「崩壊する人」と「生き残る人」の違い|なぜ今、“安全に壊れる力”が必要なのか
「社会」が“変化”していると言うよりも、これまで「当たり前」だったものが、“崩壊”し始めている――そう感じている方も多いのではないでしょうか。
また、「社会」だけでなく、「職業」や「事業展開」、「商売」のやり方、「定年退職後の生活」に代表される「ライフプラン」においても、同じことが起きていると言っても、過言ではないでしょう。
これまでと同じく真面目に頑張っているのに、以前のようには結果(売上)が出せなくなって来た
AIによる職業代替により、「仕事」や「業界」の将来性が暗くなってしまった
夫婦二馬力で働かないと、マイホームの購入すら出来ない
「年金」だけでは生活が出来ないので、定年退職後も働き続けなければ、生活を維持して行けない
など、こうした変化は、10年前と比べて明らかに加速しています。
変化の速度が速過ぎて、変化に「適応」する前に、自分が置かれた“現実”と“世の中の変化”の歪みに耐え切れず、音を立てて「崩壊」して行くケースが増えている
ように感じます。
こんにちは。鏡月です。
私は「占い」を通じて数多の人々の人生を垣間見てきました。
その中で確信していることがあります。
「崩壊」はある日突然起こるのではなく、“間違った対応”によって加速する
のであり、
「崩壊」は、“能力不足”ではなく“戦略ミス”で起きる
ということです。
だからこそ私は、『人生設計』としての占いを通じて、戦略的に「崩壊」を回避する方法をお伝えして来ました。
人生にはどうしても、多少の「失敗」はつきものです。
しかし、大難を小難に、小難を無難にし、人生をより安定したものにするには、
再起不能になるまで無理を重ねて「大破(大難)」するのか、リカバリー可能な範囲で「安全に壊れる(小難)」のか
この“差”が、その後の「人生の立て直し」や、「再起」の可能性を大きく左右します。
そこで今回は、ダメージを最小限に抑え、次のチャンスへエネルギーを繋ぐための「安全に壊れる」という考え方についてお伝えします。
①人はどうして「間違った壊れ方」をしてしまうのか
人は「崩壊」から「再生」するまでに、ある程度共通した流れを辿ります。
①迷走・逃避・停滞
↓
②臨界点(崩壊)
↓
③現実の受容
↓
④一点集中(戦略的に絞る)
↓
⑤信用・実績を積み上げる
↓
⑥安定&飛躍のチャンスを得る
↓
⑦「過去の失敗」を資産化する
この一連の流れを妨げてしまう典型的な原因が、
「サンクコスト(Sunk Cost:埋没費用)」に対する執着
「サンクコスト(埋没費用)」とは、既に投じた「時間」や「お金」、「労力」のうち、今後どのような判断をしても回収出来ないものを指します。
何となく違和感を感じていても、
「ここまで頑張ったから」
「ここまでお金・時間・労力をかけたから」
「今更、引き返すわけにはいかない」
といった理由から、過去の投資や成功体験に執着するあまり、現状に合わない「非合理的な判断」を取り続け、結果的に「損失」を拡大させてしまう――。
こうした心理的な罠のことを、「サンクコスト(埋没費用)効果」や「コンコルド効果」と言います。
そして、厄介なのは、
「サンクコスト(埋没費用)効果」は、真面目で責任感が強い人ほど陥りやすい罠
だと言うことです。
違和感に気付いた時点で手を打てれば良かったものの、「結果が出ないのは、能力や努力が足りないせいだ」と変に「根性論」を持ち出して、「努力の方向性」を間違えてしまい、
より一層、過剰な努力をするものの、思ったような結果が出ずに疲弊してしまう
「あれもこれも…」と手を広げ、どんどん深みに嵌ってしまう
ということになり、結果的に自分を責めたり、周囲を責めるなど、悪循環に陥りがちです。
30代後半以降ともなると、多少なりとも「成功体験」や「キャリア」、「ライフスタイル」など“これまで積み重ねてきたもの”があります。
だからこそ、
「ここで決断を下さなければならない現実」
を受け入れることは、そう簡単なことではありません。
時には、「ここまで頑張り続けてきた自分」を否定されるような気持ちになることもあるかと思います。
かつてのやり方を変え、方向転換をすることは、自分を否定することではなく、新しいステージへの『伸びしろ』を確保すること
であり、それと同時に、
脱皮(卒業)
でもあります。
人は「崩壊」そのもので壊れるのではありません。
薄々ダメだと頭では理解しているのに、執着して撤退出来ず、被害を「致命傷(大難)」まで広げてしまうことで壊れるのです。
現実を冷静に受け入れ、傷口が浅いうちに「安全に壊れる(小難)」こと。
これが、その後の人生を安定させ、再起を果たすための非常に重要なポイントです。
では、「致命傷(大難)」になる前に、どうやって「崩壊の予兆」をキャッチすればいいのでしょうか?
