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【逆転戦記】未経験経理|部門別利益管理とアメーバ経営

この物語は、25歳工場派遣からブラック企業へ転職し、38歳で一度は会社から逃げ出した経理担当者が、管理職という立場を捨て、未経験で会計システムの設計という新天地へ挑むまでの逆転の記録である。

第6話は、人生の転換点。会社に対して斜に構えていた32歳の私は、社長の指示で外部セミナーに参加することになる。そこで私の働く姿勢に変化が訪れる。

【逆転戦記 第6話】

6カ月にわたるセミナーの卒業式。

「この会社の取締役になる」

と社長の前で宣言した私は、経理以外の仕事に対しても自分毎のよう捉えられるようになっていった。

次第に、多くの仕事を任されるようになる。

取引銀行や保険会社、さらには証券会社の窓口を任され、借入金や役員保険、保有株式の管理を任されるようになった。

そして、経理担当者として周りの信頼を獲得し始めると、営業担当者から受注や入金の報告を私にしてくれるようになった。

10年、20年後の会社の行く末に不安を感じていた私は、30代・40代の幹部候補生をメンバーとした勉強会の開催を社長に提案した。

その勉強会を通じて、部門を跨いだ横の繋がりを強めながら、論理的思考力や営業の仕方を皆で学んだ。また、会社の決算数値を題材にした会計の勉強会も企画して実行した。

自分にできる業務範囲が広がっていった頃、社長からある課題を与えられる。

「部門別の利益管理がしたい。管理会計を強化しよう!」

今までも部門別の利益管理はしていたのだが、それは売上高から売上原価を差し引いた「粗利益」での管理だった。

その粗利益から部門の人件費や本社経費も加味した「営業利益」での業績管理をしようというものだった。

さらには、稲盛和夫氏の「アメーバ経営」を取り入れたいという意向だった。私は自分でアメーバ経営の書籍を購入し熟読した。そして、部門別管理の仕組みに取り入れることを思索した。

アメーバ経営とは、会社組織をアメーバという小さなグループに細分化し、各組織が独立採算で運営を行なう経営管理手法である。

各組織の採算性の向上や経営感覚を持つ人材の育成などのメリットが期待できる。

私が考えるアメーバ経営の最大のメリットは、

「アメーバという組織単位毎に経営者の視点を持った人材が育成される」

ということだった。

「この仕組みを導入して成功すれば、部門毎に経営者が育っていくようなものだ。この会社はもっと強くなれる!」

そういう未来をイメージして、このプロジェクトは社長と私の2人で進んでいき、素案として検討可能な段階で、部門長を巻き込んだ検討会に突入していく。

ベースは部門別の営業利益管理であったが、アメーバ経営の要素も取り入れた。

例えば、工事の見積書を作成する積算部門に、営業部門が見積書の作成を依頼する時には、「社内間取引」として営業部門が積算部門へ代金(利益)を支払う形式をとる。

積算部門にも社内としての売上が計上され、自部門の人件費や本社経費を負担した後の採算が可視化できるという仕組みだった。

また、部門別の営業利益管理でポイントになってくるのが「共通費の配賦」である。

本社の賃料や管理部門の人件費などの会社全体にかかってくる「共通費」をどの基準で各部門に負担させていくか?

その配賦基準を決めるのに骨を折った。

配賦基準としては、各部門の売上高や粗利額、社員の人数などが候補になっていくのだが、そこに正解というものは無い。

正解が無いから、多くの人が納得する論理を持って配賦基準を決定していかなければならなかった。

部門長を交えて何度も検討を重ねた。

そして、検討開始から約1年後。配賦基準と社内間取引の仕組みは完成した。

社長から部門長へこう宣言される。

「次回から営業利益を基準に業績を管理し、評価していく」

1年程の検討を重ねて完成した部門別利益管理。その導入に期待を寄せる私であったが、そこには思わぬ結末が待ち構えていた…

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なお、私が部門別の営業利益管理の仕組みを検討する際、稲盛和夫氏の「アメーバ経営」の要素を取り入れました。この導入が成功したその先には、経営感覚を持った社員が待っています。以下の書籍は私が実際に熟読した書籍です!

この物語は、25歳工場派遣からブラック企業へ転職するところから幕を開けます。逆転戦記を始めからご覧になりたい方はこちらへ。


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