NY Bar 受験記 ②対策各論(MBE)
今回はMBE対策について書きます。といっても日本人ノートを読んでThemisの講義を1回聞いてその後はひたすら問題演習を進めたのみで、特に変わった対策はしていませんでした(Themisを使っているのが日本人の中では少数派のような気はしますが)。
個人的には①インプットは分からない部分があってもとにかく1周早めに終わらせることと、②アウトプットの際知識が曖昧だと思ったら問題の解説のみならず該当分野のインプット教材を見直すことが重要だと思っています。
以下は各科目ごとの雑感です。
・Contract & Sales
Law Schoolで授業を取っていたので比較的楽でした。
Anticipatory repudiationへの対応(履行を待ってもいい)とDuty of mitigationの関係、ModificationとAccord & Satisfactionの区別が個人的に分かりにくかったです。
日本人ノートに関しては、細かい点ですが①Implied warranties of Merchantabilityの排除は口頭でもできるはず、という点が気になったのと、②約因のある二重譲渡について先行譲渡が優先するのは対抗力があるから、くらいの説明の方が分かりやすい気がしました。
・Civil Procedure
大変だった科目その1。
覚えることが多い上に、日本法にはあまり問題とならない論点(連邦制であることから生じる管轄の問題やディスカバリー等)も相応にあり、かなり苦労しました。MBEの問題演習でも最後まで7割超えなかった科目。
細かいルールを覚えきるのは現実的ではないので頻出論点について期限や可能なアクションを確実に覚えるのが重要だと思いました。
・Real Property
大変だった科目その2。こちらも、日本法と異なるコンセプト(将来の権利の考え方やRAP、Privity等)を理解し覚えるのが大変でした。
他方で物権法の考え方自体は法体系が違っても共通する部分も多いので、Civil Procedureほどではなかったと個人的には思います。
日本人ノートの記載に関して、Doctorine of worthier titleは2025年時点ではほとんどの州で廃止されているはず(most of the states have abolished the doctrine)。
なお、板持研吾先生の「アメリカ不動産取引法概説」が全体像や概念の理解にかなり役立ちました。下記からDL可能です。〈https://researchmap.jp/itamochi/published_papers/346777〉
・Evidence
前科立証(悪性格の立証)やHearsay(伝聞法則)等核となるコンセプトは割と日本法と共通なので、覚えることはそれなりにあるものの、個人的には勉強しやすい科目だなと思いました。
・Torts
これも勉強しやすい科目だな、と思いました。とはいえ、比較過失・寄与過失、Nuisance、動物による損害、不動産に対する侵害等、日本法と規律が異なる分野は相応にあるのて1つ1つ理解し覚えていく必要はあります。
・Constitution
大変さは中くらいだと思います。日本の憲法法理のもととなっている議論や、ロースクールのUS Law Introductionで扱った分野は比較的勉強を進めやすいんですが、日本国憲法に比べると歴史が長くその分(試験で扱われる)判例や議論も膨大にあります。
なお、憲法分野は最新の重要判例が一定数存在するので日本人ノートで勉強する際は別途確認する必要があるように思いました。
例えば、以下の最高裁判断等。
Dobbs v. Jackson Women’s Health Organization
Students for Fair Admissions, Inc. v. President and Fellows of Harvard College
Kennedy v. Bremerton School District
Moore v. Harper
・Criminal Law & Criminal Procedure
内容はそれなりにとっつきやすく感じましたが1科目で実体法と手続法両方含まれているので学習にはそれなりの時間がかかりました。
日本人ノートはよくまとまっていると思いますが、修正6条の陪審を受ける権利に関してRamos decisionが反映されていない点には留意が必要です。
次回はMEE+MPTについて書きます。