②「崩壊の予兆」の見抜き方
「崩壊」は突然起こるものではなく、必ず「予兆」があります。
典型的なサインとしては、以下のようなものがあります。
同じように努力しているつもりでも、以前のように結果が出にくくなり、仕事に対するモチベーションが低下している
「会社の方向性」に対して違和感を感じることが増えた
仕事において、明らかに無理難題を強要されることが増えた
お客様一人あたりの「購入単価」や「客層」が変化した
収入(売上)が頭打ちになっているor徐々に低下している
職場において「優秀な人」がどんどん去って行き、社内の「人材の質」が明らかに落ちた
以前だったら何とか出来たものが、出来なくなって来た(例:同じ収入なのに家計が回らなくなってきたなど)
健康面での軽い不調(睡眠・胃腸・メンタル)
こうしたサインは、「仕事」や「日常生活」においてよくあることではありますが、実はそれが「崩壊の予兆」である可能性があります。
こうした「崩壊の予兆」にいかに早く気付けるか
が大難を小難に、小難を無難にするためのポイントになります。
「崩壊の予兆」に気付いたとき、人は「情報収集」や「相談」をして、自分の中の違和感が正しいのか・そうでないのかを確かめる行動に出ます。
「情報収集」においては、肯定的な情報・否定的な情報を一通りチェックすると思うのですが、問題は人に「相談」を持ち掛ける場合です。
「相談」を持ち掛ける場合、殆どの場合は、
上司・同僚
友人・知人
同業者
というケースが多いと思うのですが、
同じ会社・業界にいる場合は、「同じ環境(歪み)」の中にいるため、一歩外から見た俯瞰的なアドバイスが得にくい
相談された相手も「変化」を怖れているため、『現状維持バイアス』が働き、無意識に相手を自分と同じ場所に留めようとしてしまう
ため、
「今はしんどくても、ここは我慢の時だ」
「考え過ぎだ」
「辛いのはみんな同じだよ」
と、せっかく「崩壊の予兆」に気付けたのに、それに蓋をするようなアドバイスをされ(精神論)、「撤退」のチャンスを自ら封印してしまう…というケースは、決して少なくありません。
このような状況下で、アドバイスを求めるとしたら、
異業種の人
既に似たような経験を乗り越えた人
利害関係のない第三者
など、現在の状況を見て冷静に判断が出来る人が適切です。
「相談する相手」を間違えてしまうと、「崩壊の予兆」に気付いていながらも、結果的に「判断ミス」を招いてしまう
ことになりがちな点には注意が必要です。
また、「第三者」に相談を持ち掛けるにあたり、世の中の相談先は、大きく分けて「3つ」あります。
①制度サポート型(行政・ハローワーク・商工会など)
②一般アドバイス型(コンサル・経営者など)
③戦略設計型(本質的に方向を決める人)
それぞれの相談先の「役割」をざっくりまとめると以下の通りです。
①制度サポート型→制度・書類・失業給付・補助金
②一般アドバイス型→方向性の整理
③戦略設計型→本質設計
多くの人がやってしまいがちなことは、
「①制度サポート型」に「③戦略設計型」の相談を持ち掛けてしまうこと
その結果、「求めていたような答えは得られなかった」「大した事なかった」ということに陥りやすいということです。
これは、「相談相手」を間違えたというよりは、「相談先の役割」を誤認した結果です。
こうしたことにならないためには、「とりあえず相談に乗ってくれそうだから」と動く前に、
第三者に相談する際は、相談先の「役割」を認識した上で、自分の「目的」に合ったものを選ぶことが大切
です。
適切な相談先を選んでも、最後の壁になるのが『正常性バイアス』です。
これは、危機的な状況にあるにも関わらず、「自分だけは大丈夫」「このくらいまだ大したことはない」と事態を過小評価してしまう心理的な防衛本能です。
このバイアスが働くと、
