突然の地震で犬と猫が取った行動とは...
季節は五月三日の日曜日。ゴールデンウィークの真っ只中である。
朝の散歩に出ると、空はどんよりとした曇り空で、今にも雨が降り出しそうな気配だった。ソファーで堂々としていたきゅうちゃんは、ストレッチを始めたので行く気があるのかと思いきや、こっそりこたつの中へ隠れてしまった。どうやら雨を察知して、今日は行きたくないらしい。というわけで、きゅうちゃんはお留守番。はっちゃんを連れての散歩となった。
しかし、僕の頭を占めていたのは、昨日突如として発生した「我が家の地震パニック」のことである。
昨日の昼間、僕が二階で仕事をしていると、突然ガタガタガタッと家が揺れ始めた。
最初は「はっちゃんが一階で暴れて家を揺らしているのかな」と呑気なことを考えたのだが、どうも揺れ方が違う。やっぱり地震だった。
その時、布団の上で昼寝をしていたじゅんちゃんが飛び起き、「にゃー! にゃー!」と大慌てで僕のところへ走ってきた。あまりに必死なので、一緒に一階へ降りると、そこにはすでにはっちゃん、きゅうちゃん、茶太郎が身構えていた。
はっちゃんが「おい、今のは何だ?」という顔をすると、じゅんちゃんは「にゃーにゃーにゃー!」と、どう見ても地震の説明をしている。
すると今度は、はっちゃんが「バギーを持ってこい!」と言い出した。
僕は慌てて、おもちゃの消防車を持っていった。
違う。
そういう意味じゃなかった。
「それじゃ避難できるわけないだろ!」
そんな顔で見られたので、慌てて本物のバギーを持ってくると、じゅんちゃんと茶太郎が真っ先に乗り込んだ。
結局、大きな被害はなく、みんなで外を確認して無事終了。少し怖かったけれど、結果的にはいい避難訓練になった気がする。
そのあと、せっかくのゴールデンウィークなので、おもちゃ部屋を開放した。
きゅうちゃんは消防車を見つけると、「ワン!」と鳴いて乗せろと催促する。
乗せてあげると、今度ははっちゃんが「僕も乗る」と言い出したが、さすがに体格的に無理だった。
きゅうちゃんは嬉しそうに消防車で走り回り、一時間ほど遊ぶと、みんな揃ってソファーで昼寝を始めた。
僕が仕事をしていると、珍しく茶太郎とじゅんちゃんが迎えに来た。
「何かあったのか?」
そう思って一緒に行くと、消防車の上にちびはっちゃんのぬいぐるみがちょこんと乗っている。
三匹はその周りで大騒ぎしていた。
「おい、あいつ無免許なのに運転しようとしてるぞ!」

そんな空気である。
すると次の瞬間、きゅうちゃんがちびはっちゃんをつまみ上げ、そのままポイッ。
あまりにも容赦がない。

ところが、その隙を見逃さなかったのが茶太郎だった。
空いた消防車へ飛び乗ると、
「僕を押せ!」
と言わんばかりにこちらを見る。
この消防車、押し続けると結構腰にくる。
それでも押してあげると、茶太郎はご機嫌で部屋中を走り回り、「火事はどこだ!」という顔をしていた。
嬉しいことに、はっちゃんの下痢はほとんど治り、じゅんちゃんも病院の点滴が効いたのか、すっかり元気になっていた。
庭を見ると、桃はどんどん大きくなり、リンゴも実ができそうな気配である。白いモッコウバラは満開。赤いバラは相変わらず「もう咲く」「まだ咲かない」を繰り返していた。
さて、朝ご飯である。
今日は炊き込みご飯、卵二個のふっくら焼き、小松菜、アジフライ、納豆、ヨーグルト。
まずはアジフライ。
……うますぎる。
炊き込みご飯。
……うますぎる。
小松菜も、卵も、朝から最高だった。
食べ終わって買い物へ行くと、野菜が思いのほか安かったので、ついつい買い込みすぎてしまった。
そして、最後にどうしても我慢できず、大学芋まで買ってしまう。
家へ帰ると、みんなが玄関まで迎えに来てくれた。
さっそく大学芋を一つだけ食べるつもりで口へ運ぶ。
……うますぎる。
もう一つ。
これで最後。
……もう一つだけ。
地震で少し胃は痛くなったけれど、みんなが元気に騒いで、美味しいものを食べられる一日だった。
そして大学芋だけは、最後まで僕の理性に勝ち続けたのである。

