ごはんを通じて、プロ同士の信頼が育つとき
日に日に暑さが増す中、試合を終えて帰宅した選手は
疲労と熱気でエネルギーを使い果たした状態。
「すぐにご飯を食べられるように」と、私は準備万端で
待機していたのですが――
帰宅した選手の表情が、ほんの一瞬曇ったのに気づきました。
この日のメニューのメインは
「カンパチのしゃぶしゃぶ」。

数日前に作った鍋が「めちゃくちゃ美味しい!」と好評だったことに気をよくして、私はまた鍋を選んでいたのです。
でもこの日、気温は25℃前後。
部屋の中も涼しくはない。
「…やってしまった。」
しゃぶしゃぶを前にした選手が、静かに口を開きました。
「今日はもういいけど、これから暑くなるし…
試合後の最優先は身体の熱を冷ましたいから
鍋は好きだけど、次は無しがいいかもです。
冷ましてから食べますね。」
その言葉でハッとしました。
「消化にいいもの」「水分補給になるもの」ばかりに気を取られすぎていた――。
「すみません!次から気をつけます!」
昔の私なら、ここで会話がストップしていました。
「話しかけすぎないようにしよう」って、なぜか自分の中にあった“謎ルール”を守っていたんです。
でも今シーズンの私は違う。
より良い結果につなげるために、できることは全部やる!
勇気を出して、いろいろ質問してみました。
• 試合後の身体の状態はどうか
• どんなものが「食べたい」と感じるのか
選手は、いつもごはん中に何か話しかけると、
必ずテレビの音を消して向き合ってくれます。
この日も、自分の身体の状態や、食事に求めるもの、
出し方の工夫まで――たくさん教えてくれました。
そして、食べ進めていく中で言ってくれた一言。
漬けダレが冷たいから、そんなに熱くないし、
鍋美味しいですね!
さっきは食べる前から色々言ってすみません。
こういうところが、本当に好きだなと思います。
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以前にも、似たようなことがありました。
私は毎食の記録をノートに書いているのですが、
選手から「それ、自分も見たいから送ってほしい」と
言われた時のこと。
「あのノートに書いてるやつあるじゃないですか〜
あっ、“書いてもらってる”でした。すみません。」
ちゃんと丁寧に、言い直してくれるんです。

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お互いにリスペクトを忘れない。
些細なやり取りの中にも、そういう気持ちが溢れて
いて、私は本当にすごいなと思います。
尊重し合いながら、必要なことは遠慮せず
リクエストする。
それができるのは、お互いを信頼しているから。
まさに、プロだなと思う瞬間です。
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