利益は「稼ぐ」だけでは守れない。福祉経営者のための「コストマネジメント」実践ガイド
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ぱごろも実践マガジンSeason1
「福祉経営実践編」
Chapter32【コストマネジメント】
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★★★★★ 実践レベル
■対象
・福祉事業所経営者
・管理者
・サービス管理責任者
・相談支援専門員
・主任・リーダー
■読む時間
約30分
この記事で得られること
・物価高時代に利益を守る経営の考え方
・福祉事業所が毎月確認すべき経営指標
・コスト削減ではなく「コスト最適化」の考え方
・災害・物価高・円安に強い経営体質をつくる方法
・管理者が現場で実践できる利益管理の仕組み
はじめに
2026年7月、日本の企業物価指数は前年同月比7.1%上昇しました。
燃料価格は22.8%上昇。
輸入物価も大幅に上昇しています。
さらに大型台風による物流への影響も懸念され、今後も物価は不安定な状況が続く可能性があります。
福祉事業所は、この影響を強く受ける業界です。
送迎車の燃料
施設の電気代
給食費
衛生用品
福祉用具
建物維持費
どれも利用者さんへの支援には欠かせません。
しかし、介護報酬や障害福祉サービス等報酬は、物価が上がったからといってすぐには増えません。
つまり、
「売上は変わらないのに、支出だけが増える」
という状況が起こります。
だからこそ、これからの福祉経営では、
「売上を増やす経営」
だけでは足りません。
「利益を守る経営」
が必要になります。
第1章 コスト削減ではなく「コストマネジメント」
「コスト管理」と聞くと、
経費削減を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、本当に必要なのは、
「安くすること」
ではありません。
「価値を維持しながら最適化すること」
です。
例えば、
■利用者さんに必要なエアコンまで我慢する。
■研修費をゼロにする。
■備品を極端に減らす。
これでは短期的にはお金が残るかもしれません。
しかし、
支援の質は下がり、
職員満足度も下がり、
結果として利用率や採用にも悪影響が出ます。
つまり、
コストを削ることが目的ではなく、
「利益を最大化するために、お金の使い方を見直すこと」
がコストマネジメントなのです。
第2章 経営者が毎月見るべき「5つのコスト」
利益を守る経営者は、毎月同じ数字を確認しています。
その中でも、特に重要なのが次の5項目です。
① 人件費
最も大きな支出です。
単純に「高い・安い」で判断するのではなく、
利用率や売上とのバランスを見る必要があります。
② 燃料費
訪問介護や訪問看護、送迎業務では、燃料価格の変動が利益へ直結します。
前年同月との比較を習慣にしましょう。
③ 水道光熱費
電気料金は季節だけでなく、燃料価格や円安の影響も受けます。
月額だけではなく、「利用者一人あたり」のコストも確認すると改善点が見えやすくなります。
④ 消耗品費
衛生用品や事務用品は、一つひとつは小さくても年間では大きな金額になります。
購入先や発注方法を見直すだけで改善できることも少なくありません。
⑤ ICT・AI利用料
これからはAIやクラウドサービスも固定費です。
「契約している」ではなく、
「利益へ貢献しているか」
という視点で評価することが重要です。
第3章 利益率を見る習慣を持つ
売上が増えているのに、お金が残らない。
この悩みを抱える事業所は少なくありません。
原因の一つが、
「利益率を見ていない」
ことです。
例えば、
売上が100万円増えても、
経費が120万円増えれば利益は減ります。
だからこそ、
経営者は毎月、
・事業別利益率
・サービス別利益率
・利用者一人あたり利益
まで確認する必要があります。
利益率を見る習慣が、将来の経営危機を防ぐ第一歩になります。
第1部まとめ
物価高の時代に必要なのは、「節約」ではありません。
利益を生み出すために、どこへ投資し、どこを最適化するかを考えることです。
経営者は、「いくら使ったか」ではなく、「その支出がどんな価値を生んだか」を見る習慣を持つことが重要です。
第2部予告
第2部では、「利益を守るための数字の見方」を詳しく解説します。
管理者が毎月確認すべき経営ダッシュボード、固定費と変動費の考え方、物価高時代でも利益を残す事業所の共通点、そしてそのまま使える「コスト管理表」を紹介します。
第4章 利益を守るための「経営ダッシュボード」を作る
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