番外編:定年退職に絡む話 | 年金の繰上げが怖かった理由と、数字を見て気持ちが変わった日
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「繰上げ受給はやめとけ」と言われて、私は立ち止まった。
年金の話を自分の条件で考えてみた「年金は繰上げだけは絶対にやめたほうがいいよ」
この言葉を、私は何度も聞きました。
年金の話題を出すたびに、まるで決まり文句のように返ってきます。
理由は、ほぼ同じです。
「繰上げ受給をすると、障害年金がもらえなくなる」
「もし病気になったら、どうするんだ」
言われるたびに、なんとなく不安になります。
年金の制度は難しいし、詳しく説明できる自信もありません。
だから最初は、「そういうものなんだろうな」と、深く考えないようにしていました。
でも、あるときふと、引っかかったのです。
この話は、本当に私にもそのまま当てはまるのだろうか?
不安なまま決めるのは、なんだか違う気がした
年金の話になると、
「損をする」「後悔する」「危険だ」
といった強い言葉が並びます。
でも、よく考えてみると、
それらはたいてい数字の話が抜け落ちています。
障害年金はいくらなのか。
老齢年金はいくらなのか。
その差は、どれくらいあるのか。
「もし病気になったら」という言葉だけが先にあって、
肝心の比較が、あまり語られていないように感じました。
そこで私は、一度ちゃんと調べてみることにしました。
障害年金は「病気になればもらえる」わけではない
まず知ったのは、
障害年金の受給要件が、思っていた以上に厳しいということです。
障害年金を受け取るためには、
初診日が年金加入期間中であること
保険料の納付要件を満たしていること
障害等級1級または2級に該当すること
といった条件があります。
特に気になったのが、障害等級でした。
仕事がつらくなった、
体調が万全ではない、
以前のように働けなくなった。
それだけでは、障害年金は支給されません。
「日常生活にどの程度支障があるか」という、かなり厳密な基準があります。
つまり、
「病気になったら障害年金があるから安心」
とは、必ずしも言えないのです。
自分の年金額を、具体的に見てみた
次に、老齢年金の金額を見ました。
私は、60歳まで国民年金・厚生年金をきちんと納めてきた、
ごく普通の会社員です。
現役時代の月給は、おおよそ30万円前後。
仮に、この条件の人を「Aさん」とします。
Aさんの場合、
老齢基礎年金は満額に近く、
そこに厚生年金(報酬比例部分)が上乗せされます。
細かい数字は人によって違いますが、
年額で見ると、200万円前後になるケースも珍しくありません。
ここで、私は少し驚きました。
「思っていたより、老齢年金って少なくない」
正直な感想です。
障害年金と比べてみて、気づいたこと
では、同じAさんが、
仮に障害等級2級に該当した場合はどうでしょうか。
この場合、
障害基礎年金+障害厚生年金が支給されます。
ただし、
こちらも金額は無制限ではありません。
条件によっては、
年額で150万円〜200万円程度になることもあります。
もちろん、生活を支える大切な制度です。
ただ、私が想像していた
「障害年金のほうが圧倒的に多い」というイメージとは、
少し違っていました。
条件によっては、老齢年金と大差がない。
場合によっては、老齢年金のほうが多い。
この事実を知ったとき、
「繰上げ=即危険」と言い切ることに、違和感を覚えました。
「もし病気になったらどうするんだ」と言われて思ったこと
繰上げ受給の話になると、
必ず投げかけられるこの言葉。
たしかに、怖いです。
将来のことは、誰にもわかりません。
でも、冷静に考えると、
病気のリスクは、年金だけで解決するものではありません。
貯蓄はどうか。
働き方はどうか。
生活費はどれくらいか。
それらを一切考えずに、
「障害年金があるから大丈夫」
と考えるのも、また危うい気がしました。
私が出した結論
私は、繰上げ受給を無条件に勧めたいわけではありません。
向いていない人がいるのも、事実だと思います。
ただ、
繰上げは絶対にダメ
選ぶ人は浅はか
後悔するに決まっている
そう決めつけるのは、違うのではないか。
今はそう感じています。
年金は、
誰かの正解を借りるものではなく、
自分の条件で考えるものだと思うからです。
最後に
年金の話は、どうしても不安が先に立ちます。
でも、不安なまま判断を人に預けてしまうと、
あとで納得できなくなる気がします。
ねんきん定期便を見る。
これまでの働き方を振り返る。
ざっくりでいいから、数字を知る。
それだけでも、
「よくわからないから怖い」
という状態から、一歩抜け出せます。
繰上げを選ぶにしても、選ばないにしても、
自分で考えて出した答えなら、
きっと後悔は少ないはずです。
この記事が、
誰かの判断材料のひとつになれば嬉しいです。
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