『正常性バイアス』により、事態を過小評価してしまい、「まだ大丈夫」「何とかなる」と思ってしまう
↓
「撤退」の機会(小難)を先送りにしてしまう
↓
状況がより深刻化する
↓
物事が大破(大難)してしまう
という流れで、自らをより深刻な状況に追い込んでしまうことになりかねません。
だからこそ重要なのは、「崩壊しないこと」ではなく、「崩壊」を小さいうちに認めること
「ああ、もうダメなんだな」と現実を認めることは、身を切られるような痛みを伴うことでしょう。
しかし、誰のせいにもせず、この現実を丸ごと受け入れた瞬間(他責の終了)、あなたの『再生』はそこから始まります。
では、「現実」を受け入れた後、具体的にどう動けば「被害を最小限(小難)」に抑え、「安全に壊れる」ことが出来るのでしょうか?
③「小さく崩壊させる」ためにはどうしたらいいか
「崩壊」の過程において、多くの人は、「不安」や「恐怖」から、以下のような行動を取りがちです。
収入(売上)が落ちる
↓
不安になる
↓
手を広げる
↓
エネルギーが分散される
↓
結果が出ない
↓
自己否定or他責
↓
更に状況が悪化する
立場は違っても、“崩壊の仕組み”は同じです。
例えば、「会社員」が陥りがちな典型的なパターンを挙げるとすると、以下のようになります。
給料が低いor上がらない
↓
「転職サイト」や「エージェント」に登録
↓
「副業」や「投資」も同時進行で始める
↓
更に「資格取得」のための勉強も始める
↓
「あれもこれも…」と手を広げ過ぎて、結果、全部が中途半端な状態になってしまう
↓
精神的&肉体的に疲弊してしまう
「崩壊」のフェーズにおける適切な対処法は、
「手を広げる」のではなく「縮小」することで、「崩壊の範囲」を小さくすること(小難)
です。
「崩壊」を最小限に抑え、「安全に壊れる」ためには、以下の「6つ」のポイントを踏まえた上で、設計する必要があります。
(1)予め「撤退」の基準となるラインを引いておく(小さく負ける)
(2)「現実」をありのままに認める
(3)「選択」と「集中」
(4)「出費」を抑える(例:生活レベルを下げるなど)
(5)「信用情報」を守る
(6)一人で抱え込み過ぎず、上手に人を頼る
(1)予め「撤退」の基準となるラインを引いておく(小さく負ける)
「小さく負ける(小難)」ためには、予め「撤退」の基準(損切り)となるラインを引いておくことが重要です。
ここでポイントなのは、「感情」ベースだと判断が遅れる原因になるため、「数字」ベースで決めるということです。
「数字」や「期限」でデッドラインを決めておくことにより、感情を挟まずに機械的に動くための「心の防波堤」を設置することが出来ます。
「サービス残業」が常態化しており、「実質的な時給」が最低賃金レベルまで下がっている
会社の売上が年々減少しており、今後、回復する見通しもない
売上が○カ月連続で「○○円(例:損益分岐点となる金額など)」を下回ったらその事業・商品・サービスからは撤退
「生活防衛資金(生活費の3~6カ月分)」に手をつけ始めたらアウト
「住宅ローン」がある場合、現在の手取りに対して無理がある返済額になっている場合、売却・借り換え・繰り上げ返済を早めに検討する
こうした「撤退ライン」ですが、「崩壊」の最中に決めようとしても判断力が落ちているため、
余力があるうちに決めておくこと
毎年、1年に1回は「撤退ライン」をアップデートすること
がポイントです。
(2)「現実」をありのままに認める
自分が置かれている「現実」は、日々、刻々と変化しています。
「今まで何とかやってこれたのだから、この先も大丈夫だろう」といった『正常性バイアス』や「過去の成功体験」は一旦横に置き、
「現状の棚卸し」をすることで、「現実」をありのままに把握すること
は、「崩壊」のダメージを最小限にする(小難)ための適切な対策を取るにあたって、非常に重要なことです。
