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「古代」ってどんな色?(100年前のマクラメ)

 皆さまこんにちは、 owarimao です! 昭和初期のマクラメブームを再現する「100年前のマクラメ」プロジェクトに、一人で取り組んでおります。

 いま作っているのは、3作目の巾着袋です。下のような模様ですが、あなたなら何色を選びますか?

 本の中に指定してある色は「藍鼠」と「クリーム」です。
 今回は「和風」を強調したくて、紫を選んでみました。大正から昭和初期の、和洋折衷の雰囲気が好きなんです。

切りそろえるのが大変

 下は「紐通し」を作っているところ。少し長く切った糸の中央に「タティング結び」でアーチを作っておいてから、水平の芯糸に取り付けます。

 「タティング結び」は比較的新しい技法らしく、この時代(昭和初期)の本には出てきません。かわりに下のようなやり方がしてあります。タティング結びのほうが作りやすいので変更しました。

このやり方だと ねじれる
「紐通し」は12個作る
思ったより大作になりそう

 野心的な配色じゃないけど、紫の濃淡は、やっぱり間違いのない美しさです。写真では白っぽく映りがちですが、実際はもう少し濃い色だと思ってください。
 昔の人はこれを「花菱模様」と呼びました。菱の中の花模様は、8本もの芯糸を両脇の2本で一気に束ねて結びます。透かしの部分が多くて涼しげな感じになります。

立体感もイイね

 暑さや肩こりと闘いながら、今日の午前中にここまでたどりつきました。筒状にしてしまうとちょっと作りにくいので、できるところまで平面で作ってから筒にする予定です。

まだ半分もできてない
じゃないか

 ところで前回「昭和初期に『青磁色』が流行っていた」という話を書きました。
 古いマクラメ本には、今ではあまり聞かないような色の名前がたびたび登場します。
 このバイカラーの羽織紐は「古代と白」の組み合わせですが、「古代」って何?

 「古代」とは「古代紫」の略です。紫草ムラサキの根を使った「紫根染め」の色で、少し赤味を帯びた、くすんだ紫になります。江戸時代に流行した「江戸紫」と区別する意味で「古代紫」と呼ぶそうです。

 本の中では単に「古代」と呼んでいることから、当時はポピュラーな色名だったことがわかります。
 下の巾着は「納戸紫」……ダークブルーの一種である「納戸色」の紫がかった色です。一般に「藤納戸」と呼ばれます。

 下の「アジロ模様の銀貨入れ」は「江戸紫と薄藍」

 「江戸紫」は、青と赤の中間に近いですが、わずかに青寄りです。いま私が使っているのも「江戸紫」だったんだ……。
 100年前の日本人は、いまとは違う色の世界を生きていたようです。

 ところで余談ですが、福岡県に「紫」という地名があるのはご存知ですか? 「紫駅」という駅もあります。

所在地: 福岡県筑紫野市紫二丁目

 この駅に降りたことはないのですが、特急列車で通過したことがあります。「あっ『紫』っていう駅がある!」と強く興味を引かれました。
 私は紫式部にゆかりのある土地で育っているので、「紫」という文字に敏感なんです。   (過去の私の記事↓)

 調べてみるとこのあたりは、紫色の染料になる「紫草」が多く生えていたとか。そもそも「筑紫」の紫の字も、そこから来ているそうです。
 すると「紫駅」の紫は、正確には「古代紫」なんですね。




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