【5分で分かる中学社会】ヨーロッパ④EU 中1地理
前回はヨーロッパの言語について学びました。今回はヨーロッパの統合についてです。
今日は旅行からヨーロッパの特色を考えましょう。
1:ヨーロッパ旅行
ヨーロッパ旅行はとても便利です。ヨーロッパの国同士で旅行するときには、海外旅行では絶対に必要な「あるもの」がいりません。何だと思いますか?
↓↓↓(答え)↓↓↓
答えは・・・パスポートです。ヨーロッパでは、ほとんどの国でパスポートが不要です。ですから、「フランスでランチを食べて、ドイツでディナー」なんてことができるのです!
でも、なぜこんなことができるのでしょう?実は、ヨーロッパは歴史をかけて統合してきたのです。
2:ヨーロッパの統合
統合について考えるには、まず歴史を振り返る必要があります。ヨーロッパではかつて第二次世界大戦がおこりました。ヨーロッパは戦場となり、5000万人以上が亡くなりました。
この悲惨な戦争への反省から、戦争しない仕組みを地域で協力して作る必要がありました。
また、地図を見ると分かりますがヨーロッパは小さい国が多いです。1か国ではアメリカや中国などの経済大国に対抗できません。そこで、統合することで経済を強くしようとしたのです。

これらの背景を踏まえて1993年にマーストリヒト条約が結ばれ、EU(ヨーロッパ連合)が誕生しました。
ちなみに、このEUの前身はEC(ヨーロッパ共同体)と呼びます。(ECはEEC(欧州経済共同体)、EURATOM(欧州原子力共同体)、ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が統合してできました。これは高校レベルです)
EUには次のようなメリットがあります。
・パスポートなしで国境を移動できる。
・関税(かんぜい)がかからない。
※関税とは輸入品にかける税のこと。
・仕事に必要な資格が統一されている。
これらのメリットにより、人、モノ、サービスの移動が活発になり経済が発展しました。
また、最大の特徴としてEUは共通通貨(お金)を採用しました。それがユーロです。

共通のお金を使用しているので、両替が不要になり経済がさらに発展しやすくなりました。
また、EUでは国境が自由に行き来できるメリットを生かして交通網も整備されました。
イギリスとフランスはユーロトンネルという海底トンネルでつながっています。ユーロトンネルにはユーロスターという鉄道が走っています。
他にも、EUでは国際高速鉄道ネットワークが整備され、フランスのTGVやドイツのICEといったヨーロッパ版の新幹線が走っています。
EUは徐々に拡大し、現在は27か国が加盟しています。

3:EUの問題点
さて、メリットが多いEUですが、実は問題点もあります。
ここでは4つ紹介します。
1つ目はEU内の経済格差が大きいことです。EUの経済大国はドイツです。豊かな国は西ヨーロッパに多いのです。一方、東ヨーロッパや南ヨーロッパはまだそこまで発展していません。
EUの経済政策は、経済が弱い国にとっては厳しいことが多いのです。
2つ目はユーロの問題です。ユーロは便利なのですが、自国だけでユーロの価値を調整できないことが問題になっています。
これは経済の話ですが、実はお金の価値は一定ではありません。(円安や円高という単語を聞いたことがありますか?)国は景気に応じてお金の価値を調整する必要があるのですが、ユーロだとそれが難しいのです。
ですからEUに加盟しているのにユーロを採用していない国もあります。(デンマークやスウェーデンなど。)
また、ポーランドやハンガリーなど経済が未発達の東ヨーロッパの国は条件を満たすことができず、ユーロを使えません。
3つ目の問題は移民です。EU内では移動が自由になったので、貧しい東ヨーロッパの地域から豊かな西ヨーロッパの地域へ移民が増えました。
その結果、仕事の奪い合いや文化的な対立、治安の悪化などの問題が起こり、対立が起きてしまいました。
4つ目の問題は主権が弱くなることです。主権とは「自分たちの政治を自分たちで決めること」でしたね。(主権の記事参照)
EUに加盟すると、EUのルールを自国のルールよりも優先しなくてはならないことがあります。つまり、自分の国のことなのに自由に決められないのです。
これらの問題の結果、なんとEUからイギリスが離脱してしまいました(2020年)。これをブレグジットと呼びます。
イギリスでは移民が増えすぎたことやEUのルールに対する反発などが高まり、国民投票でEUからの離脱を決定したのです。(ちなみに離脱派は51.9%、残留は48.1%でした。)
イギリスはEUと決別し、独自の道を歩むことになりました。
4:まとめ
ここまでの学習をまとめましょう。
・ヨーロッパはEUによって統合している。
→1993年:マーストリヒト条約
→EUはECから発展した。
・背景
①第二次世界大戦への反省
②経済を強くしてアメリカや中国へ対抗
・EUのメリット
・パスポートなしで国境を移動できる。
・関税(かんぜい)がかからない。
・仕事に必要な資格が統一されている。
・共通通貨のユーロを採用。
・EUのデメリット
・EU内の経済格差が激しい
豊:西ヨーロッパ
貧:南、東ヨーロッパ
・自国のみでユーロを調整できない
・移民問題
・主権が弱まる
☆その結果、イギリスはEUを離脱
次回はヨーロッパの農業について学びましょう。
練習問題はこちら
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