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hiiro_archive153
44.死神【ショートショート】
居眠り運転暴走トラックから少女を庇って轢かれたと思ったら異世界に居た。
そんな使い古されたテンプレ展開で転生した俺だが、小説みたいな都合の良いチート能力なんてものは何も無かった。
それでも何とか細々と生きていた俺の前に、突然それが現れた。
「どうも、死神です」
創作物でよく見るような黒ローブに大鎌を持った姿だが、その中身はただの気弱そうな美少女。しかし相対しているだけで血液が凍るような恐怖感が、本物だと確信させる。
「あの、あなた、三か月後に死にます」
おどおどした態度で告げられた言葉に愕然とする。憧れの異世界転生に内心喜びを抱いていたのに、何も成せずにもう終わり?そんな理不尽ある?
「それは、確定なの?どうにもならないの?」
「はい、確定です。何をしても覆ることはないです。必ず三か月後に死にます。一応私も、神様なので」
死神にはっきり言われてがくり、と首を落とす。しかしすぐに思い直した。
神が言うのだから、その通り必ず三か月後に死ぬのだ。
「てことは三か月は何があっても死なないってことだろ!なら捨て身でドラゴンでも狩って大金手に入れて、豪遊してやるぜ!」
どうせ一度は死んだ身だ。このおまけの人生を可能な限り楽しんでやる!
決意した俺は僅かな時間も惜しむ如く、駆け出していた。
「あ。あぁ、行っちゃった。確かに三か月は死なないけど、怪我はするのになぁ」