また、「現状の棚卸し」をする上で、もう一つ重要なポイントが、
「世の中のせい」「○○のせい」といった「他責」を抜きにして、「現実」だけをピックアップすること。
どうしても「他責」があると、現状認識に歪みが発生し、「現実」をより正確に認識出来なくなってしまいます。
この段階においては、あくまで「現実」を把握することがポイントであり、「憶測」を盛り込む必要はありません。
特に「崩壊」のフェーズにおいて、人は「現実を見たくない」という気持ちが強くなりがちですが、何かをやるにあたって、まず「現状」がどうなのかが分からなければ、対策の立てようがありません。
「認める=負け」ではなく、「認める=スタートラインに立つ」ということ
であり、そのための「現状の棚卸し」になります。
こちらも(1)の「撤退ライン」と同様、毎年、1年に1回は「現状の棚卸し」をすることをオススメします。
(3)「選択」と「集中」
「崩壊」のフェーズに入ったとき、自分が思う以上にエネルギーが枯渇しています。
そのため、何とかしようと「あれもこれも…」と手を広げ、タスクを増やすことは、余計にエネルギーを減らす原因になります。
今あるリソースの中で、「これだけは守り抜く」というものを一点に絞り、そこにリソースを集中させること
具体的には以下の対策などがあります。
お客様からのニーズが高い「主力商品」を中心にし、その他の商品・サービスを増やし過ぎない
「利益率が悪いもの」から撤退する
副業を増やし過ぎない
副業・投資・資格取得を全部同時進行でやっている場合、「一番可能性がある1つ」に絞る(あるいは「優先順位」をつけて一つずつやる)
不毛な人付き合いを減らし、「自分の時間」を確保する
「やること」を増やすのではなく、「やらないこと」を決める勇気が、『再生』への種火を守ることに繋がります(こちらも参照)。
また、「選択」と「集中」において、特に注意すべき落とし穴が「2つ」あります。
【落とし穴①】いきなり環境を「リセット」してしまう
多くの人がやってしまいがちなミスとして、
転職先がまだ見つかっていないのに、いきなり退職する
十分な計画やノウハウ、人脈もないのにいきなり独立する
準備が不十分な状態で「Uターン」や「Iターン」、「海外移住」をするなど、いきなり環境をリセットする
など、
いきなり環境を「リセット」してしまうこと
こうした「全部を一気に変える行動」は、一見すると前向きな決断に見えます。
しかし、準備不足の状態で環境を急激に変えてしまうと、逆に「ハードクラッシュ(大難)」を引き起こす原因にもなりかねません。
【落とし穴②】「一発逆転」を狙ってしまう
いきなり環境を「リセット」することよりも、「崩壊」リスクを上げてしまうのが、
「一発逆転」を狙うこと
「崩壊」のフェーズにおいて、人は「今の状況を何とかしなければ」という不安や焦りから、「一発逆転」を狙いがちです。
しかし、このタイミングで、
慣れない投資
怪しい副業
無理な事業拡大
「あれもこれも…」と手を広げる行為
に走ってしまうと、限られた「お金」「時間」「気力」が分散され、結果的に更に状況を悪化させてしまうケースは決して少なくありません。
「崩壊」の局面で重要なのは、「一発逆転」ではなく、「致命傷(大難)を避け、生き残ること」
であることを忘れないことが大事です。
それでは、「崩壊」のフェーズにおいて、何が正解なのか?と言うと、
“片足”を残したまま壊すこと
具体的には、
在職中に次の転職先を見つけてから転職する
「本業」を維持しながら「副業」を始める(例:週末起業など)
将来の独立に向けて、「アルバイト」でもいいので働きながらノウハウを蓄積する
支出を削減して「固定費」を軽くする
小さく試す(いきなり勝負しない)
といったことが、「安全に壊れる」ために非常に重要なポイントになります。
ややもすると、今の時代、
「副業」しろ
