応しています。
2. チームのコミットメントを評価
「注力する」と口で言うだけなら誰でもできますが、実際にバイバックという形で行動に移すことを評価する声が多数ありました。言葉だけの約束に終わらせず、運営の資金を投じて実行に移す姿勢が、本気でエコシステムを改善しようとしているのではないかという期待として受け止められました。
3. コミュニティの結束強化
今回の発表を受けて、「自分は売らずにガチホールドする」と宣言するGenesisホルダーも多く見られ、コミュニティの結束が強まった印象です。
否定的な意見
1. 透明性の不足
バイバックの具体的な数量や購入タイミングが明確でないことへの懸念が挙げられました。また、実際にバーンしたかどうかの証明を求める声もありました。
この点については先述の通り、FSL側も後日オンチェーンで確認できるようウォレットデータを公開すると述べています。ただバイバックタイミングや数量については、発表してしまうとその時点で売る人が出てくるため、戦略上公開できないのは理解できます。
2. 本質的な価値向上策の欠如
これまで散々アセット価格を下落させてきたのに、今更価格を釣り上げても、次のコラボなどで新規Genesisを出す時の価格を高くしたいだけではないか、という意見もありました。単なる価格操作ではなく、もっと本質的にGenesisの価値を上げる対策をすべきという声も多数見られました。
3. アプリ改善への投資を優先すべき
Genesisを買い上げるより、アプリの改善や機能面、サポート体制の強化に資金を投入すべきという意見も多くありました。
4. コラボ先への配慮不足
コラボシューズをバーンすることは、コラボ先に対して失礼ではないかという指摘もありました。これは確かにもっともな意見だと思います。
5. FSLへの不信感
そもそもFSL自体の不信感が溜まっているのに、また騙されるきっかけになるのではないか、という懸念も見られました。
施策に対する個人的評価
ポジティブな側面
今回の施策は、既存ユーザーに対しては概ねポジティブに受け止められたと言えます。運営が「STEPNとSTEPN GOに注力する」という姿勢を、すぐに実行可能な形で示したことは評価できます。
アプリ改善や新機能の実装などは時間がかかるため、すぐには実行できません。しかしバイバックは資金をかければすぐに実行できます。その意味で、姿勢を示す第一弾としてバイバックを選択したのではないでしょうか。
懸念点と今後への期待
ただし、これがベストな対策だったかというと、必ずしもそうとは言えないように思えます。いくつかの懸念点があります。
1. 恩恵を受けるのは誰か
今回のバイバックで実際に恩恵を受けるのは、Genesisを売却する人です。一方で忠実にガチホールドしているユーザーへの直接的な恩恵は限定的です。
これはかつてのGas Heroの損失補償に似ています。あの時もGas Heroを撤退する人に対して補償したわけですが、本当にサポートすべきは残ってくれる人たちだったのではないでしょうか。
もちろん、Genesisフロア価格が上がれば保有者の資産価値も上がりますが、それは含み益に過ぎず、売るまでは実現されない利益です。
2. ホルダーへの報酬ではなくエコシステム改善が目的
もし本当にGenesisホルダーに恩恵を与えたいなら、バイバックではなくエアドロップが効果的です。しかし今回バイバックを選択したということは、これはホルダーへの報酬というより、増えすぎたGenesisの供給量を調整し、エコシステムを改善することが主目的なのだと考えられます。
逆に言えば、ホールドしている人への恩恵は今後別の形で出てくるのではないかと期待しています。
Genesis数とユーザー数のバランス
他の方も指摘していましたが、問題はGenesisの数が多いのではなく、ユーザー数が少ないことです。
現在のGenesisの発行数はおよそ15,000足程度だと予測しています。
かつてSTEPNのユーザーがピーク時に約100万人いた頃なら、この15,000足のGenesisは希少性が高かったでしょう。なぜならこの比率なら、平均で1.5%のユーザーしかGenesisを保有できないからです。
しかし現在のアクティブユーザーは5万人程度、もしかしたら1~2万人程度かもしれません。そうすると、ユーザーの多くがGenesisを1足持てるくらいの数になってしまい、相対的な希少性が大きく低下しています。しかも普通のスニーカーと違いGenesisをバーンする人はほぼいないため、数は減らず増える一方です。
ユーザー数の変動に合わせてGenesis数を調整できない構造になっているため、運営がバイバックで数を減らすしかない状況だったのでしょう。
GMTやGSTではなくGenesisをバイバックする理由
「GMTやGSTをバイバックすべき」という意見もありましたが、GMTやGST保有者は必ずしもアクティブなユーザーとは限りません。STEPNをプレイせず、投資目的で保有している人も多いと思われます。
一方、Genesisは定期的なエアドロップの恩恵を受けるためにはムーブする必要があるため、保有者はプレイヤー属性が高いと言えます。その意味でも、Genesisのバイバックの方が、実際のユーザーに近い層をサポートすることになるのではないでしょうか。
新規ユーザー獲得に向けて
今回の施策は既存ユーザーにはポジティブですが、新規ユーザー獲得にはまだ課題が残ります。
トークン価格の重要性
全く知らない人がSTEPNを検討する際、最初に気にするのはトークン価格です。GSTやGMT価格がズルズル下がっているのを見たら、新規ユーザーは始めにくいでしょう。誰しも損をしそうだと思ったら始めてくれません。上昇とまでは言わなくても、せめて横ばいであることが望ましいです。
Web3から一般層へのアピールシフト
Web3やブロックチェーンゲーム(BCG)に興味がある人の多くはSTEPNを知っているのではないでしょうか。にも関わらず参入していないということは、今後も参入しない可能性が高いです。今後は一般の運動をしている人、健康に興味がある人などでWeb3やBCGを知らない人にもアプローチしていくことが重要ではないでしょうか。
健康面のアピール強化を
他のBCGにない強みとして、「歩くと健康になれる」という点があります。かつてFSLは健康やCO2削減などの話を積極的に発信していましたが、最近はトーンダウンしています。
国民が健康になって最も得をするのは医療費を削減できる国や自治体です。この方向性でのアピールも検討の余地があるのではないでしょうか。
まとめ
今回のGenesisバイバック施策は、既存ユーザーからは概ね好意的に受け止められており、運営の本気度を示す第一歩としては評価できます。
ただし、これで終わりではなく、今後も「新規ユーザー獲得」のための施策や、機能改善や新機能の追加、STEPNの本質的な価値である「健康」「運動習慣」など、「プロジェクト自体の魅力」を高めていく必要があります。
ただ、まだ注力を宣言してから1ヶ月も経っていないので、焦らず今後の展開を見守っていきたいと思います。
