五月病だった犬が、一瞬で元気になった理由…
https://youtu.be/2zBRGzkQA_w?si=O-JCX5YgHzgnUHPO
1.一日遅れの五月病…
五月八日、金曜日。
空はどんよりとした曇り空。今にも晴れそうで晴れない、なんとも煮え切らない天気だった。
大型連休の楽しかった余韻を引きずり、現実になかなか戻れない人の気持ちを、そのまま空が表しているようでもある。
そして我が家でも、見事な「五月病」が発生していた。
本日の主役、トイプードルのきゅうちゃんは、ソファーの上で「今日は一歩も動きません」という強い意志を全身から漂わせている。
昨日はあれほど張り切って散歩へ行ったというのに、どうやら一日遅れで五月病がやってきたらしい。
朝ご飯も「いらない」と食べず、お気に入りのエビのぬいぐるみを抱えたまま寝たふり。

じゅんちゃんが見回りに誘っても知らん顔。

さらに階段の下を見ると、はっちゃんまで狭い隙間に入り込み、
「本日は休業します」
と言わんばかりのストライキ中だった。
ところが犬というのは面白い。
こちらが本気で諦めようとした瞬間、
「そこまで言うなら行ってもいいけど?」
という顔で突然立ち上がり、入念すぎるストレッチを始める。
前足、後ろ足、背中をゆっくり伸ばし続けること約十分。
「長すぎるぞ!!」
そうツッコミたくなる頃になって、ようやく散歩へ出発となった。
散歩をしながら思い出したのは、昨日の午後の出来事だった。
はっちゃんときゅうちゃんが急に僕を見上げ、
「二階へ連れて行け」
と訴えてきた。
抱っこしておもちゃ部屋へ連れて行くと、じゅんちゃんと茶太郎まで合流し、四匹そろって部屋中を必死に探し始める。
クローゼットの隙間、おもちゃ箱の中、棚の裏まで大捜索。
「何を探しているんだ?」
首をかしげていると、きゅうちゃんが僕を見上げて「ワン!」。
その瞬間、ひらめいた。
「……消防車?」
その一言で、きゅうちゃんの目がキラリと輝いた。
どうやら四匹総出で探していたのは、消防車のおもちゃだったのである。
物置から消防車を持ってくると、きゅうちゃんは大喜び。
さっそく運転席へ飛び乗り、
「火事はどこだ? 早く押して!」
という顔で僕を見つめる。
ここからが僕の仕事である。
中腰になって消防車を押しながら、リビングを何周も全力疾走。
これがとにかく腰にくる。
まさに「腰痛製造機」である。
ようやくきゅうちゃんが満足すると、今度は茶太郎が待っていた。
「次は僕!」
とばかりに消防車へ乗り込み、また僕は中腰で走る。
全員が満足する頃には、僕の腰は悲鳴を上げていた。
それでも不思議なことに、さっきまで五月病だった二匹は、すっかり元気を取り戻していた。
遊ぶことが、一番の薬だったらしい。
「子どもの五月病対策」という記事も読んだ。
「子どもに共感することが大切」
「みんなと比較してはいけない」
そんな内容だった。
もちろん大事なことだとは思う。
でも僕は、
「みんな会社も学校も行きたくないんだよ」
と言われるほうが、案外救われる気もする。
少なくとも僕はそうだった。
ちなみに子どもの頃、
「学校へ行きたくない」
と言えば、我が家では連絡帳に堂々と
「本日はずる休みします」
と書かれるのだ……。
そんな連絡帳を先生へ渡すくらいなら、熱があっても学校へ行くしかない。
今のお父さん、お母さんは本当に大変だなあと、しみじみ思った。
結局のところ、どんな薬よりも、一緒に夢中になって遊ぶ時間が、一番の五月病の特効薬なのかもしれない。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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