櫛島キャンプ場の復活を願う
近年の夏のキャンプは異常事態に見舞われています。3年ほど前から、7月・8月の酷暑の影響で、OUTERとしても開催しにくくなってしまっているのです。そんな夏キャンプから少し距離を置かざるを得なくなった頃まで、僕が毎年通っていた大好きなキャンプ場がありました。しかしそのキャンプ場が、今年ついに休業をしてしまったのです。

島根県大田市にある、温泉も湧く宿場町「温泉津(ゆのつ)」。歴史を感じる小さな街並みから車で数分走ると辿り着くのが、OUTERも日本一好きで10年以上通い続けていた「櫛島キャンプ場」です。谷間に潜むように広がるその地は日本海に面した岩場と、湾に囲まれた地形がつくる内海と外海の両方を楽しめる、秘境感に満ちたキャンプ場でした。

家族連れは穏やかな内海で水遊びを、大人は外海で素潜りや釣りを満喫できる。夜になれば岩場に腰かけ、満天の星空を迎えることができ、ここで愛を誓い合ったカップルも少なくない(と思います)。

キャンプサイトはわずか5~6組ほどしか入れない小さな規模。しかしその「狭さ」が逆に知る人ぞ知る特別な魅力を放ち、僕が惹かれ続けた理由でした。
そんなキャンプ場が2025年4月から休業していることを知ったのは、この6月のこと。事態を飲み込めず、大田市に問い合わせてみると、「櫛島キャンプ場は民間に委託して運営されてきたが、今年は管理を担う業者が現れなかったため休業に至った」との説明を受けました。
ここで少しだけ補足をすると──運営を引き受ける場合は、市からの管理委託という形になるそうです。基本は7月と8月の夏のハイシーズンに限り、市から月40〜50万円ほどの委託料を受け取れる仕組み。ただしその期間のキャンプ利用料はすべて市に収める必要があるとのことでした。一方で、それ以外のオフシーズンは委託料が出ない代わりに、キャンプ利用料はそのまま委託管理者の収入になるそうです。

さらに、SUPやテントのレンタル、薪の販売など「二次的な収入」は通年で管理者に直接入る仕組み。運営の工夫次第で、ただのキャンプ場管理以上に可能性が広がるのではないかと感じました。
コロナ以降に広がったキャンプブームで多くのグランピング施設や新しいキャンプ場が次々と生まれる一方、市町村が運営する地域密着型のキャンプ場は静かに閉鎖されていく現実があります。実際、櫛島以外にも僕が通っていた場所が閉じられてしまった例がちらほら見られるのです。
けれど、櫛島キャンプ場は僕にとっては毎年楽しみにしていた最高の海が感じれる癒しと明日を生きる力をくれる大切な体験でした。だからこそ「管理者がいない」という理由だけで消えてしまうことに、どうしても納得できないし残念でなりません。

無責任な言い草であることはもちろん、運営には労力も責任も伴いますし、経済的に簡単なことではありません。それでも、この場所に宿る唯一無二の価値を知る者として、ここが静かに幕を下ろしてしまうのを見過ごしていいのか、ずっと胸に問いかけ続けています。派手な演出や豪華な設備があるわけではありません。けれど、自然と人との距離が近く、ただ「外にいること」の喜びをダイレクトに感じられる。この小さなキャンプ場こそが、本当に守るべき場所なのではないでしょうか。
もしこの文章を読んで、心が少しでも動いた方がいたら──。自然を愛し、地域を愛し、この特別なキャンプ場を未来へとつなげたいと思う方がいたら──。どうか声をあげてほしいのです。運営の形はひとつではありません。地域や仲間と力を合わせれば、続ける道はきっと見つかるはずです。
僕ひとりの力ではどうにもならないことも、誰かの「やりたい」という想いが重なれば、再び火を灯せるかもしれない。櫛島の星空の下で人々が笑い合う姿を、これからも見ていたい。どうか、このキャンプ場を引き継ぎたい人はいませんか?