「稼ぐ力」をアップさせろ
「投資」はもはや当たり前
「スキルアップ」のために勉強を怠るな
「SNS」はやって当たり前
など、
“足し算”圧力
が非常に強いわけですが、
平時であればそれでも良いのですが、「崩壊」の局面において重要なのは、“足し算”ではなく、“引き算”
です。
(4)「出費」を抑える
「崩壊」のフェーズにおいては、
不確定な未来の「得」を狙うより、今手元にあるリソースを減らさない(守る)方が圧倒的に重要
なので、
「収入を増やす」よりも、「支出を減らす」方が、“自由度”と“生存確率”を上げる意味でも即効性が高い
です。
そのため、生活の基盤を少しでも軽くし、少しでも「手元に残る現金」を増やすために、単なる「節約」というよりも、以下の具体例のような「生活のダウンサイズ」を意識した対策を講じるのがオススメです。
無理に「投資」をしない
「学び」への過剰投資にストップをかける(例:「高額なオンラインスクール」や「ビジネス系の有料コミュニティ」などにお金を掛け過ぎない)
「固定費」を削減する(例:家賃・テナント料が安いところに引っ越す、住宅ローンや保険料の見直し、格安スマホの利用、サブスクの整理など)
「シェアリングサービス」を活用する(例:図書館の利用、カーシェアなど)
生活コストが低い「郊外」や「地方」へ引っ越す
「見栄」からの消費や「人付き合いコスト」を見直す(例:惰性の飲み会には無理に参加しないなど)
「中古品」や「リサイクル品」を活用する
「クレジットカードの年会費」や「ポイント目的の無駄遣い」を見直す
「外食」や「フードデリバリー」、「コンビニ」依存を減らし、「自炊」に切り替える
お金をかけずに楽しめる趣味を増やす(例:散歩、家庭菜園など)
特に注意していただきたいのが、
「固定費(毎月自動で出て行くお金)」が多いほど、人は「撤退」しにくくなる
という点です。
とりわけ、30代後半~50代は、
家族
住宅ローン
社会的立場
があるため、“連鎖崩壊”が起きやすいので、
「家族を守るために限界まで無理を重ねる」のは、一見美談のようですが、「共倒れ」のリスクを高める最も危険な『戦略ミス』です。
家や生活レベルを維持するために人生そのものを削るのではなく、状況に合わせて柔軟にダウンサイズする。
それこそが、最終的に家族を守り切るための賢明な決断です。
「生活レベル」を下げることに、抵抗がある方も多いと思いますが、
「生活レベル」を一度下げることは、『再起』のための「時間を買う」行為
であり、決して「負け」ではありません。
むしろ、「重荷を減らすための戦略的撤退」ですので、淡々と行っていただき、『再起』のための時間と選択肢を確保していただければと思います。
(5)「信用情報」を守る
「戦略的撤退」と同時進行でやっていただきたいのが、『再起』への足掛かりの確保です。
「信用情報」を守るためには、同時に以下の「3つ」も意識する必要があります。
①キャッシュフロー(現金)
→最低6ヶ月~1年分の生活費確保
②「信用情報」を汚さない
→住宅ローン・クレジットカード、奨学金、公共料金、税金の延滞を絶対にしない
③「生活基盤」を確保する
→「住む場所(住所)」を確保する
上記の「3つ」が守られれば、『再起』は十分可能です。
しかしながら、どれか一つでも崩れると、長期低迷します。
上記の項目の中で、一番重要なのが、
「信用情報」
です。
「信用情報」さえ無傷であれば、後からいくらでも打てる手があります(逆に「信用」を失うと『再起』のハードルが跳ね上がる)。
万が一、支払いが困難になりそうな場合は、滞納する「前」に金融機関や各種関係機関に相談することが重要です。
「事前相談」には応じてもらえる選択肢が残されていても、一度滞納すると交渉の余地が大きく狭まります。
そうしたことを踏まえて、「社会的信用」を守るために、やっておくべきことを「6つ」ご紹介します。
