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現場からみた属人化の現実②〜一人製造担当の限界|なぜ“忙しいのに終わらない工場”になるのか〜


1.はじめに:一人製造は珍しくない

中小製造業の現場で、「ずっと忙しいのに、なぜか仕事が終わらない」
そんな感覚を持ったことはないでしょうか。

私自身、現在は実質一人で製造工程を担当しています。

そして感じたのは、問題の本質は「作業スピード」ではなく、段取りが維持できない構造にあるということでした。

現在、私が勤務している会社は、
・経営者(男性)
・経理(経営者の配偶者)
・事務兼ネット業務受付担当(女性)
・現場担当(男性)
・工場・製造担当(私:男性)
の合計5人の零細企業です。

業種としては、広告塔や看板、室名プレートを手掛けていますが、規模の大きな案件でない限り顧客とのやり取りから現場の施行まで現場担当もしくは経営者が行います。
製造担当の私は、
・既製品の室名プレート製造(メイン作業)
・経営者が担当する案件
・現場施行
・その他の特注品の製造
を受け持ちますが、各人が連携をとる事はほぼなく、スケジュール的に調整を行う人が居ない為、年末及び年度末は製造作業が集中します。

少し前は、もう一人工場・製造担当の人が居たのですが、高齢の為退職しました。
その時、何の引き継ぎも行わずに、突如退職した為、様々な問題が顕在化している状況です

結果として、製造工程が個人依存になっています。

2.一人製造で起きる5つの問題

① 段取りがすべて一人に集中する

製造では
・仕様確認(寸法や色、材質などの確認)
・材料確認(不足する場合は、発注)
・工具準備(機器の整備も含む)
・加工、組み立て
・片付け
段取りとは作業の半分以上を占める仕事です。
そしてそれらを一人で、** すべて同時に考える **必要があります。

② 優先順位の調整役がいない

誰も整理しないので
・割込み
・急ぎ対応
・作業変更
が起きやすくなり、結果として段取りが崩れる事が多くなります。
つまり、現場で意思決定が分散している状態です。

③ 作業の見積もりが理解されにくい

外から見ると「作業している時間」しか見えませんが、実際は、段取りに最も時間がかかるため、成果が見えにくくなります。
その為、
・作業が遅い
・怠けている
などの誤解を受けやすくなります。

④ ノウハウが完全に属人化する

これは危険です。
・作業方法
・工具選定
・手順
全部個人に依存します。
その為、他の社員や臨時作業者に作業を任せにくくなってきます。

⑤ トラブル対応が全部自分になる

・機械トラブル
・材料不足/入荷遅れ
・作業ミス
・顧客都合による再作業や追加作業
など、工場内で完結できるトラブルは、一人で対応しなくてはなりません。

3.一人製造が破綻する条件


4. なぜこの状況が続くのか

では、破綻しやすいと分かっていてなぜこの様な状況になるのでしょうか?
企業によって様々ですが、下記の様な原因が考えられます。

・人員余裕がない

 場合によっては、複数業務を兼任して手が足りていない。
 私の場合は、製造工程だけでなく、材料の発注、現場施行を兼任しているため、そもそもの作業時間が取れない事があります。

・設備が古い・充実していない

 自動化する為の設備への投資などが行われていないと、作業工程を減らしてたり並行して作業するなどの効率化が図れない。

・製造が見えにくい

 作業工程を把握、理解していないとどの作業を優先すべきか、作業がどこまで進んでいるのか、中断した際にどの程度無駄が生じるのか理解されない。

・管理が弱い

 生産計画や工程管理などが行われないと中断した製造作業が積み重なり、さらに無駄が生じてしまいます。

・仕事は回っているように見える

 期日通りに納品され、それなりに売り上げなどがあると数字上では問題なく見えてしまい、当事者以外は問題視しなくなってしまいます。

・問題が表面化しない

 製造担当者が努力すればするほど、問題が潜在化してしまい、気がついたときには手遅れになってしまうこともあります。

これらに共通するのは、「個人の努力で吸収されてしまう構造」であることです。

5. 改善できるケース

製造に理解のある企業であれば、具体的な提案を行うことによって改善されることもあるかと思います。
例えば、

・指示の取りまとめ

 複数からの要求を取りまとめて、生産工程を乱さない様に優先順位を付け、イレギュラーがない限りは優先順位を変えない様にする人員やルールを設ける。

・作業可視化

 現状がどの様な状態なのか可視化し、必要に応じて一時的な増員や納期調整などの対策が取れる様にする。

・外注ライン

 コスト的に成り立つ前提ですが、製造を外注にすることで製造作業者の負担を減らす。
 ただし、場合によっては、製品価格の見直しなどが必要になることもある為、ハードルが高いかもしれません。

などが考えられます。
業界や製造品目などによって細かい対応方法などは変わるかと思いますが、周囲に理解を深めてもらいながら、作業者の負担を減らす方法を提案してみてはどうでしょうか?
ただし、これらは組織として動く意思がある場合に限られます。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

ここまでの内容は、「なぜ一人製造が苦しくなるのか」の整理です。
ですが実際の現場では、
・改善提案が通らない
・理解されない
・むしろ評価が下がる
といったケースも多いのではないでしょうか。
その原因が分からないまま働き続けると、
「自分の能力が足りないのではないか」と感じてしまうこともあります。

この先では、「改善できない職場で自分を守る具体策」として
・実際に使っている記録テンプレ
・評価を落とさず負担を減らす動き方
・精神的に消耗しない考え方

を、より具体的にまとめています。
同じ状況で悩んでいる方の参考になればと思います。

6. 改善できない場合(重要)

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