見出し画像

ていねいな暮らしを志したけど師には及ばず――幸田家のことば~知る知らぬの種をまく~ 青木奈緒 (著)


皆様は「ていねいな暮らし」から何をイメージされますか
私は幸田文さんの生き方を思います
徹子の部屋などを通して言葉に触れ
子育てしていた30代の私は幸田文さんの本を
図書館にあるものは全て読み、本を通して私淑しました
そんな大事な師のお孫さんの著作です

ぞんざいと丁寧という矛盾する二語を結びつけているのは、ことばと同様、相容れない状況であり、感情なのだ。すでに手一杯の日常の中に容赦なく入りこむさらなる用事、大急ぎでいながら丈夫さも求められる縫いもの、弟へ八つあたりしたいような気持とそれでも放ってはおけない家庭の事情。こうした数々の矛盾の中から、最終的には身内への情が何にも勝るから、眠気を我慢して縫いもするし、やり場のない気持もおさめて気をとり直す。

幸田家のことば~知る知らぬの種をまく~ Kindle版
青木奈緒 (著)

幸田露伴・幸田文・青木玉・青木奈緒と四世代に受け継がれた
大切なキーワードを通して
生きる姿勢・暮らしていく姿勢に触れられます

私にとって、青木奈緒さんが引用したように
言葉を整え体系化して下さることで
幸田文さんの著作だけでは見えなかったものに
触れることが出来ることが、この本の魅力です


ていねいな暮らしと30代のあの頃

生協は利用していました
友達の口コミで友の会も知りました

80年代の取り組みです
食の安全と環境に関しては
例えばゴミの出し方が、今ほどリサイクルが
重視されていなかったので工夫しました
公害問題もあり、お台所で出来ることとして
石鹸と排水に関しても学びました

衣替えなど家事全般
なかでも家計簿の付け方は学びがありました

二人の子を育て、家事と学習塾の経営や
夫の療養など色々なことがあり
引用した「ぞんざいと丁寧」に共感する
状態がずいぶん続きました

私の上の世代は、家父長制の時代ですから
80年代はだいぶ進歩していますが
私自身良妻賢母の呪いは40代になり
自分と向き合うまで自覚出来ませんでしたから
時代の制約を感じます

幸田文さんの何に惹かれたのか

徹子の部屋でお話を聴いて
「雑巾は水の中で絞る」という言葉に
「それは濡れたままでしょ」と疑問をいだき
試しにやってみて、水はねが無いことを確認し
感銘を受け、ご著書を読みたいと突き動かされました

家事、その他一切を父露伴に仕込まれたという話の中で
このエピソードが出てきたのです

私の父は観察を重視する職人気質の人で
教えるより見て学ぶことを大事にしていました
父、先生、友達、見て学ぶ人は沢山います

けれど、水の中で雑巾を絞る人はいなかったので
飛んだ水滴は最後に拭いておしまいです
長年同様にされて来た小学校の長い廊下は
バケツのあった場所がしっかりついていました
それは見慣れた景色ですから
跡がつかない方法を考えることもしませんでした

私にとって、本の魅力は、自分の周囲にいない種類の先生にも
時間も空間も超えて出会えることでもあります

話を戻すと、聴いた話をやってみました
本当でした
水はねがなく手間を減らせます
長年続けてしまったら、床にシミを付けていたかもしれません
教えてもらってとても良かったと
懐かしく思い出します

(もし、試される方はバケツの水は半分くらいがオススメです
水の中であらかた絞ったら
最後の一絞りは水から出してやることができるからです
仮に水滴を飛ばしても水面の上にはバケツの内壁がありますから
水滴を外に飛ばしてしまう心配がありません)

いくつになってもお手本がいる幸福

幸田文さんの著作、生協や友の会
そして子育てや夫の療養など
人生と苦労を通して実践し学んだのですが
生活は夢中で通り抜ける面もあるため

理想には及ばないことがありました
例えばお台所は洗い物を終えて
水気をとっていつでも使える状態を保ちました
けれどシングルマザーになってからは
私が倒れるわけにいきませんから
目をつむり
洗い物を翌日に回してでも
子ども達のことや仕事を優先しました

青木奈緒さんの本書は
露伴、文、玉、奈緒と四代に渡る言葉の変遷をたどれます

書かれている事を、一つ一つ味わうことで
こんな丁寧な暮らしが出来ていなかったと猛省しました
それは後悔ではなく
今からでも臨機応変、時間を生み出し、
「 やるじゃない! 」と自分に言えるようにしたいと
励みになりました

生きる姿勢
暮らしていく姿勢
78年生きても追いつけない師のいるありがたさを思うことでした

言葉と暮らしにご興味があれば、お勧めです



2025/10/20 コングラボードいただきました。読んでくださりありがとうございます


2025/10/20 もう一枚いただきました。ありがとうございます

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集