①まず「放置」しない
→「払えない」からと「連絡しない」方が危険
②早めに「相談」する
→「延滞してから」ではなく、「危なくなる前」に早めに相談する
③「税金・公共料金」は優先順位が一番上
→放置すると「銀行口座」や「財産の差し押さえ」が前触れなく執行され、結果的にクレジットカードでの決済が出来なくなるなどの連鎖崩壊を招くので、支払いの優先順位は最優先にすること
④「固定費」を減らす
→「信用」を守るために、“生活サイズ”を落とす
⑤「住宅ローン」や「自動車ローン」はギリギリまで耐えない
→「ボーナス頼み」や「貯金の切り崩し」、「消費者金融」に頼る前に、ローンの借り換えや売却をする
⑥「後払い」や「クレジットカード」、「電子マネーの借り入れ」頼みの生活をしない
→生活費を「借金」で補填し始めたら、“収入不足”ではなく、“生活設計”を見直す段階になっている
多くの人が「お金が払えないことを他人に知られたくない」というプライドから、誰にも相談せず放置し、ある日突然、「ブラックリスト入り(大破)」します。
「崩壊」の局面では、“資産”より先に、“信用”を守る
ことが重要です。
「この先、支払いが困難な状況になりそうだ」と分かった時点で、
「プライドを捨てて、公式の救済制度を使い倒す」こと
覚えておいてほしいのは、
「公式の手続きを経て返済を待ってもらうこと」と、「無断で滞納すること」は、天と地ほどの差がある
ということです。
「住宅ローン」も「奨学金」も「税金」も、払えなくなる一歩手前であれば、国や金融機関が用意した「正規の救済・猶予制度」が使えます。
これらの「正規の制度」を適切に利用している限り、あなたの「信用」を守れる可能性は十分にあります。
払えない現実をいち早く認め、「督促状」が来る前に自ら窓口へ行く。
この「恥を忍んだスピーディーな手続き」こそが、自分の未来の信用を守る最大の守護策(小難)になります。
(6)一人で抱え込み過ぎず、上手に人を頼る
「崩壊」の最中は、「不安」や「焦り」の気持ちが強くなり、「判断力」が下がります。
「孤独な崩壊」が最も回復に時間がかかる
ため、自分の外側に「客観的な視点(伴走者)」を持つ人を上手に頼ることが大切です。
先の「②「崩壊の予兆」の見抜き方」でもお伝えさせていただいたように、
「相談する相手」を間違えてしまうと、「崩壊の予兆」に気付いていながらも、結果的に「判断ミス」を招いてしまう
ため、「相談」するならば、
異業種の人
既に似たような経験を乗り越えた人
利害関係のない第三者
など、現在の状況を見て冷静に判断が出来る人が適切です。
また、「相談先の役割」を踏まえた上で、自分の「目的」に合ったものを選ぶことも重要です。
先程もお伝えさせていただいたように、世の中の相談先は、大きく分けて「3つ」あるわけですが、
①制度サポート型→制度・書類・失業給付・補助金
②一般アドバイス型→方向性の整理
③戦略設計型→本質設計
結論から言うと、「崩壊」のフェーズにおいては、「戦略」の立て直しが求められるため、最も適切な相談先は、
③「戦略設計型」のアドバイザー
になります。
しかし、多くの人は無意識に「②一般アドバイス型」を選んでしまい、結果的に傷口を広げています。
その理由は、それぞれが持つ「役割」にあります。
②一般アドバイス型→“足し算”ベースのアドバイスになりやすい(「勝ち方」を重視)
③戦略設計型→“引き算”も含めたアドバイスが出来る(「生き残り方」を重視)
平時であれば、「どう頑張って成果や収入を伸ばすか(勝ち方)」を教えてくれる「②一般アドバイス型」が正解です。
しかし、「エネルギー」も「判断力」も枯渇している「崩壊」の局面において、更に頑張らせる“足し算”のアドバイスは、あなたを追い詰める凶器になりかねません。
