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再び、石神井でかき氷を

 関東の六月はぐつついた天気の日が多く、さては冷夏かと油断していたところがある。七月も終りに近づくと、外はリミッターが外れかのようなとてつもない暑さだ。
 「石神井松の風文化公園」の片隅に「アメダス」(練馬地域気象観測所)が設置されている。以前は長い鉄塔の先に風見鶏がついていたはずだが、あらためて見てみると無くなっていて、パトカーの回転灯のような形状になっている。過去には「日照時間」も測っていたように思うが、上にシールが貼られているということは、止めてしまったのだろうか。写真を撮ると、トンボらしき虫が高い棒の近くを飛び回っていた。

「アメダス」(練馬地域気象観測所)

 夏ならでは楽しみのひとつが「かき氷」だが、二年前、西武池袋線・石神井公園駅の近くのカフェ&バー「SPROUT」で食べた時は、今まで本格的なかき氷を食べたことがなかったから感心した。ノスタルジックな機械で立派な氷を作ってくれた記憶がある。暑い夏の昼さがりであった。
 石神井池(ボート池)のそばなら、「パティスリーカシュカシュ」だ。洋菓子店だが、小さなカップに入れられ、店の外で食べるのは気持ちがいい。同じく洋菓子店の「パティスリー アブルーム」の前にものぼり旗が出ていていて、これもかき氷かと思ったが、よく見ると「ス」と書いてある。スムージーのことだろうか。
 和菓子の「新盛堂」では、以前、「座忘庵」という喫茶コーナーでかき氷を出していた。いい雰囲気だったのに、再開発のあおりで移転し、その際に店内での飲食が無くなったのは寂しい。

石神井公園駅の南口の再開発

 石神井公園駅の北側に「富士街道」という道がある。一雨降った日の午後、通りに面した台湾カフェ「吃吃看(ツーツーカン)」の表に「台湾かき氷」というのぼりを見つけて、久しぶりに入ってみた。
 初めて食べた台湾かき氷は、削られた氷の上に団子や芋、豆(かな?)などがふんだんにのっていて、黒糖仕立てで、すこぶるうまい。氷にシロップがかけられているのとは違い、お腹にもちゃんとたまる。マンゴーのかき氷もあった。
 吃吃看は「カフェ」と書いたが、メニューを見ると、食事も充実している。駅からは距離があるが、すでに固定客もついているようで、店内は会話が弾んでいた。自分は自転車で来てしまったけれど、明るく、清潔で、こんなところで台湾啤酒(ビール)でも飲んだら楽しいだろう。

「吃吃看(ツーツーカン)」

 吃吃看のある富士街道を西に進み、先の松の風文化公園の辺りで北に上がると「マルゼン46」という古本喫茶がある。一帯に建っているのは「パークサイド石神井」というUR賃貸住宅だ。店までは石神井だが、しばらく行くと、住所は東大泉になる。
 「古本喫茶」と言っても分かりづらいと思うが、七十年代~八十年代のコミックを中心に本が並べられていて、自分にはとても居心地がいい。
 先日、店に入って「あしたのジョー」第一巻を読んだ。練馬区にゆかりのあるちばてつや先生の傑作漫画である。かき氷にはまるで関係ない話だけれど、この作品に比肩する作品が今どれだけ世の中にあるのか。作風に懐かしさを感じる前に、熱量に圧倒されてしまった。
 なお、実にいい加減だが、外の写真を見て頼んだところ、かき氷だと思っていたのはアイスクリームのパフェ。勘違いは勘違いとして、美味しくいただいた。

「マルゼン46」

 最近は特にかもしれないが、季節限定で冷たいデザートを出している店は思いのほか多い。氷にひかれてふらっと入って、新しい店を開拓するきっかけともなりそうだ。酷暑にゲリラ豪雨、穏やかならぬことも続き、落ち着かない日々だが、山や海に行かずとも、工夫次第では違う楽しみもあるということかもしれない。

「ゴレンジャー」? だったかな


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