自重トレで大腿四頭筋を使い分けよう。
臨床のリアルと迷い
外来リハで必須となるのが、自宅での運動指導。
ストレッチやセルフケアを教えることもありますが、多くの人は筋トレも教えることがあると思います。
大腿四頭筋は、その名の通り4つに分けられていますが、自宅での運動において、それらを分けたトレーニングの指導ができているでしょうか。
とりあえずスクワットから、対象の筋を狙った自主練習指導へ。
まずは自重でのトレーニングでの使い分けを学びましょう。
知見の整理と道標
今回は、男子アマチュアサッカー選手20名を対象に、7種類の一般的な自重下肢エクササイズ中における大腿四頭筋の各筋腹の筋電図(EMG)活動を比較した研究の紹介です。
最大随意等尺性収縮(MVIC)を基準として比較しています。
広筋群(内側広筋[VM]と外側広筋[VL])が強く活性化
ブルガリアンスプリットスクワット
バックワードランジ
大腿直筋が強く活性化
ロシアンベルト
バックワードランジ
通常のスプリットスクワットやハーフスクワットでは、大腿直筋の活動は16〜25% MVIC程度にとどまっています。
臨床への落とし込みと深掘り
この結果から、鍵となるのは「膝の安定性」と「膝伸展モーメントアームの長さ」の2つだと思います。
ブルガリアンスプリットスクワットやバックワードランジのように、片脚での支持や前後のスタンスを要求される種目では、骨盤や膝の左右へのブレを制御しなければなりません。
内側広筋(VM)は膝蓋骨を内側から引き留め、安定化に関わる重要な筋です。
トレーニングに不安定性を加えることで、これらの広筋群が活性化します。
大腿直筋を狙いたい場合は、ハーフスクワットを繰り返しても、十分な刺激になっていない可能性があります。
股関節と膝関節を同時に曲げるスクワットでは二関節筋である大腿直筋の長さが大きく変わらず、出力が抑えられてしまうことが原因です。
ロシアンベルトのように体重による大きなモーメントアームをかける構造が必要です。
個人的にはそもそも何を求めているかを考えます。
上記のように、膝の安定なら広筋群への働きかけも重要ですし、それぞれ筋を狙う必要があれば、その筋にモーメントアームがかかるように、膝の負担をあまり書けない場合は膝の角度に注意し両脚支持に、ヒンジ動作の獲得が主なら…。
といった形で、自主練習に何を求めるかが重要だと思います。
締め
なぜこの種目を行って欲しいか。
バイオメカニクスに基づいて言語化できるようになると、患者さんの自主練習の定着や効果に影響する可能性がありますね。
参考文献
Vera-Cartagena, Jesús, et al. "Comparative Analysis of Quadriceps Electromyography During Bodyweight Strength Exercises." Applied Sciences 16.16 (2026): 1940. doi: 10.3390/app16041940.
自体重筋力エクササイズ中における大腿四頭筋の筋電図学的比較分析
ではでは。
#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション
ご覧いただきありがとうございました。
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