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「売上拡大」の根拠はどこにある?TAM・SAM・SOMで“使える市場設計”を作る方法

「売上拡大」という目標は明確でも、いざ市場の話になると途端に言葉が濁る。

「業界は伸びている」「ニーズはありそうだ」といった主観的な表現に終始し、具体的な数字に落とし込めない。

その結果、広告費の妥当性もKPIの現実性も検証されぬまま、場当たり的な施策だけが走り出してしまう。

私たちOz link(オズ・リンク)が多くの企業さまと向き合う中で確信しているのは、この「市場の解像度不足」こそが戦略を曖昧にする根本的な原因であるということです。

では、どうすれば「感覚」に頼る現状を脱し、
ロジックに基づき「設計」された市場理解へと昇華させられるのでしょうか。


TAM・SAM・SOMとは何か──市場を3段階で捉える視点

戦略を「設計」に変えるためには、市場を一つの塊として見るのではなく、以下の3つのレイヤーで分解する必要があります。

1. TAM(Total Addressable Market):理論上の最大市場
「そのビジネスが届きうる、市場全体のポテンシャル」です。

例えば「国内の化粧品市場全体」のように、競合他社も含めた全ての需要を指します。TAMは事業の長期的な「野望」のサイズを測る指標となります。

2. SAM(Serviceable Available Market):サービス提供可能な市場
「自社のビジネスモデルや商圏で、現実的にアプローチできる範囲」です。

化粧品市場の中でも「30〜40代・働く女性・敏感肌」といった特定のターゲット層に絞り込んだ規模を指します。
これは事業戦略の「射程範囲」を定義するものです。

3. SOM(Serviceable Obtainable Market):実際に獲得可能な市場
「現在のリソースで、短期間に確実に取れるシェア」です。

SAMの中で、広告予算や営業人員を投下して「初年度に獲得を目指す売上」などを指します。
SOMこそが、実現可能な「収益計画」の土台となります。

「規模」ではなく「解像度」が戦略を決める

多くの企業がTAM(最大市場)の大きさを語り、「市場は巨大だ」と結論づけて安心します。

しかし、マーケティング戦略において本当に重要なのは、
解像度をSAM、そしてSOMへと引き下げていくプロセスです。

この落とし込みが甘いままでは、どんなに立派な戦略も「絵に描いた餅」に終わり、戦略が空回りし、機能しません。
空回りの根本的な原因は、市場を「構造」で捉えていないことにあります。その要因は、大きく3つに集約されます。

戦略が空回りする3つの構造的原因

・目的の未分解
売上目標はあっても「どの市場から、どれだけ取るか」という具体性に欠けるため、戦略が抽象論で止まってしまう。

・指標の不一致(KPIの乖離)
経営、マーケティング、現場で共通の市場前提がないため、
追うべき数字がバラバラになり、組織の歯車が噛み合わない。

・顧客理解の解像度不足
市場を業界全体(TAM)という大きな塊で捉えて満足し、
自社が本当に向き合うべき顧客(SAM・SOM)まで設計できていない。

市場を単なる“広さ”ではなく、
緻密に“取りにいく範囲”として再定義すること。

「なんとなく」の市場理解から脱し、構造的な「設計」へとシフトする。

これこそが、迷いのない施策を実行し、停滞した戦略を動かす唯一の解となります。

TAM・SAM・SOMを“使える武器”に変える4ステップ

私たちOz linkでは、市場分析を単なる「市場規模の調査」で終わらせません。

何よりも重視しているのは、実行に直結する「設計」への落とし込みです。

そこで、解像度を高め、分析を成果に変えるための4つのステップを解説します。

① 市場を3層に分解する
まずは業界全体の市場規模(TAM)を俯瞰し、
そこから自社の提供領域(SAM)に絞り込み、
さらに現実的な獲得可能範囲(SOM)まで落とし込みます。

多くの企業が陥る「業界全体=自社の市場」という誤認を避け、
自社の提供条件や強みを基準にフィルタリングすることが、
精度を上げる鍵となります。

② 数字の根拠を言語化する(ロジックの構築)
「なんとなく」の仮説を排し、
「なぜその数字なのか」を論理的に説明できる状態にします。

単に「◯億円の市場」と定義するのではなく、
「平均単価 × ターゲット顧客数」といった積み上げ方式(ボトムアップ)で算出することで、戦略の解像度は一気に高まります。

③ KPIと接続する(実行計画への反映)
算出したSOMをもとに、月次・四半期の具体的な目標へと落とし込みます。

市場規模の裏付けがあって初めて、広告費の妥当性や人員配置の現実性を正しく判断することが可能になります。

④ 施策の優先順位を確定する(リソースの集中)
攻めるべき市場が明確になれば、
自ずと「今やるべきこと」と「後回しにすべきこと」が整理されます。

限られたリソースを「勝てる見込みの高い市場」へ集中させることが、
最短距離で成果を出すための鉄則です。

▼ 詳しい図解やテンプレートは、以下の記事で解説しています
『TAM・SAM・SOMとは?市場規模の考え方と算出方法をわかりやすく解説』

事例:コスメブランド『VINTORTE』|「市場設計」によるブランド構築

コロナ禍に伴うメイク需要の減少や、韓国コスメの台頭といった競合激化により、売上が低迷。

市場の「どこに、どれだけの予算を投じるべきか」という判断基準の曖昧さが、戦略上の大きな課題でした。

市場を以下の3層に構造化し、狙うべきターゲットと獲得目標を具体的に定義しました。

・TAM: 国内化粧品市場全体(約2.7兆円)
・SAM: 30〜40代女性・敏感肌志向層(約2,000億円)
・SOM:SNS広告と自社ECで初年度に獲得可能な層(1万人規模・売上見込約1.2億円)

この設計に基づき、商品訴求から広告・LPまでを一貫して最適化しました。

ブランドの強みを再定義したことで、既存顧客の離反を防ぎながら新規顧客の獲得効率を大幅に改善。
結果として、わずか1年で売上120%超の回復を達成しました。

▼詳しくはこちら
『衰退期からの成長期へ。コロナ過で逆境の中、ブランドを再構築することで、わずか1年で120%以上の売上回復を実現。』

戦略の出発点は“取れる市場”を定義すること

どうすれば「感覚」に頼る現状を脱し、
「設計」された市場理解に変えられるのか。

その答えは、TAM・SAM・SOMのフレームワークを用いて、
「自社が現実的に獲得できる市場(SOM)」を冷徹に定義することにあります。

明日からできる最初のアクションは、
まず自社の売上目標を「単価 × 顧客数」という単純な計算式に分解してみることです。

それだけで、「その顧客数は市場のどこに存在するのか」という問いが生まれ、市場の見え方は劇的に変わり始めます。

「なんとなくの戦略」から、「根拠ある設計」へ。
市場の解像度を上げるプロセスこそが、確実な成長への最短ルートです。

▶戦略設計の更なる詳細については、こちらの記事もあわせてご覧ください
『マーケティング戦略とは?意味・立て方を図解で解説|Oz link』

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▶TAM・SAM・SOMについてより詳しくはこちら
『TAM・SAM・SOMとは?市場規模の考え方と違いを図解でわかりやすく解説』


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