今必要なのは、個人や企業の「本質的な設計」に踏み込んだ上で、「どこで引くか(生き残り方)」を提示し、冷徹かつ客観的なブレーキを踏んでくれる「③戦略設計型」の存在です。
「目的」や「状況」に応じて、耳に心地よい言葉ではなく、「本質的なロードマップ」をくれる相談先を選ぶこと。
これが、「小さな崩壊(小難)」で踏みとどまれるかどうかの決定的な分岐点になります。
④崩壊→再生までの道のり
「小さく崩壊(小難)」させた後は、ここから『再生』へ向けて進めて行くわけですが、ここでのポイントは以下の「3つ」です。
①「スキル」の再定義
→「今後、自分は何で食べて行くのか」を明確化する
②「市場」との接続
→「世の中の需要」に合わせる
③「小さく稼ぐ」こと
→まずは「成功体験」を作ること
ここで多くの人がやってしまいがちなミスとして、
「今までの延長線上」で考えてしまう(例:「過去の成功体験」にしがみついてしまうなど)
「どういう仕事に需要があるか」よりも、「自分がやりたいこと」を優先してしまう
ということです。
昨今は「リスキリング(学び直し)」が注目されていますが、
「崩壊」のフェーズにあたっては、「世の中の需要」に合わせた上での「リスキリング」が重要である
という点に注意したいところです。
「昔は出来た」
「自分は本来ならもっと上だ」
「どうして自分がこんな仕事をやらなければならないんだ」
「今更「勉強」したところでどうなる」
といった「過去の成功体験」や「プライド」が『再生』への速度を遅くする原因になってしまいます。
ここは、『再生』を優先し、「自分が本当にやりたいこと(攻め)」は、『再生』が終わってからでも遅くありません。
と言うのも、「崩壊」からの『再生』のフェーズにおいて大事なことは、
プライドではなく“再現性”
だからです。
まずは「需要」があるところに一点集中し、『再生』への突破口を開く
これが『再生』への第一歩になります。
「一点集中」をして、ある程度の「成果」が出るようになると、
「信用」と「実績」
を積み上げるフェーズに入ります。
この段階では、まだ「守り」が大事なので、
「自分が本当にやりたいこと(攻め)」は、まだこの段階ではやらないというのが最大のポイント
です。
ここで「自分が本当にやりたいこと(攻め)」に出てしまうと、周囲やお客様に「あれ?」と疑問に思われてしまったり、「本業への集中」が乱れやすいので、この段階では決して油断しないことが大切です。
「信用」と「実績」が積み上がって来ると、少しずつ物事が「安定」し始めます。
物事が「安定」するようになると、ここでようやく周囲に「評価」をされ、「飛躍」のチャンスが得やすくなります。
「自分がやりたいこと」をやるとしたら、この段階に入ってからが最適
です(「②一般アドバイス型」のアドバイザーに相談するのに良いフェーズ)。
この頃になると、過去の「崩壊」の傷も、だいぶ癒えている頃だと思います。
落ち着いた日常が戻ってきた頃、過去を思い出すことも減っていると思いますが、ここでやって欲しいのが、
二度と同じような思いをしないためにも、「過去の失敗」を資産化(ネタ化)する
ということです。
一種の「ネタ」として周囲と共有することにより、「崩壊」を乗り越えた経験は、あなた自身にとっては「自信」となり、周囲の人にとっては「教訓」になります。
かつて失った数字や、手放さざるを得なかった過去の栄光――。それらは全て、あなたが次のステージでより強固な城を築くための「建材(資産)」へと姿を変えるのです。
そして、過去の経験を踏まえて、次の「崩壊」に備えたリスクヘッジが出来るようになる。
それによって、人は少しずつ、「崩壊しにくい人生」を作って行けるようになります。
それこそが、「崩壊する人」と「生き残る人」の違いです。
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