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小胸筋のストレッチ、どれくらいやれば効果が続く?

参考文献

Umehara J, Nakamura M, Saeki J, Tanaka H, Yanase K, Fujita K, Yamagata M, Ichihashi N. Acute and Prolonged Effects of Stretching on Shear Modulus of the Pectoralis Minor Muscle
J Sports Sci Med. 2021;20(1):17-25. doi: 10.52082/jssm.2021.17

とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

小胸筋(pectoralis minor:PMi)は、肩甲骨の動きや肩の姿勢に関与する重要な筋です。この筋が硬くなると、いわゆる「巻き肩」や肩の可動域制限の原因となり、肩の機能不全を引き起こす可能性があります。

この研究では、小胸筋の硬さ(筋硬直)「剪断弾性係数(shear modulus)」という物理的な指標で測定し、ストレッチがそれにどう影響するかを調査しました。

研究は2つの実験に分かれており、

  • 実験Iでは、30秒×10セットのストレッチにおける即時的な(急性の)変化を観察。

  • 実験IIでは、ストレッチの回数(30秒×1セット vs 30秒×10セット)を変えて、ストレッチ後にどれくらい効果が持続するか(長期的変化)を比較しました。

結果としては、

  • 小胸筋の剪断弾性係数は30秒のストレッチで有意に低下(=筋が柔らかくなる)し、

  • さらに90秒(3セット)で追加の効果が得られることが示されました。

  • また、長時間ストレッチしたグループは、その効果がより長く持続していました。

ポイントと感想

30秒でも効果あり。

30秒のストレッチでも、剪断弾性係数は明らかに低下しました(-2.3kPa、効果量r=0.72)。
これは、短時間のストレッチでも小胸筋は柔らかくなることを意味しています。
しかし、90秒(30秒×3回)ではさらに低下(-1.0kPa追加)し、より効果的であることがわかりました。

つまり、「最低30秒、可能なら90秒」という目安を伝えることができますね。

個人的には、ストレッチ30秒ってやると意外と長い印象です。患者さんへの伝え方にも工夫が必要ですね。


ストレッチの「持続時間」

第2実験では、短時間のストレッチ(30秒×1)と長時間(30秒×10)の効果持続時間を比較しました。その結果、長くストレッチした方が、柔らかくなった状態が長く続いたという結果でした。

長期的な効果を得るためには、ストレッチの回数・頻度・タイミングの調整が必要です。
患者のライフスタイルに合わせて、ホームエクササイズとして継続できる方法の提案も欠かせません。

そういう意味では、今回のこの研究が生きてくる場面は、患者さんへのホームエクササイズ指導の場面でしょうか。
今日から生かしてみてくださいね。

ではでは。


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