ショートショート『バズる実家』
「母さん、またバズったでしょ。ほら見て」
スマホに保存していた画像を見せた。
「あらやだ炎上しているじゃない。パパ大変よ、また炎上しちゃってる」
傍から見たら奇妙な会話だが、我が家にとっては日常会話である。なんせ我が家は、よくバズりよく炎上する家なのだ。
私が小学6年生頃、初めてバズった。
『台風で修学旅行中止だって、マジ最悪。北海道の高校が沖縄へ行くのは許されないのか、、、』
冗談半分で嘆いたセリフでバズってしまった。バズった時の感動は凄まじく、鳥になったようなそんな高揚感を終始抱いていた。そして、そのバズリのおかげで沖縄に行くことができた。
それから、我が家はよくバズった。重要な事柄から些細なものまで、バズることが習慣になっていた。そして、よく炎上した。何度もバズればしかたがないかもしれないが、炎上すると家が被害を受ける。
だが、それも覚悟の上でいつもバズっていた。
「ごめん、急用ができちゃって東京に帰らないと」
「もっとゆっくりしていけばいいのに、ねぇパパ」
「まぁいいんじゃない、たまに顔を見せてもらえば十分だよ。ところで、帰りはどうするつもり」
「久しぶりに、バズろうかな」
家に備え付けられたバズーカーで、娘は東京に帰っていった。
–––––完–––––
初参加です。
『バズる実家』をお借りました。
無理やり感満載ですが、「バズる」の意味を変えてみました。
