標準体重の2型糖尿病には筋トレを。
参考文献
Kobayashi, Yukari, et al. Strength training is more effective than aerobic exercise for improving glycaemic control and body composition in people with normal-weight type 2 diabetes: a randomised controlled trial. Diabetologia. 2023;66(10):1897-1907. doi:10.1007/s00125-023-05958-9.
標準体重の2型糖尿病患者において、筋力トレーニングは有酸素運動よりも血糖コントロールおよび体組成の改善に効果的である:ランダム化比較試験
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
目的
BMIが25未満の標準体重の2型糖尿病患者は、脂肪量に対して筋肉量が少ない相対的サルコペニアを呈しやすい特徴があります。
この研究では、この集団に対して筋トレ単独(ST)、有酸素運動単独(AER)、両方の組み合わせ(COMB)のいずれが血糖コントロールおよび体組成の改善に最も有効かを検証することを目的としました。
方法
18~80歳、HbA1c 6.5~13.0%、BMI 18.5~25.0 kg/m2の2型糖尿病患者186名を対象としたランダム化比較試験です。
参加者はST群(週3回)、AER群(週3回)、COMB群(週2回の筋トレ+有酸素運動)の3群に割り当てられ、9ヶ月間の介入を受けました。
主要アウトカムはHbA1c値の変化量とされました。
結果
9ヶ月後の解析において、HbA1c値が有意に低下したのはST群のみであり、AER群やCOMB群では有意な変化は見られませんでした。
特にST群はAER群と比較して、HbA1cの改善が有意に大きい結果となりました。
体組成については、ST群のみが脂肪量に対して四肢の筋肉量を相対的に増加させており、この変化がHbA1c低下の独立した予測因子であることが示されました。
結論
標準体重の2型糖尿病患者においては、筋力トレーニングが有酸素運動単独よりもHbA1cの低下において優れていることが示唆されました。
血糖コントロールの改善には、脂肪減少に伴う筋肉量の維持・増加が極めて重要であると結論付けられています。
ポイントと感想
相対的サルコペニアへのアプローチ
糖尿病患者に対して、有酸素運動と筋トレの併用が最も効果的であるとされてきました。
今回ターゲットとなった標準体重の患者さんは、元々筋肉が足りない方が多いです。
インスリン依存性の糖取り込みの約80%は骨格筋で行われるため、体重を減らすこと(有酸素運動の主目的)よりも、糖の受け皿である「筋肉の質と量」を高める筋トレが、この集団には効果が出たと考えられます。
有酸素運動の注意点
有酸素運動群(AER)では体重が減少したものの、HbA1cの改善には結びつきませんでした。
有酸素運動によって脂肪だけでなく筋肉量まで減少したことが、代謝改善を阻害した可能性があります。
脂肪量に対する筋肉量が重要な指標になる可能性があります。
痩せるための運動ではなく貯筋するための運動を行うことも検討する必要があります。
トレーニングプログラム
この研究で用いられたメニューは、マシンを用いた一般的な8〜12RM程度の負荷設定です。
週3回、3ヶ月継続した時点でHbA1cに変化が認められました。
今回は自重でのトレーニング等は行われていません。
ジムの契約をしましょうか。
ではでは。
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