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動物の共感する力

サリーとアンの課題というものがあります。
サリーとアンという登場人物の行動を基に、他者の視点(心の理論)を測る心理検査です。

課題の内容
①サリーとアンが同じ部屋にいる
②サリーがビー玉をバスケットに入れる
③サリーが部屋を出ていく
④アンがビー玉を自分の箱に移動する
⑤サリーが部屋に戻ってきて、ビー玉を取り出そうとする
⑥子どもに「サリーがどこを探すと思うか」「ビー玉は今どこにある
 か」「最初にビー玉はどこにあったか」を聞く

3歳児の多くはアンが移動した「箱の中にある」と答えます。これは自分が見た現実(ビー玉は箱の中にある)と、サリーの信念(ビー玉はバスケットの中に入れておいたというサリーにとっての現実)が異なることを理解できていないからです。
4~5歳になるとサリーの信念が理解でき「バスケットの中」と答えるようになるのです。

心の理論とは、他者の心を類推し、理解する能力です。

共感力はおよそ3歳くらいから芽生え、5歳ごろには確率していくといわれてます。これは2~3歳になると他者と自分は独立した内的状態を持つものと捉えられるようになり、4~5歳で少しずつ他者の心を理解できるようになり徐々に複雑な人間関係にも対応できるようになるからです。

では動物の世界ではこの共感力はどうなのでしょうか?

動物の世界でも「人の言葉を理解する」「人が出す指示に従う」「仲間を助ける」「道具を使う」など、人間と似た行動をする動物がいます。
チンパンジーやイルカ、ゾウなどの動物を思い浮かべることがあるでしょう。

犬は人の仕草や表情を読み取り理解したり、指示に従うことが出来ます。
飼い主の行動や表情をよく見ていて、嫌なことが起きる前触れを敏感に察知したり、過去の経験から飼い主がこうしたら次はこうするということがわかっているのです。人の言葉は200語以上覚えて理解していることがわかっています。

猫は短期記憶に優れているとされています。人は怖い体験をしても時間の経過とともに鮮明に思い出せなくなることがありますが、猫は一生覚えているようです。沢山の単語を覚えることもできます。飼い主さんがよく使う10~20語は完全マスター、訓練を受けた猫は犬と同様200語ほど覚えれられるそうです。

一般にチンパンジーは3~4歳、犬は2~3歳、猫は3歳、豚は3歳、カラスは7歳位の子どもと同じ知能があるといわれています。

もちろん個体差はありますが、動物には共感の能力があり、仲間の死を悼んだり、互いの感情を観察したりする様子が観察されているようです。

飼い主が悲しんでいるときに、動物がそっとそばに来て、寄り添ってくれたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

麻布大学獣医学部の研究グループは犬と飼い主の心拍の変動を詳細に観察し、飼い主の短い期間のストレスの変化を愛犬が察知し、共感することを明らかにしました。
人間の感情が、顔の表情といった感情表現を通じて伝わること(情動感染)は様々な研究で分かっています。

また慶応大学の渡辺茂氏の研究で、他者の不快が自分の不快になることを「負の共感」、他者の快が自分の快になることを「正の共感」、他者の快が自分の不快いに感じられる場合を「逆共感」、他者の不快を自分の快と感じるものをSchadenfreude(ドイツ語:日本語、英語で適当な語がなかったため)として4つの情動が動物で認められるかマウスを使って行った実験があります。

実験の詳細は省きますが、「正の共感」「負の共感」「逆共感」はマウスでも認められたそうです。一方Schadenfreudeについては認められなかったそうです。

アニマルコミュニケーションをしていても飼い主さんとの関係だけかもしれませんが、深い愛情とそれを基にした共感する力を感じます。

もしかすると私たちが考えているより、動物さんたちはもっと知能が高いのかもしれません。

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